ポールマッカートニーが提案する。お肉が食べたくなくなる月曜日「Meat Free Monday」とは?

Text: Jun Hirayama

Photography: badgreeb RECORDS

2015.11.9

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肉は生産過程で二酸化炭素を大量に排出し輸送でもエネルギーを使用する。肉の消費を減らすことは、個人ができる温暖化対策の一つである。

2008年の気候変動に関する政府間パネル「Intergovernmental Panel on Climate Change(IPCC)」のラジェンドラ・パチャウリ議長の言葉だ。温室効果ガス排出の主要原因が私たちの日々の食事であることは、もはや否定しがたい事実となっている。そんな現状のなか、世界規模で“ある月曜日のみに行われるキャンペーン”が始まっているそうだ。そして先日そのキャンペーンが日本に上陸した!

ポールマッカートニーが提案!「お肉を食べない月曜日」とは?

キャンペーンの正体。それは週に一回“お肉”を食べないミートフリーマンデーと名付けられたキャンペーン。しかも、発起人は元ビートルズのポールマッカートニー氏。彼は世界36カ国で始まる自身のキャンペーンについてこう語る。

人々に、僕のようなベジタリアンになれと強制しているわけではないんだ。一週間に一回だけ、肉を食べない日をつくるだけで、地球の環境問題緩和に貢献することができる。週一回車を使わないことより、はるかに簡単だろう?

日本版「ミートフリーマンデー」発足!

ミートフリーマンデーという地球、人、動物を救うことが出来る素晴らしい運動を盛り上げていこうと先月、日本版ミートフリーマンデーミートフリーマンデーオールジャパンが発足。10月10日にはキックオフパーティーも開催された。このキックオフパーティの企画者である飲食店や大学などにベジタリアンの選択肢を増やしていく団体「ベジプロジェクトジャパン」と動物の権利保護団体「NPO法人アニマルライツセンター」が今年の4月、ポールマッカートニー氏に“ミートフリーマンデー”についてインタビューした。その時の様子がこちら。

<ショートバージョン(4分)>

※動画が見られない方はこちら

ロングバージョン(11分)はこちら

ポールマッカートニー氏はインタビューで「僕はベジタリアンでとてもハッピーだよ」と話し、その理由について3つ述べた。「動物へのおもいやり」と、「自分の健康」、そして「地球の未来、未来の世代のため」だと。そして「多くの人が地球を救いたいと思っている、特に若い人たちが。なぜなら彼らの未来だからだ。」と若者の活動にエールを送った。

「食事」という責任を伴う行為。

ポールマッカートニー氏へのインタビューをした一人でもあるベジプロジェクトジャパンの川野陽子氏(写真右から2番目)から、ミートフリーマンデーの活動を通して人々に伝えたいことを二つうかがった。

一つ目は、世の中には様々な問題があるなかで、何か大そうなことをすることではなくて、私たちが毎日行う食事を見つめなおすことでも、実は社会問題に取り組む一つとなり得るということ。食事の背景はとても壮大で、人の健康、地球環境、動物の扱い方、食糧問題等、一見関係なさそうに思われる社会的なことにも結び付いています。そういったことに思いを馳せて、たくさんの人が何かしら行動を変えていくことは、意味のあることなのではないかと私は考えています。そして二つ目は、今はベジタリアンのメニューは、十分に美味しいと言うこと。「美味しい」と思えるベジタリアンのお料理を、沢山の方にぜひ試してほしいです。

誰でもできる「ゆるい社会貢献」ミートフリーマンデー

「肉を食べてはいけない。野菜しか食べてはいけない」ではなく「週に一回肉を食べないようにしてみよう!」そんな強制的でも、義務的でもない、もっとハードルを下げた誰でもできる“ゆるい社会貢献”の「ミートフリーマンデー」。

「誰もが簡単に取り組むことができるミートフリーマンデーは、地球環境の悪化を止め、食糧配分の不均等を解決する一つの重要な方法であり、動物を救うとても有効な手段」ミートフリーマンデーオールジャパンが日本で賛同を呼びかけているように、一人でも多く、一つでも多くの学校や企業が参加すれば、より良い社会につながるに違いない。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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