先週の日曜日、渋谷ヒカリエのコアワーキングスペース「Creative Lounge MOV」で、朝イベント「ネオエシカルモーニング」が開催された。(第1回の詳細、第2回の詳細)Be inspiredとMOVが共同で主催する本イベントは昨年10月と今年1月に続き、今回で3回目。午前8時に開演という、朝早くからのスケジュールにもかかわらず、スタイリストや実業家、アーティストなどあらゆる業種から約70名の来場者が訪れた。
そもそも『NEO-ETHICAL (ネオ・エシカル)』って?
現在、定着しつつある「エシカル」という言葉。地球や環境、社会に優しくあろうとする理念を表している。Be inspired!が考える「ネオ・エシカル」とは、「クリエイティブかつエッジーに社会に良いことをする」姿勢や理念を指す。ただ社会にとって良いだけではないのだ。
例えば『ディスコに変身した使われなくなった電話ボックス』や『たった4時間ボランティアすれば参加できる豪華な音楽フェス 』、『ゴミをアートに変えるクリーンナップ 』。そんな「ネオ・エシカル」というコンセプトに共感する人たちと、それをコンセプトにクリエイティブな行動をしている人たちが集い、これまでにない解決法の実現を目指す本イベント。今回のゲストスピーカーも多方面からお招きした。
ジェンダー・テック・アート。今回のゲストスピーカーはだれ?
今回のゲストはそれぞれドキュメンタリー映画を通じた社会への問題提起、21世紀型の教育プラットフォーム作り、日本のアーティストを支援するコミュニティ作りを含む多岐にわたる活躍をしている3人だ。
アーヤ 藍 (アーヤ アイ)氏
一人目は、アーヤ 藍さん。研修で滞在していたシリアが内戦状態となり、同国のために何かしたいと思っていたなかで現在取締役副社長を務めるユナイテッドピープルに出会い、転職した。映画を通じた社会問題の提起やメッセージ発信、市民上映会による新しいコミュニティーづくりに取り組む。また、1万「いいね!」を誇る書評サイトHONZ.JPのレビュアーも務めている。直近では映画『 ジェンダー・マリアージュ 〜全米を揺るがした同性婚裁判〜』の一斉上映を計画している。自身の経験を語り、世間に溢れる「当たり前」や「常識」なんて存在しなくていいという力強いメッセージを聴衆に投げかけた。自身が取締役副会長を務めるユナイテッドピープル株式会社では、「映画を配給し、ジェンダーにつきまとう「当たり前」をなくす取り組みをしていると紹介してくれた。
アーヤ藍さんについてもっと知りたい方はこちら。
Michel Clemons(マイケル クレモンズ)氏
二人目は、マイケル クレモンズさん。CSR活動やインパクト投資の指導、またコーチングを専門とするリーダーシップコーチ。当時勤務していたバークイズ銀行に活動が認められ社長賞を受賞したことをきっかけにパトリック・ニューウェル氏(TEDxTokyoの創立者)設立のNPO団体Living Dreamsと出会う。現在は同団体ディレクターとして企業からの寄付を募り、日本の児童養護施設にコンピュータを届け、21世紀型の学習プラットフォームを作っている。私たちが何気なく使っているテクノロジーが現代人の人生の選択に大きな影響を与えるか、映像を使いつつ訴えた。さらに、ネット接続がない児童養護施設の子どもたちが情報を得る手段としてPCやタブレット機器を届け、ネットの使い方に慣れてない高齢者の生活を快適にする支援をしているなどと紹介してくれた。彼の所属するLiving Dreamsの活動についての記事はこちら。
田澤 悠(タザワ ユウ)氏
三人目は、田澤 悠さん。BnA(株)他2社を経営/経営コンサルタントを務める。日本のアーティストの世界への発信を目的とした高円寺の街型アートホテル、BnA HOTEL Koenjiの経営のほか、ジャカルタの高級ヘアサロン事業、医療アプリ開発、ゲストハウス事業など手広く手掛ける。自身がバルセロナ、イギリス、アメリカ等で育った経験から、日本がアーティストにとっていかにチャンスが少ない国だと実感したことで「アートにどっぷり浸かれる」ホテルの企画を思い立ったと話した。
そして駆け出しのアーティストたちの発信の場とするアートホテルを街中に点在させることで、高円寺をアートコミュニティ化するという展望を話してくれた。
田澤さんの作るBnA HOTEL Koenjiについての記事はこちら。
美味しいコーヒーを飲みながら、インスピレーショナルな朝を過ごす日曜日。
前回同様シングルオリジンにこだわるサードウェーブコーヒーのNOZY COFFEEのコーヒーを飲みながら、ゲストスピーカーの話が聞けた本イベント。スピーチ後は、来場者そしてゲストスピーカーと話せる交流時間を30分設けた。会場内はしばらくしても話し込む人たちで賑わったままで、同じコンセプトに共感する者同士ならではの「情熱」を感じられた。
Be inspired!は開催する側として、来場を考えなかった方々の興味をも惹けるような、クリエイティブかつエッジーに社会をよくする方法を探っていきたい。そして次世代のネオエシカルムーブメントを作るメディアとして、常に物事の新しい視点を見つけ、読者の皆さまに届けていくつもりだ。次回「ネオエシカルモーニング4」は、今秋を予定している。ぜひ一人でも多くの人に、インスピレーショナルな日曜の朝を体験してほしい。
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。