パーマヘアに刈り上げのスタイルがクールな雰囲気を放つRIN。ヒップホップが常に流れている家庭で育ち、3〜4歳の頃からダンスを習っていた筋金入りのダンサーだ。2015年に個性と自由ではみ出す4人組ダンスヴォーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」を結成。セーラー服を身に纏い、歌とパフォーマンスをする彼女たちは、いわゆる学生時代の鎧のようなものをあえて着ることで、それぞれのアイデンティティを見せている。
新しい学校のリーダーズは、パワフルなダンスを武器に、全曲メンバー振り付けで構成されたライブが“おでんの中の大根より熱い”と支持され、アジアのカルチャーを世界に発信するレーベル88risingより2021年世界デビュー。SNS総フォロワー数は500万人超え、若者に絶大な人気を誇る。今月には初のアメリカでの単独公演を決行、大成功を収めた。
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今回は、そんな国内外で人気を拡大し続けている彼女たちのメディア初のメンバー個人取材となる。一人一人にスポットを当て、グループのなかで感じることや、メンバーへの思い、これまでの歩みを聞いた。それぞれから新しい学校のリーダーズの輪郭を浮かび上がらせると同時に、個人が考える「自分らしさ」に迫っていく。
―どんな幼少期を送っていましたか?
両親がヒップホップ好きで、家ではずっとヒップホップが流れているような環境でした。だからなのか、音に合わせて身体を動かすことが染み付いていて、スーパーマーケットで流れているBGMにすら振り付けをつけてしまうくらい、踊ることが大好きだったんです。その様子を見ていた両親が、「ダンスやってみる?」と提案してくれて、3〜4歳の頃にダンススクールに通い始めました。
―かなり小さい頃からダンスを習っていたんですね。
コンテストに出たり、ナンバーに出たり。習い事というよりは、ダンサーとしての感覚のほうが強かったです。人前に出てダンスを見てもらう機会や、評価をされることがたくさんあったからこそ、自分を発信するための一つの道具みたいなものでした。
―もともと人前に出るのは得意なほうだったんですか?
こう見えて人見知りなんです。なので、前に出て言葉にすることはあまり得意ではありません。けど、ダンスをしているときは、ダンサーになりきっているのもあって、自分をさらけ出していてもまったく恥ずかしくなくて。「今の私を見て!」と、喋らずとも身体で伝える感覚が気持ちよかったのかもしれません。
―ヒップホップ以外で、これまで影響を受けてきたものを教えてください。
小学校3年生の頃出会ったダンスの先生、Zoo-Zoo(ズーズー)さんです。ダンスはもちろんのこと、自身の感性に刺激を与えてくれた人で、たくさんのことを学びました。特に、人への愛を大事にする方で、発表会のときには生徒一人一人に手紙を書いてくれたり、日常的にハグをしてくれたり。愛情をたくさん表現してくれる方だったので、私も愛を与えられるような人になりたいなと思っていました。5月に行ったZEPPのワンマンライブでは、Zoo-Zooさんが率いるバッグダンサーチーム「ズ」の振り付けや構成をしていただいて。小学3年生の頃から一緒に踊ってきた子たちも一緒にステージに上がったので、すごくエモーショナルな気持ちになりましたね。
―新しい学校のリーダーズのメンバーとしても活動をスタートさせて、本格的にダンスを仕事として意識したタイミングはどこですか?
中学2年生の頃から、新しい学校のリーダーズの活動がスタートしました。そこから7年くらい経って、今でも仕事ってあまり思ってない部分はあるんですが、ダンスに対する考え方が変わったのは、リーダーズになって少し経ってからですね。それまでダンスって、習ったものを自分のなかに落とし込んで、自分だけで発信していく感覚があったんですが、今は新しい学校のリーダーズという大きな枠のなかで、楽曲やダンスなど、自分たちが表現したい世界や、4人だからこそできることをみんなで話し合って作っていくので、一人だけの考えで完結しないからこそ、表現者としての意識が変わったのかなと思います。これまでは、チームで動くことに対して苦手意識があったんですが、こうして7年も活動ができているのは、私にとって奇跡に近いです(笑)。この4人だからこそ、一緒に挑戦し続けられているのを日々感じていますね。
―4人の関係性が素敵ですね。
思春期のど真ん中の時期を一緒に乗り越えてきたぶん、お互いのいろんな姿を見ながら成長してきました。今となっては、家族のような存在になってきたので、大好きなのが当たり前。親しき仲にも礼儀ありはもちろんですが、大体のことは分かり合えるし、例え何か問題があったとしても理解し合える関係性です。それぞれがチームに固執することなく、互いに依存しすぎない関係性も心地いいんですよね。
―レコーディングで初めて4人で行ったアメリカでの時間はどうでしたか?
初めてのアメリカで2ヶ月半も生活をしていたうえに、毎日のようにクリアしなければいけない課題があったので、少しホームシックになったときがあったんです。そんなときに、SUZUKAが「こんなときこそ、やっぱり愛やで!」ってみんなを励ましてくれて。この壁を乗り越えていこうと、お互いへの愛を再確認し合って、さらにチーム力が高まった時間になりました。
―楽曲制作で印象に残っていることはありますか?
そもそもで、4人で楽曲を作るのが初めてのことだったので、右も左も分からない状況からのスタートでした。そんななか、一緒に曲作りをしたマニー・マークは、キッチン用品を持ち出して、カンカンと音を鳴らして、「この音、面白いよね。身の回りにあるものが、なんでも音楽になるんだよ」って教えてくれて。多分、これはマークだからこそのやり方ではあると思うんですが、瞬発力や直感でいいと思った音を繋ぎ合わせていく作業は、ダンスの振り付けのようで、すごく楽しかったです。音楽ってこんなにも自由なものなんだなと実感しました。スタジオも家の中に併設されていて、終始リラックスなムードで制作が進んでいくのも新鮮でした。もちろん、その自由さや心の余裕があるからこそ、難しいこともあると思うんですが、フリーダムな空間がすごく心地よかったです。
―日本の音楽活動と海外の音楽活動で、大きな違いなどはありましたか?
日本と比べてスピード感が違うことに驚きました。日本だと、曲をリリースしていくまでに色々と段階を踏んで音楽を提供することがほとんどだと思うのですが、海外だと、「これいい!よし行くぞ!」と、ゴーサインを出すタイミングがスピーディーでした。最初はそこに引っ張られている感じでしたが、この流れを体験したことで、今度は自分たちが先に走って、「こっちについてきて!」と、逆に引っ張っていけるようになりたいなと思いました。これからは、もっと先回りをして、まだ見せていない自分たちの姿をどんどんアピールしていきたいです。
ーグループで活動していくなかで、個人で大事にしていることや自身の個性はどういう部分だと思いますか?
昔は、新しい学校のリーダーズの一人としてそのなかにいればいいやという感覚がありましたが、最近はそれぞれのアイデンティティや強みがあるからこそ、リーダーズがチームとしてもっと強いものになるなと感じています。そんななかで、自身の個性を考えたときに思いつくのが、スローであることでした。私は見た目が強めなほうなので、そう思われることが少ないんですが、結構おっとりしているタイプで、ゆっくりご飯を食べたり本を読んだりする時間がすごく好きなんです。そういったところがあるからこそ、リーダーズとしての瞬発力や俊敏さが発揮されていると思っていて、このマイペースな部分とのメリハリはこれからも大切にしていきたいですね。
ーこれから個人で挑戦してみたいことなどはありますか?
グループとしては、やれるところまでやっていきたいです。個人としては、温かい場所を提供していきたいなと思っています。すごく漠然としていることではあるんですが、自分の好きなことを考えたときに、文章を書いたり、本を読んだり、編み物や話すことなど、ゆったりとした時間が好きだなと思って。リーダーズでいるときは、常に走り続けているぶん、つい休むことを忘れがちなので、自分の存在があることで、身近な人や応援してくれている人に、温かい場所がここにはあるなと思ってもらえるようにできたらいいなと思います。
ー最後に、新しい学校のリーダーズを通してオーディエンスに伝えたいメッセージはありますか?
これはみんなでもよく話しているんですが、私たちは“開放”や“全力”など、パワー溢れるものを届けていきたいなと思っています。ライブパフォーマンスをするときも、首を振り回して、全身筋肉痛になりながら、精一杯届けているので、それを見て気持ちよくなってほしいです。あとメンバーそれぞれがお互いを愛し合っているので、同じような気持ちで愛を感じてもらって、たくさんの人にパワーを与え続けていけたらなと思っています。
新しい学校のリーダーズ
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新しい学校のリーダーズ a.k.a. ATARASHII GAKKO!
個性と自由ではみ出す4人組ダンスヴォーカルユニット。自称”青春日本代表”。
パワフルなダンスを武器に、全曲メンバー振り付けで構成されたライブが熱いと支持され、アジアのカルチャーを世界に発信するレーベル88risingより2021年世界デビュー。それ相応のざわつきを生み出し、SNS総フォロワーは500万人Over!、動画のクリエイションにも個性を発揮。振り付け師集団としても多数のオファーを受け、活動の幅を広げている。
新曲「HANAKO」リリース!
各ダウンロード&サブスクリプションサービスにて配信中。
今作は日本の学校ホラーの定番「トイレの花子さん」をテーマにした楽曲となり、プロデューサーには前作同様にマニ―・マークを迎え、作詞は新しい学校のリーダーズが担当し奇妙で可愛い楽曲に仕上がっている。
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