4月8日、NEUTのラジオ番組「渋谷のニュートラル」の第四回目が放送されました。
メインパーソナリティを務めるのは、以前取材したヒップホップグループDos Monosのメンバーであり広告プランナーとしても活躍中のTAITAN MANとNEUT Magazine編集長のJUN。
今回の放送では、番外編と称しTAITAN MANとJUNの二人でNEUTの生企画会議をお届けしました。放送前に行ったアンケートで読者の皆さんからいただいた、「NEUTで取り上げてほしいトピック」「NEUTでやってほしい特集」への意見やNEUTへの質問の中からいくつかをピックアップし、NEUTのこれからを考えてトークしました。
NEUTの選んだ情報発信の形
誰のためにやるのかによってアウトプットが変わってくる。
まず最初にピックアップした「ウェブと紙のマガジンの考え方の違い、境界ってありますか?」という質問にはJUNが回答。NEUTが情報を発信する媒体としてなぜウェブマガジンを選んだのかについて話した。ネット環境があってスマートフォンを持っている人なら誰でも簡単にアクセスできるウェブマガジンと、プロセスもかかる費用もWEBより増えるが、実際に手に取ることのできる紙媒体。若者への届きやすさやを考えてNEUTはウェブメディアの形を取ったが、届ける人が変われば新聞や雑誌などの紙媒体はもちろん、映画やテレビのような映像、ラジオや音楽のような聴けるものなど、様々な形が考えられると語った。
店舗は最大のメディア、NEUTには店舗を持ってほしい。
続けてTAITAN MANは実際に商品を手に取ることができる店舗が最大のメディアだと言われる今、NEUTにも店舗を持つことを提案。多くのクリエイターとコラボしている蔦屋書店を例に挙げ、「NEUTがこれまでに取材してきた、資本はなくても試みがイケているプロダクトを紹介する場を作った方がいい」と語った。これを受けてJUNもコンビニをやりたいとの思いを明かした。新しい商品がどんどんと入れ替わり、誰でも気軽に行くことのできるコンビニは教育や文化にも影響を与えると話す。TAITAN MANも藤原ヒロシ氏がディレクションした「THE CONVINI」や、コンビニでの「エロ本」ではなく子ども向けの絵本を売る取り組みなどを紹介し、NEUT的なキュレーションでコンビニを開くのも面白そうだと語った。
日本人があまり知らない先住民族の話
単一の民族と言われがちで、民族に興味を持つ機会があまりなかった気がするからこそ深掘りしたい。
次にピックアップしたのは「アイヌやマオリのような先住民にフォーカスした記事があったら読みたい」という意見。2020年の東京オリンピックを目前にして、アイヌ民族を支援する新法案の条文でアイヌの人々を「先住民族」と明記する動きがあり、様々な議論が起きた。JUNはアイヌのような先住民族が世代交代を重ねていく中で、その歴史が踊りや絵画、音楽など様々な表現方法で引き継がれていく様子をもっと知りたいと話した。また、TAITAN MANはマオリのラグビーチーム「オールブラックス」の踊る挑発のダンス「ハカ」を例に挙げ、民族独特の表現にも興味があると話した。
ファッションから考える環境問題
ファッションってコミュニケーションじゃん。
こう口に出したのはJUN。NEUTへの要望として寄せられた意見の中には「サステナブルファッションのシリーズをもっと読みたい」との声もあった。JUNが人や環境、社会に優しく主張のあるファッションブランドを紹介するNEUTのシリーズ記事「GOOD WARDROBE」の説明をしつつ、話はコミュニケーションとしてのファッションをテーマに展開。TAITAN MANはJUNの発言に対し「俺もそう思う。ファッションって、その人間の思考の輪郭をある程度浮き彫りにするから。相手がどんな人間か仮説を立てるための、コミュニケーションの入り口にするのはわりと便利」と答えた。また、「ファッションとコミュニケーションといえば、Patagoniaが代表的だけど、ブランドやアイテム選びを通して、環境問題に対する向き合い方を表明するコミュニケーションもあるよね」とも。ちなみにNEUTでは「ファッション」を切り口に環境問題を考える特集を5月に予定している。
今の若者は何にお金を使う?
お金は誰かとの関係性を作るために使う。
最後にもう一度NEUTへの提案をくれたのはTAITAN MAN。お金の使い方に関するトピックをNEUTで取り上げてほしいと話し、JUNへお金の使い方について質問した。JUNはもっと知りたい、一緒に活動してみたいと思った相手との関係を深めるためにお金を使うことが多く、相手とどんな関係を構築したいかによってお金の使い方が変わると話した。例えば一緒にコーヒーを飲みに行ったり、お酒を飲みに行ったり、あるいは相手の商品を買ったりとお金を使うこともコミュニケーションになると話した(詳しくはペイミーくんマガジンの取材記事で話している)。TAITAN MANもJUNに共感を示しつつ、誰かとのコミュニケーションを生むためでなく、純粋に個人的な物欲を満たすことを目的にした高級品志向者や自分のコレクションを増やすためにお金を費やしている人など二人とは異なるお金の使い方をする人の話も聞いてみたいと語った。
以上渋谷のニュートラル第四回目の放送内容をダイジェストでお送りしました。アンケートにご協力くださった皆さんありがとうございました!
次回は5月13日16:10からの放送を予定しています。
TAITAN MAN
1993年生まれ。3人組ヒップホップグループDos Monosのメンバーとして活動中。2017年には韓国・ソウルでのライブやSUMMER SONIC2017への出演を果たした。2018年には日本人として初めてアメリカ・LAのレーベル「Deathbomb Arc」との契約を結び、初の音源「Clean Ya Nerves」をリリースした。2019年3月にDos Monos の1st アルバム「Dos City」をリリース。
JUN
1992年生まれ。成蹊大学卒業後、社会派ウェブマガジン『Be inspired!』の編集長を経て、現在は2018年10月に『Be inspired!』からリニューアル創刊した『NEUT Magazine(ニュートマガジン)』で創刊編集長を務める。「既存の価値観に縛られずに生きるための選択肢」をコンセプトとする同誌で、消費の仕方や働き方、ジェンダー・セクシュアリティ・人種などのアイデンティティのあり方、環境問題などについて発信している。