あえて「東京」を通さない。そんなローカルに誇りを持ち、独自のカルチャーを生み出した人々が北海道に存在する。最大都市である東京の二の次になるのではなく、北海道・十勝からカルチャーを発信することで、コミュニティ自体が新しく希少な「文化的価値」を持つことを可能にした。「あえて東京を通さない」という心意気が生み出す、1980年生まれの十勝のミレニアルズたちが手がけたホテルの魅力に迫った。
北海道の小さな街と「米国一住みたい街」の意外な共通点
「KEEP PORTLAND WEIRD(ずっと変テコなままでいようよ)(引用元:life hacker)」そんな変わったスローガンを掲げ、米国一住みたい場所に選ばれる街、オレゴン州のポートランド。そんなユニークなポートランドにありそうな、ハイセンスだけど友達の家に行くような感覚で訪れることができ、ラグジュアリーさで客を緊張させるのではなく、地元の人でなくても落ち着けるようになっているホテルが、なんと北海道の十勝地方に存在する。
ポートランドには、クラフトマンシップや、DIYスピリットを持ったヒップスターたちが全米から集まる。スモールビジネスが盛んであり、住民の反対されて大型チェーン店のオープンを跳ねのけてしまったこともあったくらいだ。(参照元:life hacker)ポートランド発のクリエーター集団OMFGCOは、老朽化したホテルを、リノベーションすることで街を代表する「エースホテル」を作り上げた。同ホテル周辺はおしゃれな店の集まる一角となりユニークでクリエイティブなコミュニティが形成されている。
そんなポートランドのエースホテルをモデルに、十勝の廃ホテルをリノベーションし、十勝の魅力を世界へ発信し、コミュニティを作ろうと地元の若いクリエーターたちは立ち上がった。ホテルの名はホテル ヌプカ(アイヌ語で「原野」を意味する)。驚くべきことにこのホテル、リノベーションよりも先に、短編映画作りをすることから始まったのである(参照元:my little guidebook)。
短編映画から生まれた、コミュニティホテル
「十勝にしかない魅力を世界に発信したい」。そんな思いで制作された短編映画は、「東京」など視野に入れていない。彼らが颯爽と向かって行ったのは「世界」だ。公開から1週間で約1万人が視聴し、台湾の航空会社で機内上映され、札幌国際短編映画祭やショートフィルムフェスティバルにも招待されるなど好評となった、彼らの短編映画「マイリトルガイドブック-夏編-」と「マイリトルガイドブック-アイス-」。(参照元:my little guidebook)そんな映画に出てくる魅力的な十勝地方を見て訪れはじめた観光客の流れを受け止め、彼らと地元の人との交流を促進させようと、若きクリエイターたちはコミュニティホテル作りを思い立ったのだ。
十勝味のクラフトビール
また、ホテル ヌプカではゲストのためのクラフトビールも生まれた。話題性だけでなく、味も確かだ。十勝産麦100%で作られたオリジナルクラフトビールはフードアクション・ニッポン・アワードを受賞し、十勝を旅する人のためのビール「旅ビール」の称号を得ることにも成功している。(参照元:HOTEL NUPKA)
ローカル・クラフト・DIY。ヌプカの溢れ出す魅力。
ポートランドの「カルチャー」、そしてクリエイター集団OMFGCOの“見た目だけでなく意味のあるクリエイション”にインスパイアされた十勝。(参照元:OMFGCO)そんなミレニアルズの好む、クラフト文化や自分の時間を大切にするライフスタイルが確立されたコミュニティを、この冬訪れてみてはどうだろうか。訪れたことがないからといって、恐がることはない。東京には流れていないスローな時間、十勝のローカルコミュニティの暖かさ、美味しい地ビール。そしてDIY精神が詰まったホテル ヌプカがあなたを待っている。
ホテル ヌプカ
〒080-0012 北海道帯広市西2条南10丁目20-3
20-3, W2-S10, Obihiroshi, Hokkaido TEL 0155-20-2600/FAX 0155-20-2601
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。