“過去の栄光”にすがりつく大企業に革新は起こせない。「成功の概念」が変わる今、最も必要なスキルとは【PR】

Text: Reina Tashiro

Photography: MISA KUSAKABE unless otherwise stated.

2017.9.29

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Sponsored by リクルート ホールディングス

最近よく耳にするオープンイノベーション。「異なるアイデアを結合させ、価値を創造すること」だ。前編でも触れたが、近年プロジェクトベースで大企業とスタートアップが提携する場面が増えている。大企業ではイノベーションを起こしにくいという風潮が存在していることや、社会でスタートアップの柔軟な発想が求められていることが背景にある。

そんななか生まれたのが、社会をよくするために明確なビジョンとチャレンジ精神を持った人々に手を差し伸べるリクルートの会員制コミュニティスペース「 TECH LAB PAAK 」だ。テクノロジーをベースとした、 社会課題解決に取り組むオープンイノベーション活動を支援する場で、“この社会をよくするイノベーションの創造”を応援している。

TECH LAB PAAKが支援するスタートアップのひとつがLaboratik。この後編では、変革に挑戦し続けているLaboratikのCEO三浦豊史さんと、TECH LAB PAAKのコミュニティマネージャー岩本亜弓さんに、「オープンイノベーション」について語ってもらった。

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TECH LAB PAAKのコミュニティマネージャー岩本さんとLaboratikのCEO三浦さん

TECH LAB PAAKがすすめるオープンイノベーション。

オープンイノベーションのためには、企業の精神として「変わらなければいけない」と強く自覚することが重要。リクルートは、期初の社長メッセージにも「イノベーション」という言葉が出てくるほどイノベーションに貪欲である。2012年のIndeed買収はその姿勢を物語っているだろう。

大企業がなかなかオープンイノベーションを起こしにくいなか、リクルートが成功した理由を岩本さんに伺った。

岩本:まだ「起こせた」と明確に言えるかというと難しいのが正直なところですが、できた理由があるとすると、「変わらなければいけない」ということを強く自覚し、常に変化をしてきた企業だからだと思います。他者に何かを提供したり、逆に他から影響を受けたりして変わることを恐れないからこそ、オープンイノベーションに取り組むことが可能になったと思います。「リクルート=イノベーション」のイメージがありますが、リクルート単体でのオープンイノベーションの幅はまだまだ狭い。だから、いろんな人と連携していきたいんです。「リクルートという大企業がもつ強み」を生かし、世の中へ還元するのがオープンイノベーションの一歩だと思います。

近年、大企業のスタートアップへの捉え方が柔軟になってきている。さらにムーブメントは広がると三浦さんと岩本さんは言う。岩本さんが働く「TECH LAB PAAK」も、オープンイノベーションに取り組むITクリエイターを支援する会員制のコミュニティスペースだ。「まだない接点をより多く創る」ことを掲げ、新しいことを始めたい人が普段接点のない様々な人と出会う場になるよう、渋谷に進出した。

そんなTECH LAB PAAKが支援するのが、三浦さんの会社Laboratik。十分な資金や実績がない中、少人数で開発を続けるスタートアップは、苦労の連続だ。

三浦:うちの会社のメンバーはほとんど男性で、お互いに意見をぶつけ合う時も多々あります。そんな時にTECH LAB PAAKで、岩本さん含めスタッフの皆さんや、他のスタートアップチームと接してアドバイスをもらうと、雰囲気が和やかになるしアイデアが具体化しやすくなる。ここでは小さな飲み会も定期的に開催されて、悩み相談したり。スタートアップコミュニティができるようなサポートスペースは大切だし、リクルートという看板も僕たちの大きな武器になります。

岩本:コミュニティに毎日来てくれると、うまくいってないときには顔つきで如実にわかりますよね。そんなときは、「コーヒー飲みますか?」と聞いたり、相談にのったりしています。かなり開放感のある場所なので、話しかけやすい環境になっているんです。

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TECH LAB PAAKのコミュニティマネージャー岩本亜弓さん

いまだ日本ではオープンイノベーションの成功事例が少ないが、それゆえに伸びしろがある。最近では、大企業とスタートアップとのコラボなど、新しい可能性を広げているのだ。日々スタートアップに関わっているお2人に、オープンイノベーションのポイントを伺った。

岩本:“多様性を受け入れる姿勢”が一番大切だと思っています。①まずは新しいものや自分と違う考えのものをキャッチする心の敏感さや余裕(受け止める)②次にそれを拒否したりすぐに否定せずに受け入れて客観的に見つめて、自分ごと化すること(育む)③最後にそれを他に活かしたり他につなげたりできること(生み出す)。これを繰り返すことで、自分にも自信がつき、どんどん幅が広がっていくと思います。

三浦:岩本さんがいるリクルート社は、安定志向の人が少なく、新しいことを受け入れたり、今までに無いことに挑戦したりする起業家志向が会社の文化として根付いているのではと思います。

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LaboratikのCEO三浦豊史さん

なんのためのオープンイノベーション?

日本は戦後大きな進化を遂げ、世界を牽引してきた。これをイノベーションと呼ぶこともできるが、いまだ日本ではオープンイノベーションが起きにくいと二人は口を揃える。スタートアップにとって大企業との連携は、資金力や信用の面でのメリットが大きい。しかしもちろん、良い面ばかりではない。スタートアップ独自の先進的なカルチャーが失われることや、海外のオープンイノベーションの追い風に日本人が乗り切れないという困難さがある。

三浦:ひとつは、よく言われる「成長のジレンマ」だと思います。会社が大きくなると、ステークホルダー(株主や顧客などの利害関係者)が増えて、動きが遅くなることがある。打開策として、海外では戦略的にスタートアップを買収して新しい技術や人を社内に取り組むことが多いけど、日本ではまだそこまで一般的ではないですね。

岩本:ネットの進化で世界に垣根がなくなった今、変わらねばならないと自覚をすれば日本の大企業は変われると思います。本当に日本らしいオープンイノベーションの正解はまだどこにもない。正直私達も模索中ですが、現時点で思うことは必ずしも海外の真似をする必要はないということ。真面目で誠実な国民性や、企業のために尽くそうとする保守的な姿勢は、マイナスに語られることも多いけど、目的が一致すれば必ず強い結束が生まれます。これまでよりも少し広い視野を持って、自分の所属企業だけではなく、日本、世界へと影響を広げることを考えたいと思います。

オープンイノベーションが社会に生み出す価値はさまざま。どんな人を巻き込み誰にとっての「良い」社会を目指すべきなのだろうか。

三浦:テクノロジーが本当の意味で人間を幸せしているのか?を考える必要があると思います。テクノロジーの進歩で便利になった点は多々あるけれど、例えばテロや貧困などの課題は相変わらず解決できていない。でも、近年AIを中心に、テクノロジーが人間に近いレベルに近づいてきたおかげで、根本的に人間の課題を解決できる可能性が出てきたのではと思います。個人的には、まずは経済の多くを担っているビジネスパーソンに対して、仕事をよりスマートにこなすための手段を提供したいと思っています。

岩本:自分は関係ない、と思っている人を巻き込みたい。社会とは、それぞれの個人が形成するコミュニティだと思います。その範囲が狭い人もいれば広い人もいますし、まずは自分の範囲を見つめることは必要かなと思います。そこには必ず課題が眠っていて、それを一つずつ解決すればその人にとっての社会は必ず良くなります。そしてそれを解決する術はほとんどの場合どこかに転がっていますし、まだない場合それを新たに創り出すことができれば、他の人が活用できる術が増え、他の人の社会が良くなり、その人の社会は広がることになるのではないかなと思います。

TECH LAB PAAKは、オープンイノベーションを実現したい人々の背中を押す試みを続けている。2017年から、スタートアップ企業と協働した新規事業開発プログラム「MEET SPAAC」を開始。スタートアップとリクルート社員が混成チームを編成して活動し、スタートアップの持つアイデアと、さまざまな事業分野のリクルート社員の経験やノウハウ、アイデアを掛け合わせながら事業開発を推進できる。このMEET SPAACから生まれた取組みは、今後リクルートで事業化される見込みがあるという。

「働き方改革」や「オープンイノベーション」。最近日本でもその重要性が注目されはじめている。「海外を見習え」と一言でいうのは簡単だが、改めて日本で「働くことの意味」を問うことで、日本人に合った働き方やイノベーションの起こし方がみえてくるのではないだろうか。自分らしい自由な働き方をしながら、社会貢献する。お2人のお話から、そんな働き方がこの社会で主流になる日も近いのではないかと期待が膨らんだ。

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TECH LAB PAAK
TECH LAB PAAK は、リクルートホールディングスが運営する会員制コミュニティスペース。テクノロジーをベースとした、 社会課題解決に取り組むオープンイノベーション活動を支援する場で、“この社会をよくするイノベーションの創造”を応援している。

Laboratik
Laboratikのミッションは、働き方を変革することで人の創造性と生産性を躍動させること。チームワークを自動で可視化するサービス「A;」をリリース。シンプルで、効果的なプロダクトを開発することで、ビジネスパーソンが最大限生産的な仕事をするためのサポートを提供する。

 

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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