アメリカの老舗のジーンズブランドのLevi’s(リーバイス)。彼らをスポンサーに、イギリスのカルチャー誌Dazed and confused (デイズドアンドコンフューズド)のデジタル版Dazed digital (デイズドデジタル)の誌面で、クリエイティブ集団gal-dem(ガルデム)が制作して実現したのは、今までにないオルタナティブで「多様性のかっこよさ」を全開に出したデニムコレクションだった。
1853年に創業した老舗のデニムブランドとして有名なリーバイスの、ビンテージとトレンドの要素を合わせ持つ「501®SKINNY」の「新たなコレクション」をご覧に入れよう。
私たちの見慣れているジーンズのコレクションとどう違うだろうか?一般的なデニムコレクションと比べても、モデルの人種やジェンダーが多様なのが特徴だ。現在においても、大衆文化ではこれらの多様性の実情が反映されていないことが少なくない。それに挑戦しようとしたのが、今回の「501®SKINNY」リマスター企画だ。(参照元:Dazed①)
ここでモデル選びや撮影を務めたgal-demは、PoC(People of color, 有色人種)の女性と既存のジェンダーの枠組みを超えた人々で構成されるクリエイティブ集団。大衆文化で自分たちの存在が反映されず、通っていた大学の多様性のなさに失望したLiv(リヴ)が創始者となり、同じような境遇にあった人々が集まってきたのだ。
彼らはウェブだけでなく紙でも「gal-dem」というマガジンを制作しており、目を引くビジュアルと考えさせられる記事を掲載することにこだわっている。(参照元: gal-dem, Dazed①, ②)
先ほども述べた通り、これはDazed digital誌面でのリーバイスジーンズの「リマスター企画」でしかなく、リーバイスが自社の商品のPRとして使用する目的で作られたわけではない。
それでも、リーバイスのような知名度や伝統のあるブランドがスポンサーとなった本企画は、大変パワフルなものであるに違いない。だが、大衆文化をより多様性の反映されたものにするには、gal-demが自ら動いたように、人々が多様性を求めていると社会に対して訴えていくことも必要だ。
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。