原発が建設される予定地の”奇跡の海”を守るため、35年間活動し続けている人々|GOOD CINEMA PICKS #001

Text: Noemi Minami

Photography: ©パタゴニア

2017.8.8

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映画には人を変える力がある。これまで知らなかった世界に連れて行ってくれる。ストーリーを通してこれまで出会ったことのない価値観に感化される。今まで見たことのない美しい景色に心動かされる。映画には無限の可能性がある。

Be inspired!では社会問題に焦点を当てた映画を紹介する『GOOD CINEMA PICKS』という連載を始める。国内外で起こる問題に対し、知り、考え、アクションを起こすきっかけをくれる映画を毎月紹介していく。

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第一回目は、環境に配慮するアウトドアプロダクトや環境問題に対する活動を積極的に行うことで知られているアクティビスト企業パタゴニアの、故郷の土地や、文化そしてコミュニティを護ろうと闘うアクティビストたちのストーリーを描く映画を集めた「グランテッド」フィルムシリーズから、『シー・オブ・ミラクルズ(奇跡の海)』を紹介する。

山口県の上関町に、中国電力が原発を建設する計画が1982年に浮上して以来、地元の人々は瀬戸内海で一番きれいな海域を護ろうと、なんと35年にもわたり日々闘い続けている。

上関原発は上関町の美しい島、祝島の前に建設される予定。しかし上関原発計画地の周辺1km内には158種の希少野生動植物が確認されており、「奇跡の海」と呼ばれている。言うまでもなく原発が建設されれば生態系は壊され、野生動植物は生き延びることはできない。また、漁業や農業をしながら自然と共にに生きる地元の人々の生き方は破壊されるだろう。

『シー・オブ・ミラクルズ(奇跡の海)』は上関町の美しい自然をカメラで捉えながら、地元の勇気ある人々の闘いを記録している。おじいちゃんおばあちゃんを筆頭とした活動家たちの姿や、町の歴史、地元の人の絆には心動かされるだろう。

※動画が見られない方はこちら

上関原発が建設されれば福島第一原発事故以降はじめての原子力電所となる。原発は一体誰のために建てられるのだろうか?福島第一原発事故を見たはずの日本政府はどうして許可を出したのか?自然を活かして生きることを望む地元の人々の自然を、そして人生をこのまま奪い取ることが許されるのか?

この映画を観て疑問や怒りを感じたのならば、私たちにもできることはある。”奇跡の海”を守るために活動する上関町の人々を応援したい人はこちらから。多くの人の力が合わされば護れるかもしれない自然があり、人々がいる。

「グランテッド」のフィルムシリーズの映画がもっと観たいという方はこちら

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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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