女性器や男性器、あるいはおっぱいの形をした、“エロくない性器アート”。少しグロテスクだけど可愛らしい陶器作品の持つ意味とは何だろうか?
陶器で作られた、一つひとつ異なるユニークさを持つ女性器型のパイプ。このようなグロテスクさを感じさせるアートの数々を作ったのは、ニューヨークのブルックリンを拠点にするアーティスト、ケイトリン・ローズ・スイート。ヒッピーでアーティストの父親や叔父に育てられたケイトリンにとって、アートを「表現の手段」として使うのはごく自然なことだった。(参照:PAPERMAG)
ケイトリンが作品を通して作るのは「クィアワールド」。“クィア”とは「奇妙」から転じて同性愛者を意味する差別用語だったが、現在では多くのセクシュアリティを包括できるポジティブな言葉で使われることが多い。(参照元:The Huffington Post)
彼女は作り手でカルチャープロデューサーとして「現在のクィアたちの戦う術である“ビジュアルクィアカルチャー”をアートで記録して、次の世代のクィアへ送ること」をアートの目的としている。(参照元:CAITLIN ROSE SWEET)そしてクィアセオリー(幅広いセクシュアリティに関する理論)やボディ・ポジティビティのメッセージを発信している。
私は女性であることの複雑さと不思議さ、そして身体がどれだけ奇妙で素晴らしいかをテーマにした作品を作り続けている。自分の作品はとても抽象的で少しグロテスクだけれど、本当に“ボディ・ポジティブな作品”だと思っている。(引用元:PAPERMAG)
ケイトリンがやるように、クィアセオリーのような複雑な理論を実像化させ、人に向けて発信するという方法もあるのだ。そのようにして、自分の考える“グロテスクな部分”をも愛していくことができるのかもしれない。
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。