「ソーシャライジング」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
「ヒト・モノ・コトをつなげることで新しい社会的価値を生み出し、社会と人を元気にするために活動すること」そう説明するのは、全国でウェディングプロデュースを手がける婚礼大手の株式会社テイクアンドキヴ・ニーズの代表取締役会長 野尻佳孝氏。同社が日本初の“ソーシャライジングホテル”『トランク ホテル(TRUNK HOTEL)』を、2017年5月に東京渋谷区・原宿・神宮前にオープンする。
無理をしないくらいの生き方が、2016年には丁度いい。
トランク ホテルのコンセプトは、新しい社会貢献のスタイル「ソーシャライジング」。テイクアンドギヴ・ニーズは、ソーシャライジングを「一人一人 が日々のライフスタイルの中で、自分らしく、無理せず、等身大に社会的な目的を持って活動すること」と定義付けている。そして、多種多様な人々の交流のハブとなり、新しい社会貢献のスタイルを生み出す発信拠点となることを目指すという。そこで、ホテルに集まる人々の生活にソーシャライジングを取り入れることを提案し、「“誰かのために” “何かのために”なりたい」、そう思う多くの人々の“何かをはじめるきっかけ”を提供していくそうだ。
トランク ホテルの考える“豊かさ”
「“誰かのために” “何かのために”なりたい」そう思って生きている人が実際に日本で増えてきている。それには「ある理由」がある。それは、経済成長がスピード感を失う中で、「豊かさ」が多様化しているからだ。加速するデジタル化したコミュニケーションの進化の中で、本来大切にされるべき価値観が改めて注目されている。つまり、人々が「自分たちが消費するもの」や「自身の生き方そのもの」の本質を強く追求し始めているのだ。口に入れたり、身に付けたりするものがどこで作られ、どこからやってきたのかを考えよう。
社会的責任に重きを置く企業を支持しよう。必要以上の「よりたくさん」という消費活動と決別しよう。誰でも手に入れることのできるモノよりも、自分がより強いつながりを感じるものを重視し、たとえば、素材・食材から製造・生産といったつくる過程においても地元にこだわったり、作り手の想いのこもった職人技を活かした商品を選択しよう。
今述べたように、新しいモノの見方や価値基準が人々の心の中に生まれてきているのだ。
また、生き方についても、終身雇用・定住・安定が求められがちな中で、UIターンで地方に移住し、自分らしく生きて行く。
そして、その生き方そのものが何かに役立つという本質を追求していく価値を選択する人も増えている。
言い換えれば、消費行動や生き方をもたらす価値観が、ラグジュアリー・冨や贅沢から社会的責任、共感や本質などを重視する傾向に変わってきているということだ。
このように、人々が大切にする「豊かさ」が変化してきている中で、大量生産・大量消費から生まれる価格破壊、利便性、利益追求だけを追い求める企業やビジネスのあり方にも新たな価値を提供すべき”変化”が求められている時代へと変化してきているのだ。
雑誌「ソトコト」とコラボイベント開催!
2017年の完成が今から待ちきれないトランク ホテル。現在は、ホテルの開業に先立ち、開業準備室を表参道にオープンしている。トランク ホテルが提唱する「ソーシャライジング」という考えが日本で広まり、少しでも多くの人が、「心の豊かさ」を得られることを期待したい。
▶︎トランク ホテルの詳細はこちらから。
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。