2019年6月、原宿にあるファッション×テクノロジーの学校「Tokyo Fashion Technology Lab」(東京ファッションテクノロジーラボ)に在学中のクリエイターRIKUによる新ブランド「RIKUMUKAE」がローンチした。
ブランドコンセプトは「Invisible to Visible」(見えないものを可視化する)で、衣服を纏うことによっで肉体と服の間に空間が生れることから、 衣服の定義を様々な空間における境界線として捉え、その見えない空間をデザインする。
カルチャーマガジンTOW編集長/モデルとしても活動するRIKUの手がける同ブランドは性の差異を超えた自由な表現を意味する「アンドロジナス」という言葉をキーワードにメンズ・レディース・ユニセックスなどのスタイルにとらわれないデザインを特徴としている。
2019-2020AWのデビューコレクションでは人間の意識の中にある“自意識と無意識”という二面性から着想した「I heart:hurt you.」を発表。全てのアイテムが2人分の用尺を取り制作されている。2人分の縮尺から作られているものの、1人で着ることもでき、1人で着用するともう1人分の布が落ち、大きなドレープや違和感のあるラインができる。他者と自己という存在を意識させるようなデザインで、他者との対話の中で生まれる葛藤を描くと同時に、自分自身でいることの美しさを表現する。
今回のコレクションでは、前後で着られるセットアップや袖の4本ついたシャツなど計6点を展開する。今後は、「会話を通じて作品を知ってもらいたい」という気持ちから主に展示会・ポップアップを中心に販売を開始していく予定だ。
性の多様性が少しずつ社会の中で知られていくのと同時に、RIKUMUKAEのように性別にとらわれないデザインのファッションブランドも少しずつ増えている。このようなブランドの登場で、どんな性の人もファッションを楽しむことのできるような社会に近づいていくことを期待したい。
2019-2020AW 「I heart:hurt you.」
Creative Director: RIKU
Designer/Patterner: Naho, Jun
Model: Yu Ishizuka, Rio Komori
Photographer: Yui Sakai
Hair/Makeup/Styling: Kosei Kitada
※この記事は2020年4月1日に更新されました。ブランド名が「inbi」から「RIKUMUKAE」に変更されたので、記事上でも反映されています。