世の中のタブーに対抗。意味深な「おっぱい×牛乳パック」ステッカーが街角に溢れる理由

2017.5.8

Share
Tweet

Biでは、これまで「#FreeTheNipple(女性が公共の場で乳首を見せる権利を訴える運動)」や「#FreeTheFeed(公共の場での授乳の権利を訴える運動)」、「Genderless Nipples(女性の乳首を不適切だとするインスタグラムの規約に抗議するアカウント)」など、おっぱいで公共の場のタブーを撃ち破ろうとする活動を紹介してきた。

今回紹介するのは、そんな「女性の乳房」につきまとうタブーに挑戦する新たなアーティスト、Andre Levy a.k.a. Zhion(アンドル・レヴィまたの名をジオン、以下ジオン)だ。

Photo by Zhion
ブリュッセル(ベルギー)に貼られた「Mama’s Milk」ステッカー

ジオンがヨーロッパをはじめとした国の都市に貼ってまわったのは、牛乳パックに女性の乳房をくっつけたような作品、その名も「Mama’s Milk(ママのミルク)」。

width="100%"
ウィリアムズバーグ(アメリカ、ニューヨーク)に貼られた「Mama’s Milk」ステッカー

ドイツのフランクフルトを拠点に活動するブラジル人のイラストレーター、アートディレクター兼ビジュアルアーティストのジオンは、ネスカフェやコカコーラ、ソニーなどの大企業のデザインにも関わりながら、世の中でタブーだとされているセクシュアリティやジェンダー、宗教、風習などのテーマに挑戦するアート作品を制作する。

彼はまた、フォトグラファー兼グラフィックデザイナーのAlexandre Borba(アレクサンドル・ボルバ)と共にクィア(セクシャルマイノリティアートのプロジェクトも行っている。(参照元:Andre Levy a.k.a. ZHION

width="100%"
ジオン本人
Photo by Andre Levy a.k.a. ZHION

女性の生殖力と性的な魅力のアイコンとして描かれたり模写されたりする女性の乳房。牛乳パックを女性化することで、静物画と生き写しの境界線はエロティシズムと母性の境界線のように不鮮明になる。授乳がなければ生命を維持することはできない、また性的な欲求なしには生命は生まれない。(引用元:Andre Levy a.k.a. ZHION

彼は、世間の言う「女性の乳房の持つ“性的な魅力”や“母性”の側面」を肯定しながら、タブー視されがちな女性の乳房が「生命にとって不可欠」だということを作品を通して訴えている。ここでいう静物画とは「牛乳パック」のことで、生き写しとは「女性の乳房」のことであろう。

width="100%"
ロンドン(イギリス)に貼られた「Mama’s Milk」ステッカー

width="100%"
フランクフルト(ドイツ)に貼られた「Mama’s Milk」ステッカー

width="100%"
数量限定で販売されている「Mama’s Milk」ピン

彼のオンラインショップでは、「Mama’s Milk」のステッカーやピンズなどを購入することが可能だ。

「授乳なしに生命は成り立たない」はずなのに、授乳という行為や女性の乳房自体をタブーにしている世の中。それを変えるのは彼のようなアーティストかもしれない。

Andre Levy a.k.a. Zhion

WebsiteInstagram

width=“100%"

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

Share
Tweet
★ここを分記する

series

Creative Village