6月25日まで開催中の個展「BE THE ONE TOKYO」のKentaro Okawaraミニインタビュー

Photography: YURI HORIE unless otherwise stated.

Interviewer: Jun Hirayama
Edit: Noemi Minami

2023.6.20

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 東京とソウルを拠点に活動するアーティスト・Kentaro Okawaraによる個展「BE THE ONE TOKYO」が今月25日(日)まで、BOOKMARCにて開催中だ。2023年4月21日〜5月21日に大阪で開催された同名の展示会の続編となる今回は、TANG DENGが手がけてきた、Kentaro Okawaraによる日本の昔話絵本シリーズ『POO POO BOOKS』の10作目最終巻「わらしべちょうじゃ」の出版記念でもある。
 「愛」をテーマに「喜怒哀楽」などの人間の感情を絵画、彫刻、書籍、ストリートウェアのコレクションやコラボレーションなど、自由に表現し続けてきたKentaro Okawara。本記事は、展示を訪れたNEUT Magazine編集長・平山潤によるミニインタビューだ。

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Kentao Okawara

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Kentaro Okawara & 平山潤

平山潤(以下、JUN):去年のTRUNK(HOTEL)でのイエローライトのポップアップぶりですね。お久しぶりです!今回の展示のテーマはなんですか?

Kentaro Okawara(以下、Kentaro):潤くん久しぶり!誕生日おめでとう!
今回のブックマークで開催する個展「BE THE ONE TOKYO」は、今年の4月に大阪で行った展覧会「BE THE ONE」の続編のような展覧会になっています。中央にある立体作品以外は全て大阪のショー以降に描いた新作となっています。去年の年末に結婚したことをきっかけに生活がガラッと変わり、そのなかで感じたことを中心に、他者との関係がテーマになっています。

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JUN:Kentaroさんの作品のなかには人や動物、虫、お花、ハート、星が描かれることが多いですが、作品を通して鑑賞者に伝えたいことはなんですか?また、今回の展示においていつもの作品と違うところはありますか?

Kentaro:全てのモチーフは、感情の記号化のように捉えて描いてます。それらがキャンバスや空間の中で並ぶことで複雑な感情や世の中を理解する一つの方法として、あらゆる文化、世代を超えてコミュニケーションができるような作品、空間を作りたいと考えています。

作品が、鑑賞者の鏡となり、地図となり、辞書となり、他者や自分、世の中と向き合うきっかけになれるような、みんなが楽しくなるような作品を作りたいです。

今回はこの展覧会に合わせてリリースされた絵本の原画も別フロアで1点展示しています。合わせて見てもらえたら嬉しいです。

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JUN:今回の展示は昨年のKentaroさんのライフイベント、例えば結婚などからインスピレーションを受けたと聞きましたが、サンミンさん(KENTAROさんのパートナー)のような女性のモチーフが作品のなかにちらほら見られました。そこには何か意味が込められてますか?またご結婚して、作家として何か変わったことはありますか?

Kentaro:身の回りの人や物がモチーフとなって作品に登場することは僕にとって普通のことで、パーソナルな出来事や感情がそのまま作品に影響します。そこに素直になることで鑑賞者との距離が近くなれたらいいなと思ってます。制作するうえでは、モチーフや色などの変化はあると思いますが、作品に向き合う姿勢や意識に変化はない気がします。

生活はかなり変わりました。韓国と日本をひたすら往復してますし、いろんなことを2人で決めるとか、自分のなかにある大小さまざまな優先順位が変わったり、家族が増えたり。だから多分作品も意識も変わったかもしれません。

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JUN:Kentaroさんの作品はみなぎる愛やピースを感じられ、いつもパワーをもらっています。そのイメージとは逆に、作品をよく見ているとそれぞれのモチーフは感情がなさそうなダークでチーキーな目で少し不気味さや悲しさ、哀愁さえも感じます。また、今回ギャラリーの端っこに「泣いている人の顔」が描いてあったのが印象的でした。「喜び」や「エネルギッシュさ」と「悲しさ」や「ダークさ」をあえて作品のなかに共存させているのでしょうか?

Kentaro:あえてというよりかは必然的にさまざまな表情のモチーフを描きます。例えば楽しいとか悲しいという一つの感情でもそれはいろんな物事が関係し、全ては結びついています。簡単でシンプルなことはないというのを改めて気付くきっかけになったり、ちょっと誰かに優しくなろうと思ってもらえたら嬉しいです。

JUN:今韓国に住み始めたそうですが、今後韓国でやっていきたいことはありますか?

Kentaro:韓国にもたくさん素晴らしいアーティストがいるのでスタジオビジットさせてもらいたいし、大きなショーもしたいです。とにかく韓国語を早いとこマスターしなきゃなと思ってます。

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JUN:最後にNEUT読者に一言あればお願いします!

次いつ日本で作品を発表できるか分からないので、ぜひこの機会にご高覧いただけたら嬉しいです。赤ちゃんやお年寄りの方でも何か発見があったり、笑顔になったり、少しでも何か感じてもらえたら本当幸せです。LOVE!

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BE THE ONE TOKYO

会期:2023年6月16日(金)- 25日(日) 12:00 – 20:00

ニューヨーク発ファッションブランド「マーク ジェイコブス」が手掛けるブックストア「BOOKMARC(ブックマーク)」にて、大河原健太郎の個展『BE THE ONE TOKYO』を開催いたします。東京とソウルを拠点に、絵画、彫刻、書籍、ストリートウェアのコレクションやコラボレーションなど、さまざまな媒体で活動しているアーティスト大河原健太郎。大河原の作品は「芸術を作ることは愛の表現であり、互いにつながる手段である」という彼の長年の信念を追求しています。この度、TANG DENGが手がけてきた大河原による日本の昔話絵本シリーズ『POO POO BOOKS』の10作目最終巻となる「わらしべちょうじゃ」の出版を記念して、個展を開催。この『POO POO BOOKS』シリーズ全巻収納のハード・ボックス入り10冊セットも合わせて販売します。

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Kentaro Okawara / 大河原健太郎

Website / Instagram

大河原健太郎は、東京とソウルを拠点に、絵画、彫刻、書籍、ストリートウェアのコレクションやコラボレーションなど、さまざまな媒体で活動しているアーティストです。大河原の作品は、「芸術を作ることは愛の表現であり、互いに繋がる手段である」という彼の長年の信念を追求しています。それぞれの作品には、シュールでありながら親しみやすいキャラクターが登場します。人間、生き物、そして擬人化されたオブジェクトのカクテルが、親密かつ奇妙な方法で互いに作用し、誰もが愛着を持てる世界を作り出しているのです。大河原の鮮やかな色彩と様式化されたモチーフの世界のなかで、彼は目と目を合わせ、顔を合わせて直接コミュニケーションをとることの重要性を訴えています。私たちが主にインターネット上で考えや感情を交換しているように見えるこのデジタル時代に、大河原の作品は、もう一度考えることを、また互いの違いを認め合う事を、そして私たちが本来持っているはずの”人間性”を取り戻すことを訴えかけているのです。

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