今年も年末年始が近づき、大規模なセールを待ち構えている人も多いかもしれない。何かを購入するとき、あなたはどんな基準で選んでいるだろうか?商品の価格、デザイン、ブランド?
ブランドならば、そのブランドのストーリー、信念、どんな人が着ているか?それとも、そのブランドがどんな活動をしているか?本当の意味で“イケてる商品”の選び方を提案したい。
買い物は「投票行動」
どんなブランドのどんな商品を購入するのか、それは「あなたの姿勢」を表している。どのブランドを支持するかの「意思表示」だからだ。(参照元:Think the Earth)それに伴ってブランド側も、人々に共感してもらえる「いいイメージ」をブランドに持たせようとソーシャルメディアなどを通じた戦略に出てきている。(参照元:DIAMOND Online)消費者がそこから、自分の考えにあった商品をどう選ぶかが重要になってきているのだ。
なぜ「ニューバランスの靴」が燃やされたのか
タイム誌の選ぶ「2016年の顔」が、次期アメリカ大統領に選出された共和党のトランプ候補に決まった。それもアメリカの“分断の象徴”という理由でだ。この選挙結果は、国民のさまざまな分断を生じさせてしまっている。(参照元:朝日新聞デジタル)さて、ここで注目すべきなのは、選挙期間中にファッションブランドや有名人たちが、自分たちのポリシーとして「どの候補を応援するのか」を明らかにしていたこと。お気づきだっただろうか?例えば、若者に人気のストリートブランドのシュプリームはクリントン候補支持を表明していた(参照元:Supreme)。
それからトランプ候補の当選後に起きた、大手シューズブランドのニューバランスの靴が捨てられたり燃やされたりするという騒ぎ。これは、ニューバランスの広報担当者が彼を祝福するツイートをしたことが発端で、トランプ候補支持のブランドの商品を持っていたくないという人々の心情によるものだった。(参照元:Huffingtonpost)。
その商品が本当に“クール”なのかわかるアプリ「Donegood」
先ほど書いたようなブランドの「政治的信条」だけでなく、“環境への配慮をしているか”や“労働者の働く環境はどうか”など、間接的に社会や環境に悪影響を与えていないかをショッピングの際に考慮に入れてみるという考え方もある。そうしたいときに便利なのが、ショッピングを手助けしてくれるアプリのDonegood。使い方は簡単で、アプリをダウンロードしておけば、検索エンジンで商品を探しているときやオンラインショップを見ているときに、デザインが同じようでも社会や環境を考えている商品を教えてくれるというものだ。
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例えば、大手ジーンズブランドのリーバイスから届いたプロモーションメールに掲載されたジャケットを見ていたら、“より社会や環境にいい代替品”としてLAのブランドのジャケットがあると表示されるような具合だ。(参照元:WIRED)さらに本アプリでは以下のような、自分の重視したい条件に合わせて代替品の提案してくれる。
・労働者の適切なサポートをしている
・有害な物質を使用していない
・動物実験を行わない
・Bコーポレーション(社会や環境に配慮している事業)の認証を受けている
・女性が経営している
・ダイバーシティを推進している など
生産コストをすべて公開。“究極の透明性”を持つブランド「Everlane」
あなたが「たった500円」の洋服を買ったとしよう。その“安い服”が、どれだけ切り詰められた生産コストで作られているのか考えたことがあるだろうか?企業がとても公開できないほどの賃金、把握しきれていない劣悪な労働条件のもとで労働者らが働かされている可能性が大いにある(参照元:ザ・トゥルー・コスト〜ファストファッション 真の代償〜)。
だが、2010年にビジネスを始めたサンフランシスコ発のベーシックブランドEverlaneは、「消費者には製品が作られる際にかかったコストを知る権利がある」としており、商品の生産にかかったコストの内訳を公開する、極端な透明性とも訳せる「ラディカル・トランスペアレンシー」を実施することで消費者を納得させている。(参照元:Everlane)ラディカル・トランスペアレンシーは、企業がCSRや情報公開に取り組むようになった「透明化」の流れがさらに加速して生まれたものだ。
<上記のタートルネックのコスト>
もうすぐ2017年がやって来る。中身のわからない「福袋」を買うのはやめて、本当に自分の欲しいもの、そして自分の考えにあったものを買うようにしてみてはいかがだろうか?
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。