落ち着いた佇まいでありながら、グループでは最年少のKANON。姉の影響でダンスを習い始め、さまざまなコンテストや発表会に出演し、ダンスに夢中になっていた幼少期。
2015年、13歳のときに、個性と自由ではみ出す4人組ダンスヴォーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」を結成。セーラー服を身に纏い、歌とパフォーマンスをする彼女たちは、いわゆる学生時代の鎧のようなものをあえて着ることで、それぞれのアイデンティティを見せている。
新しい学校のリーダーズは、パワフルなダンスを武器に、全曲メンバー振り付けで構成されたライブが“おでんの中の大根より熱い”と支持され、アジアのカルチャーを世界に発信するレーベル88risingより2021年世界デビュー。SNS総フォロワー数は500万人超え、若者に絶大な人気を誇る。8月には初のアメリカでの単独公演を決行、大成功を収めた。
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今回は、そんな国内外で人気を拡大し続けている彼女たちのメディア初のメンバー個人取材となる。一人一人にスポットを当て、グループのなかで感じることや、メンバーへの思い、これまでの歩みを聞いた。それぞれから新しい学校のリーダーズの輪郭を浮かび上がらせると同時に、個人が考える「自分らしさ」に迫っていく。
―どんな幼少期を送っていましたか?
お姉ちゃんが倖田來未さんや安室奈美恵さんのファンで、2人の映像を家でよく見ていました。歌よりも、クールなダンスやセクシーな表情に心を奪われて、憧れの存在でした。そんなタイミングで、地元のお祭りで同じ歳くらいの3人組が、ステージでかっこよくダンスを披露しているところを見て、「私もやってみたい!」と、小学1年生くらいのときにダンススクールに通い始めました。他にも習い事をしていたのですが、それらも辞めるほどダンスに夢中になりました。
―もともと人前に出るのは得意なほうだったんですか?
ダンス以外でも、学校では学級委員をしていたり、クラスのまとめ役だったり。人前にたつのは多かったかと思います。けど、ダンスをしているときの自分は、別の人格が出てきて(笑)。曲にあわせて曲中の人物に化けるので、普段はできない表情や感情が自然とできるんです。なので、人前に立つのが得意というよりは、曲が流れるとスイッチが押されたような感覚で、自然と気持ちが切り替わります。それがダンスの好きなところでもあるし、面白い部分だなと思います。
―学級委員もやっていたとのことですが、学生生活はどうでしたか?
基本的に明るくて真面目。友達にもとても恵まれていたので、誰とでも仲が良かったですが、あまり固定のグループには属さずに、一人でも行動できるようなタイプでした。学生時代って、つい周りの子に影響されることが多いかと思うんですが、人に流されるのは嫌で、自分の意見を必ず持っていましたね。
―今は、新しい学校のリーダーズとしてグループで活動していますが、グループで動くうえで大事にしていることはありますか?
「ここは絶対こうするべき」みたいな、自分のなかでのプライドはすごく大事だと思っています。ただ、グループになったときに「ここは私が前に出たい」など、他の人に対してのプライドは持つべきではないなと思っていますね。リーダーズをスタートさせてから、とても感じたことです。
―どういうときにそのように感じたのですか?
習い事でダンスをしていたときは、コンテストや発表会が一つのゴールでした。友達や両親に「かっこよかったね」と言われるのが嬉しくて、ある意味、自己満足のためにやっていたのかなと思います。なので、センターに選ばれたら嬉しいし、違うポジションになったら悔しい気持ちがありました。でも、新しい学校のリーダーズとして活動するときは、何よりもたくさんのファンが自分たちの周りにいて、見てくれています。なので、メンバー同士がぶつかり合っていたらもったいないし、一緒に活動をしていくうちに団結力が一番大事なことだと気づきました。みんなで素晴らしいものを作りたい気持ちがそろわないと、いいパフォーマンスもできないと思うんですよね。
―新しい学校のリーダーズのメンバーとしても活動をスタートさせて、本格的にダンスを仕事として意識したタイミングはどこですか?
ずっとダンスをしてきていますが、「今が楽しい」という気持ちだけで、将来のことを考えてやっていたわけではなくて、特にアーティストになりたい願望もありませんでした。当時は勉強が好きだったので、学校の先生になりたくて、「大学出て資格を取るんだろうな〜」と、少し現実的なタイプでした(笑)。けど、「今が楽しい」の気持ちのまま、リーダーズと出会って、気づいたらこれがお仕事になっていたので、今の環境はとても運命的な流れだなと思っています。日本だけでなく海外でも活動の範囲が広がって、これから私たちがどうなっていく運命なのかも楽しみですね。
―音楽プロデューサーのマニー・マークとLAにて楽曲制作をしたそうですが、海外でのレコーディングはどうでしたか?
自分たちで生み出していくことを学びました。日本での制作は、いただいた音源に沿って私たちが振り付けや歌詞を考えていくんですが、海外ではゼロの状態から自分たちで作り上げていくことを求められました。制作していくスピード感も違いましたし、0から1にしていく作業にやりがいを感じましたね。
―一番印象に残っている出来事はありますか?
「パイナップルクリプトナイト」を制作しているとき、一緒に制作をしていたマニー・マークがファイトシーンが好きだと話していて、殴る動きや戦っているような振りを作りました。そしたら、その動きに合わせて音を合わせた部分があって、「こんな作り方があるのか!」と、目から鱗な経験でしたね。ダンスもそうですが、音に対しても正解はないなと感じたし、制作も自由に楽しくやっていくことが大事なんだなと思いました。
ーグループで活動していくなかで、個人で大事にしていることや自身の個性はどういう部分だと思いますか?
リーダーズになると人格が変わるので、いつもの私を知っている人が見たら驚かれることが多いです(笑)。普段はきれいめな洋服を着て、落ち着いた場所や音楽が好きなので、私生活とのギャップはあると思います。リーダーズのときは、スイッチが入った状態。自我は保っているけど、違う自分になれるんです。けど、表現の仕方や、指先・足先の使い方、表情など、これまで培ってきたものが身体に現れるので、グループになるとそれが個性になっているのかなと感じています。
ーKANONさんから見る4人の関係性って、どういうものですか?
仲間であり、家族。常に日々の感情を共有しているので、落ち込んでいたりだとか、ちょっとした変化にもすぐに気づかれます。どんな自分でもみんなは受け入れてくれるので、そういう場所があることが、日々の支えになっていますね。長年の付き合いだけど、今は付き合いたてのカップルのように「大好きだよ!」と、毎日のように愛を伝え合っています(笑)。これが仕事としても成り立っているのが、素晴らしい人生だなって思いますね。
ーこれから個人で挑戦してみたいことなどはありますか?
好奇心が旺盛なので、好きなことが多いんです。趣味がたくさんあって、アニメや漫画も好きだし、美容も好き。それらのことでなにかできたら面白いなとは思いますね。ずっと表に立って活動してきたので、いつか裏方のような仕事にも挑戦してみたいです。
>ーNEUTは社会問題に関心のある読者が多いのですが、自分たちの世代から見た今の社会はどのように写っていますか?
最近、いろいろなものが受け入れられるようになってきましたが、言葉や形だけのことが多いなって思っています。人の生き方ってそれぞれだから、何か型にはまる必要や正解なんてないと思うんです。なのに、意外と社会はそうさせてはくれないですよね。なので、これからもっと多くの人が生きやすくなるように、私たちの世代が発信していくべきなのかなと思っています。
ー最後に、新しい学校のリーダーズを通してオーディエンスに伝えたいメッセージはありますか?
何よりも、愛ですかね。前に比べて、私たち4人の愛がすごく深まってきているんです。愛があれば何でもできるって言いますけど、それを日々実感しています。やっぱり、生きていくことって、一人ではできないと思うんです。自分だけでできることももちろんあるけど、できないことや苦手なところは、それが得意な誰かに頼った方がいい。人間は互いに支え合うことでバランスが取れていると思うんです。そのためには、誰かを思いやる気持ちが必要だなと思うので、愛を持つことが大事なのかなと思います。
新しい学校のリーダーズ
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新しい学校のリーダーズ a.k.a. ATARASHII GAKKO!
個性と自由ではみ出す4人組ダンスヴォーカルユニット。自称”青春日本代表”。
パワフルなダンスを武器に、全曲メンバー振り付けで構成されたライブが熱いと支持され、アジアのカルチャーを世界に発信するレーベル88risingより2021年世界デビュー。それ相応のざわつきを生み出し、SNS総フォロワーは500万人Over!、動画のクリエイションにも個性を発揮。振り付け師集団としても多数のオファーを受け、活動の幅を広げている。
新曲「HANAKO」リリース!
各ダウンロード&サブスクリプションサービスにて配信中。
今作は日本の学校ホラーの定番「トイレの花子さん」をテーマにした楽曲となり、プロデューサーには前作同様にマニ―・マークを迎え、作詞は新しい学校のリーダーズが担当し奇妙で可愛い楽曲に仕上がっている。
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