あなたは、買い物をするときにどんな基準で商品を選んでいるだろうか?もしあなたの気に入っている商品を販売する企業が、不正を働いたり環境に悪影響を及ぼす事業に資金提供したりしていたらどうするだろう。
企業や商品作りにおける考え方に賛同できない場合、その企業やブランドの商品を「ボイコット(不買運動)」するという方法がある。これは買い物が「投票」に例えられるように、消費者の力で信頼や賛同のできない企業の商品にお金を出すのをやめ(票を入れるのをやめ)、企業の経営を成り立たなくさせ社会をより良くする(より良い企業に投票する)というもの。
そこであなたがボイコットしたいとき、またはボイコットとは関係なく単純に人や環境に良い商品が欲しいときに、参考となる商品カタログをBe inspired!が作成することを決意。その名も「GOOD GOODS CATALOG(グッド グッズ カタログ)」。
3回目となる今回は、生産背景に配慮し売り上げの一部をNPOに寄付したり、オーガニックな素材を使用して飲む人の身体にも優しく、かつ、ボトルをアップサイクルしてかっこよく再利用でき、とにかく社会に“良いことづくめ”のレモネード「LEMONAID」を紹介する。一般的にレモネードはLemonadeと表記されるが、このブランドの名前はLEMON “AID”と表記し、言葉の中にAID(救済)という意味を含んでいる。誰をどうやって救うレモネードなのか?そのこだわりと、インパクトについて紹介する。
飲むことは、助けること
本連載2ページ目で紹介したPublic Goodsのように、このドイツ生まれのLemonaidも友人同士で立ち上げたブランドである。ジェイコブ、ポール、フェリックスの3人は自宅のキッチンで、どうやったら美味しくて、添加物を使わずありのままのレモネードになるのかを試行錯誤して商品開発を行った。
掲げ続けるコンセプトは、ドイツ語で“Trinken Hilft”。 「飲むことは、助けること」という意味で、あなたがレモネードを飲むことで世界を助けることができるというメッセージが込められている。これを達成するため、3つのこだわりを貫き商品を作り続けている。
2 原材料へのこだわり
3 アップサイクル
厳格な生産背景
こだわりの1つとしてLemonaidは、売り上げの一部を自社のNPOに寄付し、商品の生産地で農作業をして働く人々が通う学校や、農家への直接的な金銭的支援を行っている。このNPOは今までで通算約2億5000万円を援助した。
身体に優しい原材料の使用
化学物質を使用せず製造された、新鮮なレモン果汁ときび砂糖を使用しており、また砂糖は一般的なジュースの半分以下の量しか使っていない。
形を変えて、再利用する
飲み干した瓶は、キャップ部分を付け替えれば、頑丈なポンプ式液体入れになる。「アップサイクル」したボトルはシンプルでかっこいいデザインで、繰り返し長く愛用したくなる。
このように、食卓用のオイル入れにだってなる。まさに使い方は使用者によって自由自在。クリエイティビティが広がる。
日常の中にあるLEMONAID
日本ではまだ認知度の低いLEMONAIDだが、ヨーロッパ、特に発祥地ドイツでは若者を中心に人気を博している。5000店舗のカフェやイベントなどで提供されている他、大手スーパーチェーンのREWEでも取り扱われているという。まさに、日常生活の中で、無意識に、生産地への社会貢献ができる仕組みなのだ。
現在、日本国内ではAlishan Organic Centerで購入することができる。これを機に自分が選ぶ商品がもたらす社会へのインパクトを考えてみてはどうだろうか。
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。