「知らないことは悪いことでも恥ずかしいことでもない」ファッションを通してハッピーに環境問題に取り組む、移動式ヴィンテージショップBlanche Market

Text: Miku

Main Photography: Daikichi Kawazumi
Images Provided: Blanche Market

2020.7.13

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思想のあるブランドを紹介するGOOD WARDROBEで今回ピックアップするのは、「店舗を構えるメリットを感じない、期間を決めて会いに行ったほうが特別感がある」と、店舗を持たない移動式ヴィンテージショップ「Blanche Market(ブロンシュマーケット)」だ。

水谷優里(みずたに ゆり)とMichelle(ミシェル)が2019年に始めたBlanche Marketでは、単に服を売るだけではなく、買い付けの背景や彼女たち自身のライフスタイル、そして思想を発信している。「私たちは古着屋というよりも、古着を扱ったお洋服の着こなし相談室」と彼女たちは話す。また、エコバックの製作やファンミーティングでベジフードを提供*1をしたりその際に環境に配慮したお皿やカトラリーを使用したりするなど、“おしゃれで気軽なエコ”を発信している。今回はそんなBlanche Marketが取り組む環境問題に焦点を当てて、水谷優里とMichelleに話をうかがった。

 

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奥が水谷優里で手前がMichelle

ーまずはじめに、ブランドの簡単な説明をお願いします。

優里:私たちは2019年11月から立ち上げた移動式ヴィンテージショップです。店舗を構えず、会いたいと思ってくれているファンに対して、こちらから会いにいくスタイルで全国どこでもいきます。

ーブランドを立ち上げた経緯を教えてください。

Michelle:5年前くらいから共通の友人を通して友達になって、その頃によく優里は「30歳くらいになったら輸入をメインにした仕事をしたい」、私は「ブランディングやお店作り、企画、PR等発信することをもっとやっていきたい」と漠然と話していました。
2年前に、4年ほど務めた株式会社BEAMSを退職したタイミングでやってみよう!ということで始まったのがきっかけです。

ー移動式のヴィンテージショップにしようと思ったのはどうしてですか?

優里:単純に店舗を持つメリットが感じられなかったからです。店舗を持つと、家賃や管理費、従業員の賃金、時間の拘束等、勢いで始めた私たちにとってはリスクが非常に高かった。加えて、自由に仕事をしていきたかったので毎日毎日、お客様が来店されるのを待つのではなく、期間を決めて会いに行ったほうが特別感もあって、お互いにいいんじゃないか、というのが大きな理由です。

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ーブログやInstagramを通して、お二人の買い付け風景や、作業工程を拝見することが多い印象です。お二人がBlanche Marketのモデルも行い、最近ではインターン募集をするなど、どこか親しみやすい雰囲気のあるブランドに感じますが、SNSなども含めてお客さんとのコミュニケーションにおいて何か意識していることはありますか?

Michelle:お客さんとは、嘘、偽りのない関係性です。私たちは古着屋というよりも、「古着を扱ったお洋服の着こなし相談室」みたいなところがあります。お客様が体型で気にしているところとか、挑戦したいけど選んでこなかった洋服とか、がどういうふうに着たらバランスよく着こなせるのか雑談をしながらコミュニケーションをとる時間を、とても大切にしています。

優里:買い付けのシーンを見せているのも、商品をどんなところからみつけて、どんなふうに運ばれているのかって行程が見えたほうがワクワクするかなって思ったのがきっかけでInsagramに載せました。あとは、楽しそうなキラキラした仕事に見えてマジで大変なんだよってことも伝えたかった(笑)。 でも私たちのライフスタイル(海外での暮らし方、日本での暮らし方)を映すことで、どんな人から洋服を買っているかというのも見えていていいかなっと思っています。

ーエコバック販売やファンミーティングで、環境に配慮したお皿やカトラリーでのベジフード提供など、環境に対しての取り組みがBlanche Marketに感じる魅力の一つですが、環境問題に対して関心を持ったきっかけはなんでしたか?

Michelle:きっかけは私が、オーストラリアに旅行で訪れた際に、山火事の影響で空気が濁っていたこと、地球温暖化の影響で池の水が干上がって、鳥たちの飲み水がなくなり水たまりの水を飲んでいたことです。自然が破壊せれている姿を目の当たりにしたとき、環境問題にとても興味が湧きました。
それ以降、環境問題について考えることが多くなり、おしゃれに楽しくブロンシュらしく、みんなにやってもらえる環境にいいことってないかなと思って、エコバックの販売、デザイン(実は意味がありますw)割引制度を入れることで習慣化するんじゃないかと思って始めました。

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ー上であげたエコバックの販売や環境に配慮したお皿やカトラリー使用やベジフード提供など以外に 、Blanche Marketでこれまで環境問題についてどのような取り組みをされてきましたか?また今後はどんな取り組みをしていこうとお考えですか?

Michelle:今は特にないです。でも古着を販売していることも、リユースになるから環境にいいことをやっているかな。今後はショッパーをなくす運動をしたいと思っています。エコバックを持ってこれなかった人たちには、家で余っているショッパーの再利用で対応したり、それがなくなったら有料化も考えています。“おしゃれなエコ” “気軽なエコ”というのをテーマにやっていきたいですね。

ー先日NIKEのエコな新作についての取材でHUG株式会社のharu.さんが「楽しみながらエコについて考えるのがクールじゃない?」というBlanche Marketのスタンスがいいとお話されていたのが印象的でした。お2人は実際日頃から環境改善に、どういったモチベーションで取り組んでいますか?

Michelle:無理をしない!ことがモットーです。楽しんで、おしゃれに、いいと思ったら友達に勧める!

優里:意識せずとも当たり前に環境改善ができるように心掛けています。仕事柄、古着を扱っているということもあり、服を通して環境改善を意識したいとも思っています。環境問題は、私たちが地球で生きていくうえで、皆が関心を持たなくてはならない問題だと考えています。だからこそ、私たちはファッションを通して楽しくハッピーに気に入ったエコなアイテムを身につけながら当たり前のように環境改善のことを考えていけるようにしたいです。

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ー環境問題は堅苦しくて詳しくないと話題に出しちゃいけないようなイメージがありますが、Michelさんはなぜ「知ってる範囲でいいから、自分なりに環境にいいことを広めていこう」と考えるようになったんですか?

Michelle:環境問題もそうですし、さまざまな社会問題も「これが100%正しい」なんてことはないんじゃないかなって思うんです。でも変えなくちゃいけないことがいっぱいあって、そのパワーは1人より10人の方がいい。そう思ったときに、私なりに自分の言葉で発信していけば、誰かに絶対伝わるし“難しいから” “堅苦しいから” “あんまり知らないから”っていうことを理由に、言葉にしないで行動を起こさないのって変だなって思ったんです。あとは私みたいに詳しくないしって思っている人もすごく多いと思うから、その感情ごと発信することで「知らないことは悪いことでも恥ずかしいことでもない」って思ってもらってそこから知っていって欲しいな、一緒に勉強しよう!って気持ちだからですかね。

ー個人で日頃から行なっている読者におすすめしたい環境活動があれば教えてください。

Michelle:エコラップ(シリコンの蓋のようなラップ)とシリコンジップロックを使っています。プラスチックを使うことで環境に(主に海)悪影響が及ぼされる。どうせなら使い回しができて、個人でのプラスチックの消費量を減らせたらいいなあと思って始めました。また、私は2月位からほぼビーガンなんですが、個人的にオススメなのが、野菜の皮とかヘタとかいらない部分(いつもは捨てちゃう部分)を煮出して野菜ストックっていう出汁を作るのがオススメ。家でコンポストをするのはちょっと難しいから、生ゴミの処理方法について考えました。カレーとか、ポトフとかお料理をするときの出汁としてもとっても便利で、動物成分が入ってない完全ベジだから環境に最高に良くてオススメです。

優里:お肉を食べる量を減らしています。畜産産業が、環境にもたらす影響を知ったときに驚いたことから、日頃から食べていた肉の量を減らすようにしてみました。もちろんそこには、動物の命を守りたいという思いもあります。体調面においても変化はあり、体が少し軽くなったり胃もたれがなくなりました。また、基本的にエコバッグを持ち歩き、ビニール袋を使わないように心掛けています。自分のブランドではエコバッグを製作し、ショッパーとして購入した洋服を持ち帰ってもらうことで、割引するプロモーションを行っており、無駄なショッパーを減らすようにしています。

ーお二人がいま気になるトピックはありますか?

Michelle:今現在は、Black Lives Matterの人種差別問題が注目すべき、そして声をあげて変えていくべきタイミングなんじゃないかと思っています。
あとは東京都知事選挙についてめちゃくちゃ気になっています。(取材時は東京都知事選前の約1週間前)若年層の投票率が4年前よりもupするのだろうか。もっと若者たちが自分で考えて選択し、行動できる環境、思考を作っていきたい。もう一つは畜産業による環境汚染や動物が劣悪な状況で殺されたり、人間が食べる為に生かされている状況が本当におかしいと思います。

優里:ペット産業に関する問題点です。悪質なペットショップやブリーダーにより、犬や猫の動物たちが劣悪な環境下で子どもを産まされ続け、産めなくなったら破棄されるという耳を塞ぎたくなるような現状があります。ペットショップに並ぶ子猫や子犬たちに値段がつけられ、それを購入する人間がいる。成長してしまった子犬や子猫がその先どうなるのか、考えられる人が少ないように思えます。私の家にいる猫たちは全て保護猫です。動物を迎えるときに保護猫や保護犬を選択することが当たり前になり、命に値段がつけられることへの疑問を持って動物たちが幸せに暮らせる世の中を作っていきたいです。

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ー最後に、環境問題に限らずBlanche Marketの目指す今後の展望を教えてください

Michelle:今後はさらに、ライフスタイルに特化した提案をできたら良いなと思っています。まだいろいろ未定で、洋服を販売する古着屋だけど、いろんな視点から魅力をみせてプロモーションしたり、いろんなクリエイターと一緒にものづくりをしてみたり、型にとらわれず自由に表現していきたいです。お洋服は私を着飾る武器だから。

(*1)家畜の放牧地や家畜用の飼料の生産するための大規模な森林破壊や、家畜の排せつ物などが原因で、畜産業は大量に温室効果ガス(GHG)を排出している。環境問題に積極的に取り組んでいる先進国では肉離れの動きが広がっている。

Blanche Market

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水谷優里(みずたに ゆり)

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大学生時代、パリへ約2年間の留学。その頃からの夢である“ヴィンテージを日本へ輸入しブランドを立ち上げる”ことを実現。2019年11月にMichelleと共に立ち上げた。ブランド内では、オーナーを務め主に経営や顧客管理を担当。流暢なフランス語で買い付け中も、積極的に現地の方とコミュニケーションを取り、情報収集をおこなっている。

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Michelle(ミシェル)

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BEAMS WOMEN SHIBUYAのカリスマショップ店員として活躍後、2019年11月にYuriと共にヴィンテージブランド“Blanche Market”を立ち上げる。持ち前のバランス感のあるファッションセンスでインスタグラムを中心に発信、注目を集めている。ブランド内では、ブランドディレクターを務めPRを含むSNSや、お店づくり、オリジナル考案など幅広く担当している。

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