渋谷で“ニュートラルに物事を考えるためのNEUTのラジオ”が始動。第1回のテーマは学校では教えてくれない「セックスの話」[NEUT RADIO vol.1]

Text & Photography: Natsu Shirotori

2019.1.30

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2019年、新しい取り組みとして「毎月の特集」を始めたNEUT Magazineですが、実は渋谷のラジオで「ラジオ番組」も始めました。その名も「渋谷のニュートラル」。

メインパーソナリティを務めるのは、以前NEUTで取材したヒップホップグループDos Monosのメンバーであり広告プランナーとしても活躍中のTAITAN MANとNEUT Magazine編集長のJUN。

渋谷のニュートラル

「渋谷のニュートラル」とは、渋谷を舞台に地域に密着した情報から経済や文化までを扱うラジオ局「渋谷のラジオ」で始まったNEUTのラジオ番組。生放送は公式アプリか、FMラジオ(詳細ページ)から、放送後にはnoteにて音声アーカイブが聞けます。この番組のキーワードは『◯◯をニュートする』。「ニュートする=ニュートラルな視点から物事を捉えること」と独自に定義し、毎回日本で「出る杭」とされている人や、エクストリーム・過激だとされているトピックをあげて、ゲストと共にニュートラルに考えていきます。

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第一回目の放送では、「『セックス』をニュート」。今月から始まったNEUTの特集「セックス’19」では、「エロ」としてでなく「下ネタ」としてでもなく、オープンにそしてヘルシーにセックスについて取り上げました。

そこで今回ゲストとして招いたのは性と体に関するトピックを積極的に取り上げてきたインディペンデントマガジン『HIGH(er)magazine』編集長のharu.さん。そんなharu.さんを迎えて放送した第1回「渋谷のニュートラル」からいくつかのトピックをダイジェストでお送りします。

女性の性は隠されたもの?

「俺、タンポン見たことない」って言われて。

こう話し始めたのはharu.さん。男友達との会話の中で言われた「俺、タンポン見たことない」に対し、haru.さんが偶然持っていたタンポンを見せると、興味を持って話を聞いてくれた、とのこと。女性にとっては見慣れたタンポンやナプキンといった生理用品も、男性にとっては未知のもの。「男サイドからするとこの話って聞いていいんだっけ、という感じ」というTAITAN MANに「閉ざされたものだよね」とJUNが加える。小学校からの性教育も男女別々に行う日本では、男女間で性の知識にまだまだばらつきがある。自身の経験からharu.さんはこう話す。「女の子もわかってくれないって言うだけじゃなくて、やっぱりそういうことを軽めに気軽に話題に出すっていうことが大切だなと思っていて。意外と男の子もそんなに拒否反応とか見せない」

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さらに女性のマスターベーションも話題に。「男の子に女の子もオナニーするよって言ったら驚いてた」とharu.さん。「疲労困憊の時ってめちゃめちゃ性欲溜まったりしない?」というTAITAN MANに対してharu.さんも「ストレス溜まりすぎて自分で解消するしかなくて、マスターベーションして寝るっていうのが一番ストレス解消になる」と同調。女性にも男性と同じように性欲があるのだから、男女間でもオープンに性の話をしてみれば共感できるところも多くあるはずだ。

誰のためのコンドーム?

コンドームってお互いのためじゃんっていう認識がまだない。

コンドームをしてください、というharu.さんの呼びかけに対し、こう答えたのはJUN。「コンドームって男が買うものみたいな認識もあったりするじゃん、女性が1人で買いにくいとかさ」と日本のコンドームに関する現状を指摘した。

続けてTAITAN MANはコンドームのデザインについて「コンドームってコンビニでも薬局でもさ、なんか埃かぶって片隅に置いてあってすごい秘め事感があるじゃん。もっとデザインドされたコンドームがあってもいいよね」と指摘。

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相手ありきのセックスだからこそ、男性がコンドームをすることはもちろん、女性でも買いやすいコンドームも必要だということでまとまった。

自分の体を知る

自分の体のこととかを自分で知るってことも大事だし、それを友達とかパートナーとかと共有するってことも大事。

こう話すTAITAN MANとJUNは精子検査のキットの存在を紹介。スマートフォンを使って簡単に精子の検査ができるキットがあるらしい。(TENGAがTENGAメンズルーペ、リクルートがSeemというサービスを出しています)「それってどんな人が買うの?普通に興味本位で買うの?」というharu.さんの質問に対し、TAITAN MANは「不妊に悩む夫婦が、精子の状態を確かめるためのものらしい。二人の相性の問題じゃなくて精子自体が死んでる場合もあるから」と答えた。続けて「 簡単にできるし、25、6だからそいうこと知った方がいいかなと思って」と話したのはJUN。

それに対してharu.さんは性病検査に行ったときのことについて話した。「なんで?不安になった?」とTAITAN MAN。「不安になってないんだけどね、なんか定期検診としてやらなきゃダメだよって言われて」と答えたharu.さんは性病検査がセットで受けられることを紹介した。性病検査も精子検査も自分の体を知る第一歩として挑戦してみてはどうだろうか。

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続けてharu.さんは自身のバイオリズムについて「生理前になると性格がブスになる」とも発言。毎月の生理で怒りっぽくなったり、気分が沈んで急に泣き出したり、食欲や性欲が強くなると話した。これに対してJUNは「生理になったら言ってくれたらもっとなんかコミュニケーションよくなるんじゃないかな、絶対仕事のパフォーマンスも変わってくるから上司にも、言いやすい環境になるといいよなあ」とコメント。多くの女性の悩みである生理についても、女性同士のみではなく男女間でもオープンに話すことのできる環境が必要だ。

オープンでヘルシーなセックスのために

今日からできることは自分の声を聞くこと。自分の体を知るために性病検査に行くとか婦人科の検査に行くとか。あとは、性欲に素直になってみるとか、自分の体の声を聞くってことが今日からできること。

渋谷のニュートラルでは毎回、最後のまとめとしてゲストにリスナーが「今日からできること」を提案してもらう。haru.さんが今回のまとめとして挙げたのは「自分の体の声を聞くこと」。まずは自分の体の声を聞くことがオープンでヘルシーなセックスを考えるための第一歩なのだ。

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以上、第一回渋谷のニュートラルをダイジェストでお送りしました。

次回は2月11日16:10より、老いをポジティブに捉えよう、という新特集「エイジング、プリーズ」のテーマに則して放送します。次回もお楽しみに!

haru.

1995年2月生まれ23歳。現在、東京藝術大学に通いながらインディペンデントマガジンHIGH(er)magazine編集長としても活躍中。「私たち若者の日常の延長線上にある個人レベルの問題」に焦点を当て、「同世代の人と一緒に考える場を作ること」をコンセプトに毎回のテーマを設定している。そのテーマに個人個人がファッション、アート、写真、映画、音楽などの様々な角度から切り込む。2019年春にはHIGH(er) magazineの5号が発行されます。新刊発行に合わせ、2月1日19時よりSHIBUYA TSUTAYAにてローンチイベントも開かれます。

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TAITAN MAN

1993年生まれ。3人組ヒップホップグループDos Monosのメンバーとして活動中。2017年には韓国・ソウルでのライブやSUMMER SONIC2017への出演を果たした。2018年には日本人として初めてアメリカ・LAのレーベル「Deathbomb Arc」との契約を結び、初の音源「Clean Ya Nerves」をリリースした。

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JUN

1992年生まれ。大学卒業後、新卒でHEAPS.株式会社に入社、同社が運営する社会派ウェブマガジン『Be inspired!』の編集長を経て、現在は2018年10月に『Be inspired!』からリニューアル創刊した『NEUT Magazine(ニュートマガジン)』で創刊編集長を務める。「既存の価値観に縛られずに生きるための選択肢」をコンセプトとする同誌で、消費の仕方や働き方、ジェンダー・セクシュアリティ・人種などのアイデンティティのあり方、環境問題などについて発信している。

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