「フェイクニュースの悪」や「女性が活躍する社会」を楽しく教える、5歳以上の女の子向け雑誌が創刊

Text: Shiori Kirigaya

Photography: @kazoomagazine unless otherwise stated.

2017.11.19

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女はまだ知らない、この世界が少女たちにとって簡単な場所ではないことを。エンジニアとして働く人の11%、料理長の5人に1人しか女性はいない。(中略)60%の少女は自分の見た目を気にして好きなことを諦めている。

(引用元:Kazoo Magazine

※動画が見られない方はこちら

近年おしゃれをし始める年齢は年を追うごとに下がってきており、小学生はもちろん幼稚園に通うときからおしゃれを気にするというのも当たり前になっている時代だ。

好きなおしゃれをするのもいいが、同じように考えるべきなのは、彼女たちがやりたいことに挑戦する気持ちを大切にして可能性を広げることではないだろうか。そんな少女たちにぴったりな雑誌が昨年、アメリカで創刊されたという。

Photo by 撮影者

Kazoo Magazine」(以下、Kazoo)は、5歳の娘を持つ母親がクラウドファンディングを使って始めた、幼い少女たちの可能性を広げる紙のマガジンだ。創刊のきっかけは「子ども向けのおしゃれの雑誌はあっても、5歳の娘と一緒に読める、かっこよくて視野を広げられるような雑誌はなかった」という彼女の思い。クラウドファンディングサイトのKickstarterでマガジン創刊の資金を募り始めると、なんと30日で必要な金額が集まり実現した。

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内容にはパズルゲームやお菓子の作り方、自然にいる生き物についてなど、既存の子ども向け雑誌に掲載されていそうなものも含まれているが、特徴的なのは活躍する女性のアーティストや科学者などに焦点を当てたストーリーの紹介や、フェイクニュースを批判的に見るアクティビティなど。5〜10歳の少女たちに向けて、挑戦する気持ちや世界に対する興味、自分で考える力を、楽しみながら育めるように作られている。

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独自の視点を生かしたアート作りのアドバイス記事
Photo by Kazoo Magazine

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そんな多くの人から支持を集めるKazooができた背景にあるのは、「エンジニアとして働く人の11%、料理長の5人に1人しか女性はいない」などアメリカの女性が活躍できていないというデータだけではない。驚くべきことに、同国の少女たちの6割は自分の見た目を気にして好きなことを諦めている。(参照元:Kazoo Magazine

では日本の場合はどうだろうか。国会議員の女性が占める割合は1割未満というように決して女性が活躍している状況ではない。しかし、女性だからという理由で授業での発言を自制する女子中学生たちは、それほど多くない15%という調査結果もあり、意識が変わってきているのかもしれない。(参照元:CNN, 朝日新聞デジタル

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日本社会においてもアメリカ社会においても、性別間の格差は解消されていない。そんな社会の負の側面を知る前の段階にある少女たちに着目したのがKazoo。まだ知らないからこそ「どう教えるのか、どうやって打ち勝つ力を養うのか」が重要だ。

同誌は幼い少女でなくても、好奇心に溢れている人ならワクワクしながら読めるような雑誌となっている。「自分の幼い頃にこんな雑誌があったらな…」と悲観的になるのではなく、今からでも何かに挑戦できるとポジティブにとらえたいところだ。

Kazoo Magazine

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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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