あなたがちょうど今感じていることは、どんなことだろう?
「早く起きられたから嬉しい」「でもどうして電車が遅れているの?ムカつく」「せっかく早く起きられたのに悔しい」「今度はなぜか悲しくなってきた…」。
そんな大多数の人が共感できる感情でも、そうでない感情でも、それを感じているのはきっとあなた1人ではない。
ニキビができてくると、自分の顔が「ピザ」みたいに見えてくる
社会的なメッセージを込めたアート作品を作る、若いアーティストを紹介する「GOOD ART GALLERY」。
今回は若者に支持を集めるRookieやVICEを中心とした多くのメディアにイラストを提供しているアーティストEsme Blegvad(エスメ・ブレグバド)を紹介する。彼女はBe inspired!に、自身が気に入っているという5つの作品を送ってくれた。
自分が泣いているのは「街全体から見ても、銀河系全体から見てもほんの小さなこと」だと考えるとわいてくる、自分に対する複雑な感覚
ーあなたは誰?
私は、エスメ・ブレグバド。ロンドンからニューヨークのブルックリンに来て活動しているアーティスト。
ーどんなアートを作っているの?
マンガを書く・描くだけじゃなく、イラストを描いたり、短い小説を書いたりしてる。
ーアートを始めた理由は?
私がアートを始めたのは、自分で記憶してるよりもずっと前だと思う!アーティストとかイラストレーターばっかりの大家族のなかで育ったから、自分にとってアートは自然なことだった。
子どものころは暇にならないように、それかバースデーカードを作ったり特別なキャラクターを描いたりして人を喜ばせるためにアートを作ってた。今は、アートを作らないと気が狂って爆発しそうになる。
泣きすぎて「泣くこと」の意味がなくなって、ただの日常の習慣になった
ーアートを通してどんなことを世界に伝えたい?
誰も「自分が思ってること・感じてること」は、世界中でその人だけが思ってること・感じてることじゃない。
私がアートを作るのは、伝えたいストーリーがあるからで、それを見たり読んだりした誰かが少しでもひとりぼっちじゃないと思えるようになってほしいっていう思いを込めてる。
ー社会のなかのアートの役割ってなんだと思う?
これもさっきのと同じだけど、少しでもひとりぼっちじゃないと思ってもらうためだと思ってる。アートは何かに挑戦したり、誰かをインスパイアしたり、視野や想像を広げるために存在している。それから記録としても機能してると思う。
長い歴史のなかで作られてきたアートも、もちろん私が好きなアートも「人間の経験」を扱ってて、自分が経験したことを作品のなかで見つけることができるからすごく意味がある。
だからアートは「私はこんなものを見たよ、もしかしたらあなたも?」って言ってくるようなものだと思ってるんだ。
ー同世代の子に今一番伝えたいことは?
トランプとナチスはくたばれ。
女性の軽視が甚だしく、多様性に寛容ではないトランプが、独裁政権を作っていくのを見ていられない
ーアーティストになっていなかったら何をしていたと思う?
海洋生物学者になりたかったかもしれないけど、ただ作家になってたかもしれない。
私の人生のどこかの時点で達成したいゴールは、大学院に行ってソーシャルワーカーの勉強をして、最終的にアーティストをやりながら依存性を抱えた親を持つ子どもたちのために働きたい。
ーあなたの人生のモットーは?
「絶対にできる!」
オフの日は食べたものをそのままにしたり、靴下を違う組み合わせで履いたままにしたり、ゆっくりとバスタイムを楽しんだりする
アートは難しいもの、理解しにくいものと思っている人は少なくないだろう。だが、エスメの作品は具体性が高く、理解するためにアートの細かな概念やアーティストのバックグラウンドを学ばなくてもいい。
彼女にとってアートは「個人的な体験」をオープンに発信して、誰かの気持ちに寄り添うようなもの。したがって、多くの人が作品を見るだけで彼女の抱く感情に共感できる。そんな彼女の作品は、アートが「誰にでも開かれた表現方法」だと、改めて教えてくれる存在なのかもしれない。
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。