「遊べ、死ね、献血せよ」。そんなキャッチコピーで話題となったゲームがある。このゲームは、敵に打ち殺されてもそこで流れる血を無駄にしなくてすむ仕組みとなっている。流れた血は“献血される”からだ。このいかにも賛否両論ありそうな、“献血ゲーム”とは果たして?
さあ、皆さんゲームを始めよう。そのゲームの名も「Blood Sport(血のスポーツ)」。献血の管を腕に取り付けたら準備は完了だ。
あとは簡単で、いつものようにテレビで、敵と打ち合うシューティングゲームを始めて、もし敵に撃たれたら献血の管から血が引かれる。ゲームの中で流れた血が、現実世界でも流れるのだ。このゲームのいいところは、そうやってゲーム内で流した血を無駄にしないところかもしれない。
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さて、このゲームはどうして開発されたのか?Blood Sportを考案したチーム「ブランド&グロテスク」は、ゲーマーたちがゲームという好きなことをやりながらも大事な問題を考えることができるゲーム装置を作ろうという考えで、本プロジェクトを始動させた。
しかし残念ながら、クラウドファンディングで目標の250,000カナダドル(約1200万円)のうち3390カナダドル(約30万円)集まったところで、プラットフォームを運営するキックスターターの意向により中断されてしまった。このゲームで血を流したら、現実世界でも血を取られるというクレイジーな発想。倫理性を考えれば、中断はもっともなことかもしれない。ブラッド&グロテスクも忠告しているが、同じゲームを技術なしに再現するのはもちろん危険だから真似してはいけない。
だが、人工的には作ることができない「血液」を“新しい方法”で集めようとする取り組みの目的は正当なものだったのではないか。仮想現実と現実世界をつなげるエキサイティングなアプローチは、献血でよくあるネイルアートやマッサージのサービスよりも、ずっと新しさがあり、今まで献血に興味のなかった層を惹きつける可能性を持っていた。今後に必要なのは、より斬新であるが多くの人々に受け入れられる献血のアプローチかもしれない。
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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。