あなたは、買い物をするときにどんな基準で商品を選んでいるだろうか?もしあなたの気に入っている商品を販売する企業が、不正を働いたり環境に悪影響を及ぼす事業に資金提供したりしていたらどうするだろう。
企業や商品作りにおける考え方に賛同できない場合、その企業やブランドの商品を「ボイコット(不買運動)」するという方法がある。これは買い物が「投票」に例えられるように、消費者の力で信頼や賛同のできない企業の商品にお金を出すのをやめ(票を入れるのをやめ)、企業の経営を成り立たなくさせ社会をより良くする(より良い企業に投票する)というもの。
そこで、今使っているものより人や環境に良い商品が欲しいとき、Be inspired!の商品カタログ「GOOD GOODS CATALOG(グッド グッズ カタログ)」を参考により良い商品選びをして欲しい。今回は、北京の大気汚染問題をクリエイティブに解決してきたオランダ人デザイナーの新たな挑戦を紹介する。
デザイナーの名はDaan Roosegaard(ダン・ロズガード)。彼は、大気汚染問題の深刻な中国の北京市に巨大な空気清浄機を建設したり、微小粒子状物質「PM2.5」を“宝石”に変えて指輪につけたりと、ユニークな発想とデザインで環境汚染問題に取り組んでいる。そんな彼が今回考案した商品は、走りながら大気汚染物質を吸い込む自転車「スモッグフリーバイシクル」だ。
彼がTEDで話したというその自転車は、汚染された空気を吸い込んで清浄し、その清浄された空気を放出する仕組みで、自転車に乗っている人自身も人体に害の少ない空気を吸える。
ダンは同製品の実用化を目指すにあたって、2000万人の登録者数を誇る中国のシェアサイクルのスタートアップと独占契約を結んでいる。実用化されれば、かつて自転車を交通手段として使うことで有名だった中国の市民たちが、普段の移動時間に自転車に乗ることで手軽に空気清浄に貢献できるのだ。デザインの詳細はこの秋に発表されることになっている。
環境問題の解決には、多くの人が言っているように、1人ひとりの普段の生活での心がけが大切だ。そこで日頃の交通手段として自転車を選べば、走っていて二酸化炭素を放出することはない。だが現時点よりも空気を汚さないというだけで、大幅な改善にはつながらず気休めにすぎないと感じる人もいるだろう。
一方でダンの考案した空気を清浄する自転車なら、使う人が実際に環境を改善することができる。彼のアイデアのように環境に変化をもたらせる製品を開発することで、問題自体を解決に近づけられるだけではなく、一般市民の問題に対する関心を引くことができるのではないだろうか。
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。