「トイレットペーパーはトイレにあるのに生理用品ないのおかしくない?」社会の“当たり前”に挑戦する企業

Text: Noemi Minami

Photography: ©️Aunt Flow

2018.5.17

Share
Tweet

「トイレにトイレットペーパーは常備されているのに、なんで生理用品はないの?」

そう聞かれると、答えがパッと思いつかない。なるほど、「排泄」という自然な現象に必要なトイレットペーパーが必需品として(大抵)どこでも提供されるのならば、生理用品だって同じであるはずだ。

排泄と比べれば頻度が圧倒的に少ないから、生理がある人だけの問題だから、となんとなく現状として生理用品がトイレに常備されていない理由を予想はできるが、常備された方がいいことも容易に想像できる。「人って慣れ親しんだ環境を変えようってなかなか思わないから。『当たり前』になってしまったことに対してどう改善できるかってあまり考えないのかもしれない」。そう話してくれたのは、アメリカで「当たり前のようにトイレに“ない”生理用品事情」を変えようとしている企業。

今回Be inspired!は教育施設や企業に生理用品を常備させることを目的とした「オーガニック生理用品」の企業、Aunt Flow(アント・フロウ)に話を聞いた。

width=“100%"

ーまず初めに、Aunt Flowがどんな会社か教えてくれる?

Aunt Flowは100%オーガニックなコットンの生理用品(タンポンとナプキン)を企業や教育団体に提供している会社です。そうすることで会社や学校が無料で生理用品をトイレに置けるようにするために。トイレットペーパーは無料なのに、タンポンがそうじゃないっておかしくない?ウェブサイトからオーダーできるよ。

ーどんなクライアントがいるの?

100企業以上に製品を提供しています。ハーバード大学からスタンフォード大学、企業だとMTVとかTwitterにも。企業は従業員の労働時間を無駄にしなくて済むからとてもAunt Flowを気に入ってくれてる。社員が「生理が始まったから」って生理用品を買いに行く時間を削減できるしね。それに、私たちのサービスを利用してくれている会社は、女性が輝けるような仕事場をちゃんと作ろうとしている会社たち。

ーどうしてこのビジネスを始めたの?

ほんとに正直なところをいうと、個人的な体験として公共の場で生理がきちゃったことがあって。それでトイレにいったら、トイレットペーパーも、タオルも、マウスウォッシュに綿棒まであるのになんでタンポンがないの?って困ったの。不運な状況ではあったけれど、そこでサステイナブルな解決法を思いついた。それがAunt Flow。

width=“100%"

ーどうして生理用品がトイレットペーパーみたいに無料でトイレに置かれるべきだと思う?

生理用品は必需品。だって生理は自然な現象でしょ。日常的な生活を快適に送るために必要だから。

ーそもそもどうして生理用品がトイレに常備されていないんだと思う?

人って慣れ親しんだ環境を変えようってなかなか思わないから。「当たり前」になってしまったことに対してどう改善できるかってあまり考えないのかもしれない。でもジェネレーションZ(1990年代半ばから2000年代前半生まれの世代)として、私は残り20年以上は生理と共に生きて行くんだから、状況を改善したい!

ー生理がない人にとってこの問題は他人事のように思えるかもしれないけれど、それについてはどう思う?

生理は自然な現象。道端でスボンに血がついている人がいたら、どうやったら助けてあげられるか知っているべきじゃない?(セーター腰に巻いてあげて!)それに、生理がない人だって、生理について理解すればシンパシーがうまれるはずだよ。

width=“100%"

社会にある「当たり前」とは不思議なもので、Aunt Flowが話していたように慣れてしまうと疑問すら持たないもの。生理用品の常備もまたしかり、少しでも多くの「人が損する当たり前」に気づき、改善していけるとみんなが生きやすい社会に近づける。

Aunt Flow

WebsiteFacebookTwitterInstagram

オーガニックコットン100%の生理用品を販売するスタートアップ。会社や学校のトイレに生理用品が常備されるように、企業や教育機関に働きかけている。また、そういった施設で生理用品の常備が簡単にできるようディスプレイボックス(ボックス入りのナプキンとタンポンのセット)や500個単位で生理用品を販売する。

width=“100%"

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

Share
Tweet
★ここを分記する

series

Creative Village