「日本の若い人たちに向けてもっと分かりやすく仲介人のような役ができたらいいな」長谷川ミラが話す、日本と欧米における環境問題の情報のギャップ|キットずっといい未来 Vol.1【Sponsored】

Text: Maki Kinoshita

Photography: Jeremy Benkemoun unless otherwise stated.

2021.2.9

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キットずっといい未来
プラスチック問題への課題意識から、食品メーカー・ネスレが2022年までに全ての“キットカット”のパッケージをリサイクル・リユース可能な素材へと変えるサステナブルプロジェクト「#キットずっと」を始めた。紙パッケージの採用は小さなことかもしれないけれど、そこで生まれたアクションは社会に変化をもたらす大きな一歩。この動きに端を発し、現在#キットずっとプロジェクトはサステナビリティにまつわるさまざまなコンテンツを発信している。本連載「キットずっといい未来」(ネスレ&NEUT powered by REING)では、その活動の一環としてNEUT Magazineとコラボレーション。環境問題に対してアクションを起こす人々をインタビューしていく。▷Website / Instagram / YouTube

 

Vol.1では、モデル業とファッションブランドJAMMSIE(ジェイムジー)のデザインを手がける傍ら、ファッションを通して社会問題に触れる視点を広げることを目的としたオンラインコミュニティMiMo Tokyo(ミーモトウキョウ)の共同代表を務める長谷川ミラにインタビュー。彼女は環境問題が抱える問題の一つが、報道で見ることはあっても、なかなか自分の生活の一部として語られる情報に出会えないことだと考えている。#キットずっとプロジェクトの発起人でもある彼女に、プロジェクトを立ち上げた理由や普段の情報の集め方などについて聞いた。

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長谷川ミラ

ーミラさんの活動について教えてください!

モデルとブランドのデザイナーと、MiMo Tokyo (ミーモトウキョウ)というオンラインコミュニティを共同代表でやっています。

ーサステナブルという考え方に、興味を持ったきっかけはなんですか?

去年までイギリスに留学していたのですが、イギリスだと生活しているだけでエコの意識って芽生えるんです。例えば、レジ袋税があるためにエコバッグを忘れた人がたくさんの荷物を抱えて持ち帰っているシーンを見かけたり。そのときに何でビニール袋ってダメなんだっけ?と思って調べ始めたことで、シャンプーや水筒、エコバッグなど調べることが増えていきました!

ー#キットずっとプロジェクトに関わることになったきっかけはなんですか?

この企画、実は私が発起人なんです。 元々はサステナビリティについて発信するYouTubeのコンテンツを作りたいと思ってスポンサーを探していたのですが、ネスレ日本の方とお話しした際に目頭が熱くなるほど、語り合えた時間があって。

ーどうしてこのようなプロジェクトを立ち上げようと思ったのですか?

イギリスではファッションの学校に行っていたのですが、そこでのアートやファッションのプロジェクトは社会問題を照らし合わせて作品として表現するものでした。アイデアの出し方として社会問題を知る、というなかに環境問題・フェミニズム・LGBT・人権などがありました。自分としては社会問題に向き合ってきたつもりだったけれど、クラスメイトの方が情報量がすごいし、何より自分の意見を持っていました。それで、自分の国についてもっと知ろうと思い調べ始めると、日本語と英語で調べるときに得られる情報が違うことに気がついたんです。それで受け身じゃダメだ、新聞やいろいろな媒体に触れて、自分から情報を取りにいこうと考えるようになりました。私はたまたまハーフで英語ができて、留学にも行けて、と大変恵まれていることを自覚しています。だからこそ、自分が気づいたこの感覚をもっとたくさんの人にシェアしたいと思いました。

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ー#キットずっとプロジェクトにかける思いを教えてください。

報道のせいにはしたくないけれど、環境問題についての情報は流れてこなければ、調べてもなかなか出てこない。出てきても、専門的すぎてしまう。そこで、日本の若い人たちに向けてもっと分かりやすく仲介人のような役ができたらいいなって思って、映像を担当しているジュンヤと一緒に企画を始めました。ご縁あってネスレ日本さんと繋がることができて、私たちの熱い思いと、企業の目指す方向性や担当の方の思いが通じてこの企画が始まりました。私一人の考えではなく、企業と一緒に取り組むことで信用できる情報をきちんと発信していきたいという思いがあります。今後は、ネスレ日本の社員の方も出てきてくださり、自分たちのこの取り組みへの姿勢を伝えたい!という強い思いがあるので、関わる方々の声をもっと届けていきたいと思っています。

ーミラさんが普段から、心がけていることはなんですか?

自分なりの答えを出すために、徹底的に「調べる」ことです。本やいろんな媒体から情報を得ると、媒体の報道の仕方に差があると知ることができる。何を調べたらいいか分からないという方は、知らない言葉を一つずつ検索してみるのもおすすめします。

ーミラさんは実際にどのように調べものをしているんですか?

私自身、まずインターネットなどで調べることから始めました。そして調べた後に、その領域に詳しい人が書いた書籍などの情報が出てくるので、その先生たちの本を読んだり、大学の資料とかを見ます。その大学に通っている友人経由で研究機関に直接連絡をとってみたり、企業さんに問い合わせをしてみたりしたこともあります。そうやって情報収集をしていると、自然と周りにそういう人たちが集まってくるので、恥ずかしいと思っても分からないことは全部質問しています。そして、その流れでディスカッションをする。ディスカッションって、オチはなくていい。意見交換して、こういうこと調べたらいいんだってまた知れるので。

ーいろいろな形の情報を集めるんですね。

ネットが全部嘘ではないと思いますが、調べ方次第で情報が一方的になってしまうと感じるので、本、ネット、電話など、いろいろな方法で情報を得ることが大事だと思っています。反対の人の意見を知ることも大切です。反対意見の人の意見も理解しないと、自分なりの答えを出せないと思うんです。

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ーミラさんが考える、#キットずっといい未来とはどんな未来ですか?

最低限、今をキープしたいですね。今は天気もいいし、緑もあるし、食べ物もある、海にも入れる。私にとって母は120点の母親で、私もそんな母親にいつかなりたいと思っていました。でも「今の時代に、子どもを産みたい?」って聞かれたときに、正直考えてしまったんです。5年後10年後、海に入れなかったり旅行ができなかったり、もしかしたらガスマスクをつけなきゃいけない時代が来るかもしれない。戦争をしたりとか。そういう時代だったら、ちょっと産みたくないかも、と思ってしまったんですよね。でも、産みたいんですよ。良いお母さんになるのが私にとって「いい未来」だから。でもそれができないかもしれない。環境問題だけではなく、自殺の問題などもある。30年後の未来を話しても、明日の未来も考えられない人を救えずに30年後のことを語ってもいいのか?という疑問は、最近ありますね。

ー#キットずっといい未来のためにミラさんはどんな小さなアクションをしていますか?

今は、何もかもが悪くなってる気がするから、まずは目の前にいる人とか周りの人を大切にしたい。自分がやりたい仕事に行くとか、空気が綺麗だなあとか、旅に行くとか楽しいじゃないですか。「楽しい」っていう感覚を、持てるのがいい未来だと思うから。今は毎日ニュースとかを見て絶望でしかないので、未来をいい未来として見れないんですよね。特にこの世代はそうだと思います。親や祖母の世代は、バブル世代でおいしいものや旅行に思い切りお金を使えたり「楽しい」と思えることが多かった気がします。私たちはそういう感覚を持てない世代のように感じますよね。バブリーなのが幸せ、という話ではないですが、そういう希望は感じてない世代な気がするので、他の国の情報などを真似するのではなく、私たちなりに日本のこの世代のやり方で、どうにか模索できたらいいなと思います。この企画を通して、答えをみつけていきたいです。

ー最後に、私たちにもできる小さなアクションを教えてください。

好きな媒体のSNSアカウントをフォローして、情報を得ること!ニュースを見る。情報を得る。これが大事。例えば「エコバッグを持つこと」が大切なわけではなく、何を知り、どう行動するかをそれぞれが考えることが大切だと思うんです。いろんなニュースを見るのが面倒くさかったら、一個でもいいから。まず、毎日寝る前にニュースを見る感覚を持って、そこからさらにいろんな媒体を見ていくと、こんなニュースがあったんだ!ってなります。BBCなどのアプリを一個ダウンロードすれば、日本のニュースも世界のニュースも得られる。毎日TikTokとかTwitterとかInstagramを見れるから、毎日ニュースも見れるよね!情報にアクセスしやすい今の時代だからこそ受身にならず、まずは自分からInstagramでニュースのアカウントをフォローしたりアプリのダウンロードをしたり、そういった簡単にできることから始められるといいなって思います。

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長谷川ミラ

1997年7月7日生まれ。南アフリカとのハーフで、2017年よりALL GENDER向けの自身のブランド「JAMESIE」を立ち上げ、その後ロンドンの名門美術大学(セントラル・セント・マーチンズ)に入学。雑誌やTVで活躍するだけでなく、自身のバックボーンやブランド、ジェンダーレス、環境問題などを自由に発信し“私”を表現するモデルとして活動中。昨年10月より J-WAVE 「START LINE」ナビゲーターに就任!毎週金曜日16時30分~20時生放送中です。▷Twitter / Instagram

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