突然だが、あなたは一流シェフがつくる「マリファナ料理」を食べてみたいと思うだろうか。日本人の感覚からすると、「マリファナ」に手を出すだなんてとんでもないことだと思うだろう。しかし近年、世界ではマリファナは高級食材の一つに変わっているようだ。
「マリファナ」は「食」を彩る、「クリエイティブ要素」
カリフォルニア州の人気レストランで働くクリストファー・セージは、ミシュランガイドの星獲得レストランで腕を磨いた経験のある一流シェフだ。そんなクリストファーが最近注目している食材は、なんとあの「マリファナ」である。彼が提供している料理は高級フランス料理にマリファナのスパイスを加えた「マリファナコース」。繊細な味付けがモノを言うフランス料理にマリファナがほどよい刺激を与え、絶妙なバランスを生み出している。クリストファーが言うに、「マリファナ料理は他とは比べられない、没入感のある旅へといざなうもの」だそうだ。彼にとってマリファナは、「食」のクリエイティブを創造する大切な材料の一つ。決して「薬物」ではない。それは、マリファナによってただ単に「ハイ」になりたいというよりも、マリファナを一つの食材と捉え、食べることの喜びにより深みを持たせたいということだ。
カリフォルニア州では今のところマリファナは合法化されていない。そのため、現在彼がマリファナ料理を提供できる人は、法律が許す範囲の医療での使用が認められている人のみだ。しかし、今年11月にマリファナの合法化をめぐる住民投票が予定されていて、そこでマリファナが解禁となるかもしれない。クリストファーはこの投票で合法化への道が開かれ、この「高級料理」を多くの人に提供できる日が来ることを期待している。
「ピザ」の隠し味には「マリファナ」を
こうした欧米でのマリファナへの受け入れは、発展途上国にまで広がりを見せている。カンボジアの首都、プノンペンはここ数年の経済成長が著しい場所。多くの海外企業が進出し、現地に住む欧米人の姿も良く見かける。そんなプノンペンで「外国人」をターゲットに展開しているピザ屋が最近注目を浴びているのだ。ピザ屋なんてどこにでもあるもの。イタリアのピザならまだしも、カンボジアのピザとはなんの特別さも感じられない。しかし、このピザを求めて多くの人が足を運ぶ理由は、味ではなくそのスパイス。なんと、そこで食べられているのは「マリファナ入りピザ」なのだ。通称、「ハッピーピザ」と呼ばれるこのピザは、お店に入ると店員が「ハッピーですか?」と声を掛け、それに対して客が「マックスハッピー!」などと答えることによって提供される裏メニュー。カンボジアではマリファナをビジネスの材料として使用することは違法のため、公にはなっていないメニューなのだ。しかしながら、レストランが警察官と裏で取引をしている場合がほとんどで、今のところ厳しくは取り締まられていない。連日、多くの欧米人たちで賑わっている。
「マリファナ」は本当に「悪」なのか
今、世界ではマリファナ解禁への動きが急速に進んでいる。所持量や医療での使用のみ可能という程度の違いはあるものの、アメリカのワシントン州やコロラド州を筆頭に、カナダ、オランダ、ドイツ、オーストラリア、スペインなどが次々に解禁をした。これらの国がマリファナ合法へ向かった理由は、マリファナはタバコや酒よりも健康被害の少ない嗜好品であると認めたことと、医療での活躍を期待されている部分が大きい。そもそも、タバコや酒はOKなのにマリファナはNGという風潮にも疑問が残る。なぜなら、マリファナはきちんと使用用途を守り、質の高いものを使用すれば体への害はタバコや酒よりも低いからだ。アメリカでは「マリファナを正しく使うためのイベント」が開催されたり、カナダではマリファナを1日中楽しむ「マリファナデー」なるものも存在する。各国で「マリファナ=悪」という今までの先入観を捨てる取り組みが行われている。
「ダメ、絶対」は、正しかった?
危険度に関わらず薬物を大きなカテゴリーで括り、そのカテゴリーの中に含まれるマリファナも、体に悪いものとして刷り込まれてきた。しかし、それはどれほどの理解があって「悪いもの」としているのであろうか。医療の面で活躍することはもちろんのこと、実際にはタバコや酒よりも健康への被害は少ない。また、マリファナを解禁した国々では、自殺率、犯罪率、DV率が減ったというデータもある。世界中でマリファナを解禁する動きが高まってきている。日本も今までの「タブー」にしっかりと向き合うときが来たのかもしれない。
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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。