「自身を解放することで、五感が研ぎ澄まされ、感受性が呼びさまされる」
相反する“解放”と“纏い”をキーワードにかかげ、プロダクトを表現するボディスーツブランド「rom(ロム)」が、3月24日にローンチする。コンセプトは、現代的な“官能美”のあり方。ボディースーツを身につけることで、イマジネーションを広げ、人間本来が持つ官能的な美しさを表現したいという思いが込められている。創設者は、アパレルブランドを立ち上げた経験もなければ、洋服作りのノウハウもなかったという玉川萌木(たまかわ もえこ)。これまで企業のブランディングやプロデュースをメインに仕事をしてきた彼女は、4年程前に独立し、去年自身で会社「ance」を設立した。そして2022年3月、「rom」 を立ち上げる。彼女はなぜ今、ボディスーツをメインにしたブランドをスタートさせたのか。前編ではブランドを立ち上げるまでの玉川の人生を振り返る。
自分に素直であることで道が開けていく
大学時代は日本大学芸術学部・写真学科で写真を基礎から学び、卒業後は広告のビジュアル制作などをする株式会社アマナへ入社し、企業のブランディングやプロデュース業務に携わっていた玉川萌木。幼い頃からバレエや絵を習い、学生時代は、サッカー、バンド、写真と、ずっと何かに打ち込んできた。
「目的に向かって段階を考えていくタイプで。写真学科に進んだのも、中学生の頃に『将来は写真家になりたい』と思って、日芸に行くための最短ルートを考えて高校を選んだくらいなんです」
彼女は計画通り希望の大学に入学し、写真と向き合った。入学して2年ほど経った頃、カメラのレンズを通してだけでなく、幅広い方法で表現していきたいと思うようになる。
「私にとって写真は、何かを常に撮り残していきたいというよりも、伝えたいことを伝えるための手段の一つでした。そうして写真を学んでいくなかで、『これを表現するなら、写真ではなくてイラストやデザイン、動画のほうが良さそうだな』と、写真以外の方法で伝えたいと思うことが増えたんです。それがフラストレーションで、自分は表現方法を選べるほうにいきたいなと思って、ディレクションの仕事に興味を持ちました」
大学卒業後は、オファーがあった株式会社アマナにプロデュース職で入社。広告制作がメインの会社だが、玉川の所属した部署は主に企業のブランディングがメインだった。ブランドを伝えるために、紙媒体やWEBメディア、アプリ、イベント、インスタレーションなどを通し、ブランドが表現していくことを考える。ただ、入社当初から会社にいるのは3年間のみだと決めていた。
「大学3年生の夏休みに、ニューヨークで活動をしている、私のスチルライフの概念を変えた、フォトグラファーの青木健二さんがちょうどインターンの募集をしていて長文のラブレターを送ったんです。けど、大学の夏休みである1ヶ月間しかインターンができないことや、そのときは、フォトグラファーではなくディレクターとして活動していきたいと思い始めた頃だったので、それもちゃんと伝えました。それでも快く受け入れてくださって、ニューヨークへ行って1ヶ月ほど写真というよりもクリエイティブの全ての基本を学ばせてもらって。そのときの経験が本当に素晴らしくて、また必ずここへ戻りたいと思っていたんです。なので、社会人になってお金を貯めたら、またニューヨークでたくさん吸収するつもりでした。きちんと実行できるようにと、会社へ入社する際もそのことを話して、3年経ったら必ず行くと決めていました」
その後、ニューヨークへ渡った玉川。一年ほど滞在をしたなかで、とある日本のセンサーテクノロジー系企業のディレクション業務を手伝うことになる。
「アートを通して新しいセンサー技術を伝えたいと相談をいただいて。その企業がニューヨークのチェルシーにオープンするショールームのディレクション業務に携わることになりました。そこからは、その会社に入社して、数ヶ月に1度ニューヨークへ行く生活を一年くらい続けて。そして、そこがオープンしたタイミングで会社をやめて、そこからはフリーランスになりました」
葛藤を抱えながらたどり着いた答え
フリーランスになってからは、デザイン事務所のマネージャーをする傍ら、ブランドのディレクションやマネージメント、友人とヴィンテージのバイイングを始めるなど、ジャンルレスに活動を広げていた。そしてヴィンテージをバイイングしている際に、玉川はあるアイテムに出会えないことに気づく。
「もともとファッションは、自分を表現するための手段の一つとして好きでした。とくに、身体の曲線を意識した服装をするときがあるので、そういうスタイルのときにボディースーツが重宝していたのですが、ヴィンテージではあまりみつけることができなくて」
トップスからショーツまで繋がっているボディースーツは、あくまでもアンダーウェアの部類。デリケートゾーンにも布があたることもあり、デッドストックなどでない限り、ヴィンテージではなかなかみつけられるアイテムではないそうだ。
「日本でも下着のブランドは増えてきましたが、ボディースーツだけに特化したブランドってなかなかなくて。アイテムとして、とても使いやすいものなのに、なんで選択肢がこんなにも少ないんだろうって思っていたんです」
これまで携わってきた仕事でも、すでに存在するモノをキュレーションやディレクションをして、世の中に伝えてきた彼女。デザイナーやクリエイターに尊敬の気持ちがあるからこそ、素晴らしいものはすでに世の中にあるし、自身がそれを伝えていく役目だという考えを持っていた。
「これだけいいものが世に存在しているのにそんななかで自身が何か新たにモノを生み出すのは、違うなと感じていました。モノが溢れているのに新しく作ることは、ゴミにも繋がるし、そういった面でも作りたくないなという気持ちもあって。けど、ヴィンテージで手に入りづらいボディスーツだったら作る意味があるし、ボディスーツを使って自分の思想を表現できるなって思ったんです」
前々から自身のなかで30歳を迎えたときには何かをしようと決めていた玉川。新たなことにチャレンジするには、ぴったりのタイミングでもあった。そこで、いままで自分が大切にしてきたことを考え直しながら、ボディスーツブランドを立ち上げることを決意する。後編では、ブランドに込めた思想を伺っていく。
rom launch preview
preview 1
date:
2022年3月24日(木)~ 2022年3月26日(土)
time:
11:00-20:00
(11:00-13:00 *プレス・メディア様のみ)
place:
東京都港区赤坂6-5-21 #901
preview 2
date:
2022年3月27日(日)
time:
09:00-22:00
place:
No. 代々木上原 東京都渋谷区上原1-33-11 3F
No.のバーテンダー荻原氏とのコラボレーションによる、romの世界観を表現したオリジナルカクテルとモクテルもお楽しみいただけます。
Instagram: @maisonrom
Website: maisonrom.com
プレオーダーはこちらから。(3月24日〜4月3日まで)
問い合わせ先:
アポイントメント、プレス・取材、サンプルの貸し出しなどのお問い合わせもお気軽にご連絡ください。
press@maisonrom.com (担当: 宮・松谷)