あなたは、どんな基準で商品を選んでいるだろうか?もしあなたの気に入っている商品を販売する企業が、不正を働いたり環境に悪影響を及ぼす事業に資金提供したりしていたらどうするだろう。
企業や商品作りにおける考え方に賛同できない場合、その企業やブランドの商品を「ボイコット(不買運動)」するという方法がある。これは買い物が「投票」に例えられるように、消費者の力で信頼や賛同のできない企業の商品にお金を出すのをやめ(票を入れるのをやめ)、企業の経営を成り立たなくさせ社会をより良くする(より良い企業に投票する)というもの。
そこでボイコットしたいとき、またはボイコットとは関係なく単純に人や環境に良い商品が欲しいときに、参考となる商品カタログ作りをBe inspired!は連載として始めることにした。その名も「GOOD GOODS CATALOG(グッド グッズ カタログ)」。
初回の今日紹介するのは、日本人が旅行で訪れることが多いアメリカ西海岸に店舗を構える、一味変わったフレーバーが人気なアイスクリーム屋の取り組みだ。彼らは、アメリカで「生産されている食品の40%が食べられず廃棄されている」という問題に着目したのだという。
アメリカオレゴン州のポートランド、カリフォルニア州のロサンゼルスとサンフランシスコに店舗を持つ有名なアイスクリーム屋「Salt & Straw(ソルト&ストロー)」は、今年の6月に廃棄される食材を使用したアイスクリームを1ヶ月間の期間限定で販売した。
それも誰にも食べられず廃棄処分される運命にあった食材を、廃棄食材を回収して必要としている人に配布する取り組みを行なっている団体や工場などから買取り、メニューはそれぞれの店舗で5種類ずつ違うもの(3店舗合わせて15種類)を用意したという。ユニークなラインナップが特徴のソルト&ストローらしく、バニラ、ストロベリー、チョコレートのような“普通のアイスクリーム”に飽きてしまった人にもぴったりだ。
アメリカだけではなく、日本でも食料廃棄問題は深刻で、世界で生産されている食料の3分の1が廃棄されている。(参照元:農林水産省)この問題を解決するには、食料を必要としている人に提供することはもちろん必要だが、ソルト&ストローの取り組みのように食料を廃棄している人たちにも問題の啓発をするというアプローチも大切だ。
今回紹介したような廃棄食材を使った商品を買うのもいいが、それらを参考に自分の家で食品が余ったときに自分で工夫するのもいい。冷凍保存に向く食材は悪くなる前に保存している人も多いかもしれないが、アイスクリームに合う食材なら、ソルト&ストローのメニューを参考にして混ぜて食べることもできる。ぜひオリジナルのアイスクリームで残りの夏を楽しんではいかがだろうか。
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。