ジーンズは“汚職”という常識を「パタゴニア」が変える

Text: Jun Hirayama

2015.7.31

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「汚いビジネス」。そう聞いて何をあなたは頭に浮かべるだろうか?詐欺師?マフィア?それとも…?今あなたが履いているその「ジーンズ」。

実は「ジーンズ」を作ることは、“汚い”ビジネスだそうだ。ハテナを浮かべる人がいるかもしれないが、あるアウトドアブランドが“汚い”ジーンズビジネスを“キレイ”なビジネスにしよう奮起しているのだとか。

「ジーンズ」は汚いビジネスだから!

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ジーンズビジネスが汚いと言われるのには、「2つの要素」ある。「コットン」と「染色」だ。

1.「コットン」

ジーンズの原料である「コットン」。一般的な農法で栽培されるコットンは地球上で最も汚れた作物のひとつと呼ばれている。そう呼ばれる理由には、一般的に「コットン」を栽培するには、水や空気を汚染する可能性がある化学・合成肥料や殺虫剤・除草剤が必須だからだ。

2.「染色」

ジーンズに色を染めることである「染色」。「染色」は“何百万リットル”もの廃水を発生させている。それだけでなく、染色後に、ジーンズの色を落とす加工は、製造者の健康上に危険をもたらすと言われているのだ。

普段から何気なく履いている「ジーンズ」。

実は、深刻な「社会的、環境的問題」を引き起こしているのだ。

革新的!「キレイなジーンズ」の作り方

なんと、問題のない“キレイ”なジーンズの製造方法は存在するという。それは、化学・合成肥料や殺虫剤・除草剤を一切使用していないコットン、すなわち「オーガニックコットン」を使用すること。そしてデニム生地への色素定着を促進させる「染色」の処理工程を採用すること。この結果、製造過程は短縮され、従来の合成インディゴ染色によるデニムに比べて、「水の使用量を84%、エネルギーの使用量を30%、二酸化炭素の排出量を25%も削減」させた。

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汚いビジネスから手を洗った「パタゴニア」

そんなキレイなジーンズのコレクションを先日発表したアウトドアブランドがある。パタゴニア(PATAGONIA)」だ。

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同社は、「デニムは汚いビジネスだから(Because Denim Is Filthy Business)」というキャンペーンを打ち出した。そして、”パタゴニア・デニム”と名付けられた環境と人権に配慮した染料、製造工程、素材などを採用した新しいジーンズを開発したのだ。この「革新的なジーンズ」は、製造中に発生する問題をなくし、ジーンズ業界に革命を起こそうとしている。

普段から使うモノだからこそ、考えて消費する。

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パタゴニア社のヘレナ・バーバーは新製品”パタゴニア・デニム”に対してこうコメントしている

従来のデニムは汚いビジネスだ。だから私たちは『パタゴニア』のジーンズの製造方法を変えることにした。他の製造者たちが私たちのあとに続き、デニム業界を変える手助けとなることを期待している

※動画が見られない方はこちら

長年「汚いビジネス」だと言われ、環境、社会問題と「問題山積み」のジーンズビジネス。それが今、パタゴニアの手によって「キレイなビジネス」へ変革されようとしている。今回の“パタゴニア・デニム”の発表は、他社を先導するだけでなく、消費者のジーンズの選択肢を増やすことでもあるだろう。

普段、何も気にせず安いからと買っている「ジーンズ」。今までと少し違う選択をして、購入する。それだけで、誰かの健康や、生活が、そして、どこかの環境がよくなるかもしれない。これからの時代、そういう「考える消費」が求められていくのではないだろうか?

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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