ハンバーガーレストランがお客さんと「ランニング」や「ゴミ拾い」をする理由

Text: Jun Hirayama

2017.4.28

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このご時世、ハンバーガー屋に「スマイルをタダで」提供されてもお客さんはそのお店を好きになるだろうか?少なくとも筆者は好きにはならない。

“笑顔のある接客”だけではなく、美味しくて、体に良くて、手頃な値段。しかも、お客さんと、お店の周辺を走ったり、掃除もするニューヨーク発のハンバーガーレストランが日本に存在する。

そのハンバーガーレストランとは、今や10ヵ国以上の国で愛されている「シェイク シャック」。現在、日本には3店舗構えており、今年の夏には新宿に4号店がオープンする。

彼らのハンバーガーのパティは、ホルモン剤フリーのアンガスビーフ100%を使用し、ビールは、ブルックリンブルワリーにオリジナルのクラフトビールを特注。ホットドッグやフレンチフライに、フローズンカスタード、シェイクなどの他のメニューにも言えることだが、高級レストランのルーツを引き継いでいる彼らは味にも、食材の質にもこだわり、それでいて手頃な価格で提供している。

ハンバーガーのイメージが強いシェイク シャック、実はもともとホットドッグカートだったという。レストラン業界の巨人と称されるユニオン・スクエア・ ホスピタリティ・グループの創業者ダニー・マイヤー氏が、2001年にニューヨークのマディソン スクエアパークの再生を目的としたアートイベントに慈善活動として小さなホットドッグカートを出店したことが始まったきっかけなのだ。

2014年には、歴史あるレストランガイドZagat NYCで「最も人気のあるニューヨークのレストラン」の中に選出され、今ではいつも行列ができるほど。

美味しいハンバーガーが食べられる人気店としてだけではなく、地域の人々が気軽に集える“コミュニティーギャザリングプレイス”として幅広い人々に愛されているシェイク シャック。その理由は、彼らのブランドミッションである「ソーシャルグッドな取り組み」に隠れていた。

お客さんと、走って、掃除して、バーガー食べて。

高品質で安心・安全な食材の調達をするだけでなく、店舗で使用するものは地球環境に優しいデザインを採用。そして知らない人も多いかもしれないが、実は“既存のレストラン”の枠組みに捉われない様々な活動「Stand For Something Good」を東京で行っているのだ。

Stand For Something Goodとは、「シェイク シャックに関わるあらゆる方々や企業、地域のために我々ができることを」というシェイク シャックが最も大切にしているブランドミッションのこと。

その活動の中で特筆したいのは「GOOD NEIGHBOR(地域コミュニティーのために)」。彼らは、店舗近隣を「ホーム」と呼び、その地域コミュニティーの中で最良の市民でいつづけるよう常に心がけている。そして、各店舗でNPOとパートナーシップを組み、店舗限定デザート「コンクリート」の売り上げの5%をチャリティーパートナーに寄付をしたり、地域をより良く、楽しく過ごすためのボランティア活動を行っている。

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中央に穴が空いたフォルムが特徴的なシェイク シャックの人気デザート「コンクリート」

具体的には、外苑いちょう並木店は「放課後NPOアフタースクール」と共に地域の子どもたちが安心で楽しい放課後を過ごせるサポートを行い、アトレ恵比寿店は、店舗のスタッフやお客さん、地域の人たち、そしてチャリティーパートナーの「グリーンバード」と共に店舗周辺の地域のゴミ拾いをしている。また、東京国際フォーラム店では、みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会を目指す 「認定NPO法人フローレンス」とパートナーシップを組み、子供たちのアクティビティを作る活動のお手伝いをしている。

2013年にアメリカで始まった年齢や性別の垣根を越えてカジュアルに集まり、店舗の周辺をランニングし、ドリンクやフードを楽しむコミュニティイベント「Shack Track & Field」は、今年1月31日にシェイク シャック 東京国際フォーラム店とユナイテッドアローズから生まれたファッションとスポーツを軸に編集するライフスタイルブランド「EN ROUTE GINZA」とのコラボレーションで実現した。

家族や友人、恋人、新たに出会った仲間と、ランニングやクリーンナップの後に味わうハンバーガーやレモネードは、きっと格別だろう。

他のハンバーガーレストランでは味わえない「旨み」がある。

美味しいハンバーガーで空腹を満たすだけではなく、社会に貢献できる場や、新しい仲間に出会える場を作るなど、店舗の壁を越えてホスピタリティを広げることで「精神的な満足感」をもお客さんに提供しているシェイク シャック。

そんな既存のレストランが取り組んでこなかった「Stand For Something Good」という活動がシェイク シャックの魅力であり、人気の秘訣なのかもしれない。

もしあなたが東京にいるのなら、シェイク シャックのコミュニティー活動に参加してみてはどうだろうか?きっと他のハンバーガーレストランではできない体験が、そこに待っているはずだ。

Shake Shack

Website

【5月のシェイク シャックのStand For Something Goodの取り組み】

●開催概要
Great Japanese Shake Sale(GJSS)

期間:5月1日(月)~31日(水) ※チケット交換は6月30日(金)まで

店舗:外苑いちょう並木店、アトレ恵比寿店、東京国際フォーラム店

内容:200円寄付いただいた方に、次回来店時にシェイク(スモール480円)と交換いただけるチケットをお渡しします。

パートナー(寄付先):ハタチ基金

●Great Japanese Shake Saleとは?

毎年アメリカで5月に行われる「Great American Shake Sale」の日本版。子供たちの深刻な問題に自分たちはもちろん、シェイク シャックに訪れたゲストも前向きな姿勢で関われるよう開始された取り組み。

昨年は、シェイク シャック 外苑いちょう並木店、アトレ恵比寿店で「Great Japanese Shake Sale」が初開催され、200万円以上をパートナーの東日本大震災の被災地の子供たちに寄り添い、20年間継続的に支援を行っている「ハタチ基金」に寄付した。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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