“禁断”のセックスについて考えるキッカケを作る「23人の色褪せない裸」

Text: Noemi Minami

2017.4.28

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2017年4月29日〜5月7日はジェンダーやセクシュアルアイデンティティーに関係なく、すべての個人が自分らしく幸せに生きられるような社会を目指しイベントを行うレインボーウィークである。

都内でもダンスパーティーやアート展など昼夜問わず様々なイベントが実地され、7日には大体的にレインボーパレードが開催される予定と盛り上がりを見せている。

そんなレインボーウィークにこそ紹介したい一冊のフォトブックが存在する。

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そのフォトブックとは『23(トウェンティスリー)』。LAのフォトグラファーMaggie West(マギー・ウェスト, 以下ウェスト氏)氏が、LAを拠点とする23人のアーティスト、モデル、ミュージシャンそしてパフォーマーのヌードポートレートを撮ったフォトブックである。その中で、7人はトランスジェンダーの女性と男性だ。

ウェスト氏は今回2作目となるフォトブックの製作にあたり、ヌード写真の特別な力に目をつけた。それはヌード写真は「タイムレス」だということ。ファッションフォトグラフィーは時代と場所を特定するのが簡単だが、人々の美しい裸の写真は時を超えてオーディエンスの心に届く何かがある。

そして重要なテーマとなったのが、性別という垣根を越えた写真を撮ること。既存のヌードフォトグラフィーは「女性」と「男性」というステレオタイプに忠実なものが多い。だから『23』ではすべてのジェンダーとセクシュアリティーを包括し、平等なビジュアルを作りだしたかったそうだ。多様な人種、体、セクシュアリティ、ジェンダーを持つモデルに当たる虹色のライトが美しい。

“このフォトブックは完璧に多様性をカバーできているわけではないけど、様々なジェンダーと性別をテーマにしている。確かに、みんな同じぐらいの年齢で、見た目の良い人ばかりで、障がい者はいないけど…既存の似たようなフォトブックに比べたら多様的だと思う。

このフォトブックは完璧じゃないけど、でも正しい方向に一歩を踏み出してると思う”。(引用元:Dazed & Confused Magazine

『23』の見所は写真だけではない。ウェスト氏の写真にインスピレーションを受けて4人の著名人が書いたエッセイ集も含まれる。その4人とは元ポルノスターのChristopher Zeischegg(クリストファー・ゼイシェグ)や、ライターでアクティビストのGaby Dunn(ガビー・ダン)、トランスジェンダーモデルのArisce Wanzer(アリース・ワンザー)、そして作家でありアーティスト活動を行うDarcie Wilder(ダーシー・ウィルダー)。

普段、社会で議論されることのないリアルなセックスについてや、なぜか禁断や恥の対象として扱われる人間の体について、会話を生むような内容となっている。

ウェスト氏の多様性とセックスを祝う写真の一部がこちら。

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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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