「メンタルヘルスが優れないときどうしてる?」誰にだってある心が不調なときの自分との付き合い方|2020年に考えたいセルフラブ #IAMWHOLE Vol.2

Text: Noemi Minami

Photography: MARIKO KOBAYASHI unless otherwise stated.

2020.9.18

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2020年、NEUT Magazineがイギリス発のメンタルヘルスのスティグマをなくすためのキャンペーン#IAMWHOLEに参画!

イギリスの南海岸に位置する海沿いの街ブライトンを拠点とするラッパーJordan Stephens(ジョーダン・スティーブンス)がNHS(イギリスの国民保健サービス)とYMCA(青少年の成長を願って1844年にロンドンで誕生した世界最大規模の非営利団体)と共に2016年に立ち上げた「#IAMWHOLE」(アイアムホール)キャンペーン。同キャンペーンは、メンタルヘルスへのスティグマ(差別や偏見の対象、ネガティブなイメージ)をなくし、誰もが自身のメンタルヘルスについてオープンに話せるような社会作りを目的としている。キャンペーンのインスピレーションとなった、2016年にスティーブンスがリリースしたMV「Whole」は60万人以上の人が視聴した。これまで毎日自分のメンタルヘルスのために1時間費やすべきだと「WHOLE Hour」を呼びかけ、エド・シーランをはじめとする人気アーティストを迎えMusic 4 Mental Healthというチャリティーコンサートも実現。アーティストやクリエイターを呼んでメンタルヘルスについて話すスティーブンスのポッドキャスト「WHOLE Truth Podcast」も進行中。

そして2020年、新型コロナのための自粛生活のなかで孤独を味わい、メンタルヘルスの問題に直面した人は少なくないなか、これまでもセックスについてヘルシーにオープンに話す特集などをはじめ、世の中でタブー視されてきたことをオープンに話すきっかけづくりを発信してきたNEUT Magazineは#IAMWHOLEに賛同し、メンタルヘルスについて考え、「セルフラブ」を発信するプロジェクトを始動。

Vol.1「脆い自分を受け入れることが勇敢さだ」英ラッパーがメンタルヘルスへの偏見をなくすキャンペーンを始めた理由

Vol.2では、haru.、松㟢翔平、みたらし加奈、TaiTan、山本奈衣瑠にインタビュー

haru.

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ーメンタルヘルスが優れないと思うとき/思ったときはある?それはどんなとき?

もちろんあります。私は基本的に落ち込みやすくて、絶望しやすい。
最近だと会社や仕事を安定させて結果を出さないと、と責任を感じることが多くて。悪いことでは決してないですけど、正直プレッシャーに負けそうになることもありますね。
あと誰かが傷ついたり悲しんだりしている姿を見ると放っておけなくて、自分がどうにかしなくてはと思い込んでしまうんです。私が元気なときはいいけど、それが重荷になって疲弊してしまうこともあります。子どもの頃から、一番距離の近い友人たちは精神的に不安定な部分を持ち合わせていることが多かった。うつ病やパニック障害、摂食障害のことも友人たちに教えてもらいました。私からしたら自分も周りも、心が優れない日があることのほうが普通です。さっきまで楽しく笑っていたかと思えば、誰かの心ない一言で泣いたりとか。面倒だなあと思うけど、それも私なんですよね。いつだって笑顔で、ハッピーでいてねっていう言葉が一番残酷な気がします。そんなのって無理だから。

ーメンタルヘルスが優れないなと思ったときはどうしている/どうしていた?

私も毎回上手に対処できるわけではなくて、気持ちが沈むたびにいつもどうしてるっけ?って自分に問いかけています。でもその時々によっていい対処法って違ったりする。突発的に木に登ったり、(パラグライダーで)空を飛んだり走ったりすることで気が紛れることもあるし、本を読んで自分を現実世界から引き離すこともある。最近は初めてカウンセリングの予約を入れました。初回のカウンセリング費は1万2千円だそうです。今引っ越し前でほんとにお金も余裕もないんですけど、こういうときこそ行ってみるか!と思って。(後日談:心配をかけたくないという思いから、なかなか自分の大切な人たちには話せないことを話せてとてもいい体験だった。少し通ってみることにする!)

でも結局私の場合は作品やものを作ることで長期的に傷を癒しているんだと思う。第一言語が通じないドイツで過ごしたティーン時代の孤独や、摂食障害になったこと、大切な人を自死で亡くしたこと。かすり傷程度のものもいっぱいある。思えばこれらのことを自分の人生として受け止めるために、マガジンだったり音の作品を作ったり、文章を書いたりしてきたんだと思います。何かを伝えなければ、という使命感よりは自分のために。とはいえ、作品って他人に見たり聞いたりされることを前提としている。なんでもかんでも作品に落とし込む必要なんてないけど、私にとってはそれがサバイブすることへの大事なプロセスなんです。私が自分の人生を受け入れて生きようとするとき、それは同時に他の人も生かすことなんじゃないかとある時に思って。誰かの行動によって私たちは考えさせられたり、物事の選択の幅を広げたりできるじゃないですか。そして私が生きることで、亡くなった大切な人の魂も生き続ける。最も個人的なことこそ、誰かの人生に深く関われる可能性があると思っています。
苦しみの真っ只中では考えられないことだけど、どの経験も今のharu.という人物を形成するうえで「なかったこと」にはできない、たくさんの学びをもたらしてくれた出来事だったと言えます。だからといって経験しなくてよかったはずの痛みを肯定するつもりはまったくなくて、見た目やジェンダーのステレオタイプを押し付ける社会や、メンタルヘルスを軽視するシステムをどうにかしてやりたいなといつも思っています。きっと私はこれからもいろんなことに体当たりしたり、突然降りかかる悲しみに押し潰されそうになりながらも、作品やものを生み出すことでなんとか生きながらえるんだと思います。

ーSNSは国や文化を超えて人と繋がれたり、マスメディアでは取り上げられない声が広がったりといい面もありながら、逆に孤独を感じてしまうなどマイナスな面もあると思います。SNSをヘルシーに使うために何か意識していることはある?

最近は仕事中(日中)はSNSをほとんど見ていません。意識しているというよりは目の前にあることに集中することでせいいっぱいという感じかな。社会にある問題は全て拾うんだと気負ってしまうと、キャパオーバーになってしまう。心が元気なときに、自分の持ち場で言葉を紡いでいければと思っています。

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ー普段からメンタルヘルスのためにしている習慣はある?

お散歩は好きです。朝7時頃に起きて、radikoで荻上チキさんの『Session-22』とかTaiTanと玉置周啓くんのポッドキャスト『奇奇怪怪明解辞典』を聴きながら早歩きで1時間歩く。これはステイホーム中に習慣になりました。「目の前にある道を踏みしめて前進することだけが目的だ」、と体が勝手に余計なスイッチを切ってくれる感覚なんです。ラジオの中で話されている内容にもめちゃくちゃ集中できるから不思議。
家の中にいると考えごとが絶えないし、仕事のLINEやメールに追われながら休憩中になんとなくSNSとか見ていると、摂取したい情報とそうでないものがごちゃ混ぜになって、結局何も入ってこない。そういうときの軽い運動は身をもっておすすめできます。

つらくなったら思い出す本とか音楽のリストもなんとなくあります。「自分、もうちょい生きれるわ!」って思えるような出会いがたまにありますよね。映画は落ち込んでいるときにはちょっと情報量が多すぎるので見ません。
アリアナ・グランデの『thank you, next』というアルバムに収録されている“ghostin”と“needy”という曲は私にとってお守り的な立ち位置の曲。自身の公演で起きた爆破テロや元恋人の死を経験した彼女のパーソナルな感情が反映された楽曲に、私もどこか自分の経験を重ねて救われた感覚があります。本だと古橋悌二さんの『メモランダム』(リトルモア)は高校時代から何度も読み返してる。なかでも「真の友人様へ」という古橋氏が友人に向けて自分のHIV感染を伝えた手紙のところに付箋をつけてます。最近読んで衝撃を受けたのは哲学者の宮野真生子さんと人類学者の磯野真穂さんによる往復書簡が書籍になった『急に具合が悪くなる』(晶文社)という本。「病」を巡って全力で言葉を投げ合うお二人のキャッチボールに、終盤ほんとに体がプルプル震えてた(笑)この本はTaiTanに教えてもらって、その次の日には読み終わってました。さっそく「もうちょい生きれるわ!」リストに追加したいと思います。今気がついたんですけど、私を支えてくれる作品は作者が死と対峙するものが多いのかもしれない。きっとそこに紛れもない生のパワーを感じているんだと思います。

ー自分自身とのヘルシーな関係(セルフラブ)を築くうえで大切なことってなんだと思う?

これは私もまだまだ模索中です。でも、「これは嫌!」って思ったことは忘れないことかなあ。嫌だったことを覚えていれば、次からそれを避けることができるかもしれない。仕事をするうえでも、よかったことと同じくらい嫌だったことはチームとシェアしています。その辺のズレが後々クリエイティブにも響いてくると思うので。これだけは許せないよ、っていうことが誰しもあるじゃないですか。対人関係でも自分自身の行動でも。人とのコミュニケーションのなかでそう思ったときは、相手にもなるべく伝えるようにしています。自分の心のキャパシティを過大評価しすぎないことも大事ですよね。
あとは人と食べるご飯を楽しみたい。もうこれに尽きます。一人でいると豆腐と野菜ばっかり食べているので(笑)
自分を愛することはある日突然できるようになるわけじゃない。日々、自分と世界とどう付き合っていくかという終わりのない訓練なんだなと最近は思います。

haru.

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1995年2月生まれ。プロデュース事業・アーティストやクリエイターのサポート事業を行う株式会社HUGの取締役であり、インディペンデントマガジンHIGH(er)magazine編集長。HIGH(er)magazineでは「私たち若者の日常の延長線上にある個人レベルの問題」に焦点を当て、「同世代の人と一緒に考える場を作ること」をコンセプトにファッション、アート、写真、映画、音楽などの様々な角度から切り込む。最近ではHUG inc.プロデュースで、「ご自愛」をテーマに日々の生活にそっと寄り添ってくれるようなシアバター「HUG “EASY CARE BUTTER” (ハグイージーケアバター)」をはじめとするアイテムをリリース。NEUTでのページはこちらから

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松㟢翔平

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ーメンタルヘルスが優れないと思うとき/思ったときはある?それはどんなとき?

朝起きて、ああ、今日はなんだか少し変だなと思う日がたまにあるが、そういう日は体調も優れないことが多い。果たしてどっちが先に立つのかは分からないのだけれど。

ーメンタルヘルスが優れないなと思ったときはどうしている/どうしていた?

体調を整える方が簡単なので、仕事が休みならばとことん寝たり、ご飯をちゃんと食べる。
普段と変わらず過ごしてみることも意外と良かったりする。朝起きたら駒沢公園でランニングをして、帰ってきたらシャワーを浴びて、サラダを作って食べ、着替えて仕事に行く。

ーSNSは国や文化を超えて人と繋がれたり、マスメディアでは取り上げられない声が広がったりといい面もありながら、逆に孤独を感じてしまうなどマイナスな面もあると思います。SNSをヘルシーに使うために何か意識していることはある?

自分は1日の間でもそんなに長時間SNSを見ないから、特にSNSのマイナス面を強く感じたことがない。

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ー普段からメンタルヘルスのためにしている習慣はある?

俺は身体を動かすのが好きなので走ったりバスケをしたりすることが精神衛生を保っている気がしている。そして胃にもたれないものを食べる。

ー自分自身とのヘルシーな関係(セルフラブ)を築くうえで大切なことってなんだと思う?

俺はずっと螺旋階段を登っているんだという気持ちでいる。淡々と送る1日1日は、それでも何か野望へと近づいていると思っています。それはいつか面白い映画を作るということだったり、犬と一緒に暮らすということだったりするのですが。

松㟢翔平

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松㟢翔平 Shohei Matsuzaki まつざき・しょうへい
埼玉県生。俳優、モデル、コラムニスト。東京と台北で生活している。編集人・長畑宏明と一緒にポッドキャスト『HAPPYDAYS 松㟢翔平の楽しい日々』を配信中。
mail : matuzakishouhei@gmail.com

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みたらし加奈

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ーメンタルヘルスが優れないと思うとき/思ったときはある?それはどんなとき?

なんとなく「自分らしさ」が失われているように感じるとき、またゆっくり休息が取れなかったときにメンタルヘルスの不調を感じます。また気圧が不安定なときには頭痛や身体の怠さを感じるので、それに伴って気分が落ち込むこともあります。
表に立って活動することが多いので、つい「強くてパワフルな自分の一面」に意識がむきがちですが、そればかりに囚われてしまうと心が苦しくなってしまうため、自分のなかにある「弱くてくよくよしてしまう一面」にも意識的にアンテナを張るようにしています。

ーメンタルヘルスが優れないなと思ったときはどうしている/どうしていた?

心が凝り固まってしまっているときって、どうしても「素直になれない自分」がいるので、出来る限り「素直で頑張っていない自分」を引き出せるような行動をとっています。
例えば「休む!」と決めて、ひたすら自分を甘やかします。また、涙を流すと心が浄化された気持ちになるので、泣ける映画やドラマを見るときもあります。涙を流すときは、ああえて大きな声で泣くことで、心が安定することも。あとはパートナーにひたすら話を聞いてもらうことも多いです。

ーSNSは国や文化を超えて人と繋がれたり、マスメディアでは取り上げられない声が広がったりといい面もありながら、逆に孤独を感じてしまうなどマイナスな面もあると思います。SNSをヘルシーに使うために何か意識していることはある?

あくまで「私がSNSを”利用”している」という立場を崩さずに、「SNSに振り回されないこと」を意識しています。常に持ち歩いているスマートフォンの中には、私たちの生活に役立つことや、世界中の情報が常に流れています。ただ、それを見続けたからと言って自分の人生が必ずしも豊かになる…とは考えてはいません。情報はあくまで情報であって、人生とは自分が実際に触れたり、見たり、実感してきた体験によって作り上げられている部分もあります。SNSはSNSで上手く活用し、利用しながらも、疲れたときにはアプリを消して、スマートフォンを見ずに「今の私自身」にフォーカスを当てるようにしています。

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ー普段からメンタルヘルスのためにしている習慣はある?

「教育分析」といってカウンセラー自身のカウンセリングをしてもらえる機会があるのですが、そこに3年間、週に1度のペースで通っています。語学留学に行っているときは一旦中断になったのですが、それでも一時帰国をした際には必ず通っていました。自分自身がクライアント(カウンセリングを受ける側)になることによって、「受ける側はこんな気持ちなんだな」と学ぶことも多いです。なので、私のカウンセラーのことを、敬愛を込めて「師匠」と呼んでいます(笑)。
カウンセリングを受けることによって、自分自身の知らなかった一面に気付くことができたり、「こういったときに私は傷つくんだな」という部分を知ることができるので、これからも通い続けていきたいと思っています。
あとは上記にも書いたように、必ず定期的に「とことん休む!」という日を決めています。休息は身体や心にとっても、本当に大切な時間の一つ。その日だけは一切仕事関連のことはしないようにして、ニュースや情報にもあまり触れないようにしています。

ー自分自身とのヘルシーな関係(セルフラブ)を築くうえで大切なことってなんだと思う?

等身大の自分自身を知ることだと考えています。「等身大の自分自身」とは、”出来ている自分”も”出来ていない自分”も把握して手綱を握っておくことです。
人にはコンディションというものがあって、「良いとき」も「悪いとき」もあります。その2つがあって、私自身、そしてあなた自身も構成されてるんです。「出来ない自分」を疎外させずに、その事実を”受け入れがたい”自分自身についても分かっておくことが必要だと考えています。
例えば誰かと自分を比べてしまうときも、「なんで比べてしまうんだろう、自分のどういった側面が”それ”をさせてしまうんだろう」と、自分自身を責めずに受容していくことがセルフケアの第一歩。
セルフラブとは「自分の全てが大好き!」な状態ではないと思うので、ポジティブな感情もネガティブな感情も「私らしさ」として知っておくことが大切だと考えています。

みたらし加奈

TwitterInstagramYouTube

1993年、東京都生まれ。臨床心理士。SNSを通して、精神疾患の認知を広める活動を行なっている。大学院卒業後は、総合病院の精神科にて勤務。現在は、フリーランスの活動をメインに行っている。女性のパートナーと共に「わがしChannel」というYoutubeチャンネルを運営。6月30日には初のエッセイ『マインドトーク-あなたと私の心の話』を出版。性暴力や性的同意についての情報発信をするメディア『mimosas(ミモザ)』の理事。
NEUTでのインタビューはこちらから

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TaiTan

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ーメンタルヘルスが優れないと思うとき/思ったときはある?それはどんなとき?

時間の決裁権が自分にない状態が続くとき。生き物としての背骨を強引に拘束されているような苦痛が・・。めちゃくちゃわがままなんだと思います。

ーメンタルヘルスが優れないなと思ったときはどうしている/どうしていた?

できるけどやりたくないことを、やらない。
例えば、LINEのレスとか、残高照会とか、ティッシュの補充とか。
全部、未来の自分に押し付ける。

ーSNSは国や文化を超えて人と繋がれたり、マスメディアでは取り上げられない声が広がったりといい面もありながら、逆に孤独を感じてしまうなどマイナスな面もあると思います。SNSをヘルシーに使うために何か意識していることはある?

僕は、TwitterとInstagramしかやってないので、その体験に限定されますが・・。
Twitterに関しては、正論、批判、自虐、大喜利、ポエム、はたまた日常系のどうでもいいつぶやき等々、いろいろな言葉の表出があると思いますが、基本的にはいずれも、“書きたい”んじゃなくて、プラットフォームの磁場に“書かされている”のだと意識するといいのかなとは思います。発言する際も、他人のそれを読む際にも、所詮そんなものだと思える感覚が大事かなと。だから、僕は自分の過去の投稿とかめちゃくちゃ消すし、ちょっとでも不愉快に思ったアカウントはなんの他意なくミュートします。とにもかくにも、アカウントと実際の人格を混ぜずに不真面目に向き合うことは心がけてます。

Instagramは、そもそもあんまり不愉快を感じることないので(逆にいうと面白さもまだほんとはわかってない)、なんも考えてないです!

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ー普段からメンタルヘルスのためにしている習慣はある?

MONO NO AWAREの玉置くんとPodcastをはじめました。
コロナ渦中、正論や嘆き以外を語る雑談場がほしくて勢いではじめたのですが、これがなかなか楽しく、今では毎週の欠かせない時間に。ラジオとも喫茶店のだべりとも、ましてや打ち合わせともまったく違う、無制限な時間が発信者(つまり僕ら)に与えられているPodcastでは、きちんとした議題も結末も用意する必要がないので、互いの無秩序な思考の流れに身を委ねられます。その会話のなかで、自分の無意識の発言に自分で驚く瞬間、ぼくはメンタルの回復を得ている気がします。

ー自分自身とのヘルシーな関係(セルフラブ)を築くうえで大切なことってなんだと思う?

自分の声を聞く。“心の声を聞く”的な観念的な心がけではなく、物理的に自分の生き物としての声を聞くこと。ちょうど坂口恭平氏も新著内で、「自分の声が最大の薬である」というふうなことを説いているのですが、声にはメンタルの治癒効果があると思います。
その意味でも、自分の声を聞くには聞き手がいるととても楽なので、友人とPodcastはじめるのとてもおすすめ。

TaiTan

奇奇怪怪明解事典WIRED/TIRED with Dos Monos

1993年生まれ。ラッパー。Dos Monosのメンバーとして2018年にアメリカのレーベル・Deathbomb Arcと契約し、19年にファーストアルバム『Dos City』、2020年にセカンドアルバム『Dos Siki』を発表。コピーライター/プランナーとしても活動し、Dos Monos「Abletonトラック制作画面公開広告」やBudweiserの「RE:CONNECT」等を手掛ける。最近は音声コンテンツ制作にも注力し、MONO NO AWARE 玉置周啓氏とのPodcast『奇奇怪怪明解事典』やWIREDの音声連載『WIRED/TIRED with Dos Monos』を担当。
NEUTでのページがこちらから

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山本奈衣瑠

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ーメンタルヘルスが優れないと思うとき/思ったときはある?それはどんなとき?

私はどちらかというと心の精神状態が良いことの方が多い人間だと思います。だからこそ年齢を重ねていくなかで(二年前頃)突然現れた生理前のPMSや仕事が忙しすぎるときに良くない状態になったことなど、それに対する免疫や対処法が自分の経験にはないことだったので初めは戸惑いました。

ーメンタルヘルスが優れないなと思ったときはどうしている/どうしていた?

出来る限り自分を甘やかす。
私の場合は生理や仕事の忙しさから来る場合が多いので、自分のせいなんだ。と思うことはやめる。自分の心の状況の原因や理由を自分で理解してあげるのは自分にしか出来ないし自分のためだと思いました。
そして趣味の時間を存分に楽しんで好きなものたちだけに浸りまくります。

ーSNSは国や文化を超えて人と繋がれたり、マスメディアでは取り上げられない声が広がったりといい面もありながら、逆に孤独を感じてしまうなどマイナスな面もあると思います。SNSをヘルシーに使うために何か意識していることはある?

自分の好きなもの(趣味や大切な時間)は自分を助けてくれるように
日常のなかでそれを見つけてあげれれば自然とSNSに費やす時間も少なくなります。
自分のことを知るということは
自分を肯定してあげれることに繋がります。SNSでの孤独に限らず自分のことを知ることはどんなピンチも自分で自分を救える第一歩だと思います。

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ー普段からメンタルヘルスのためにしている習慣はある?

良いとき、良くないとき、
楽しかったとき、むかついたとき、
悲しかったとき、ワクワクしたとき
全ての自分の心境をなるべく忘れないこと。
メモ好きなので日々残して置いていろんな自分が自分のなかにいることを許す。

ー自分自身とのヘルシーな関係(セルフラブ)を築くうえで大切なことってなんだと思う?

自分の外見ではなくて
自分の中身を自分で知ること。
誰かとじゃなくて自分と話すこと。

趣味の時間
自分の好きなものは
自分を助けてくれるものでもある。
ラジオ、椅子、西洋絵画など
私の好きなものたちは
いつも私をワクワクさせてくれるし楽しませてくれます。

山本奈衣瑠

TwitterInstagram

2014年〜モデル活動
2019年〜所属事務所を辞めフリーランスで活動
雑誌や広告CMなど幅広い分野で活動中
NEUTでのインタビュー記事がこちらから

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#IAMWHOLE

Website

#IAMWHOLEとは、2016年の世界メンタルヘルスデーにイギリスの歌手・俳優のJordan Stephens(ジョーダン・ステファンズ)が設立した、若者を中心にメンタルヘルスに関する啓蒙を行う団体。「I am whole.」は、 「ありのままの自分で十分素晴らしい」という意味を持つ。自分自身を受け入れることの大切さを理解するのと同時に、自分が周囲の人も受け入れると言う考え方に対する賛同の証として、手の平に丸を描きSNSに投稿するキャンペーンを開始するやいなやバイラルし、エド・シーランやリアム・ギャラガー、ジェイムス・コーデンなどの著名人も参加し、1.2億人以上の人にリーチした。その後、毎年このキャンペーンは実施され、英国議会でも取り上げられるなど、イギリスをはじめとする各国で注目されている。

ナチュラルコスメブランドラッシュが本キャンペーン限定のチャリティ商品としてバスボム「リアルライフ」を発売。売りあげの全額(消費税を除く)を世界中のメンタルヘルスケアに関わる草の根団体に寄付する。なお、チャリティ商品「リアルライフ」は、日本やイギリスなど計19カ国で発売されます。

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デジタル・デトックス・キャンペーン

Website

ナチュラルコスメブランドのラッシュが、8月29日(土)から世界メンタルヘルスデーにあたる10月10日(土)までの期間、#IAMWHOLE(アイアムホール)とイギリスのインフルエンサーZoe Sugg(ゾーイ・サグ)と共同でデジタル・デトックス・キャンペーンを実施しています。本キャンンペーンは、 使い方次第ではSNSやインターネットの依存や誤用が心身に悪影響を及ぼす可能性があることを伝え、SNSなどに影響されることなく、自分自身を受け入れ労わることの大切さを世界中に伝えることを目的としており、世界40ヵ国以上で実施されている。

9月5日(土)をデジタル・デトックス・デーと定め、丸一日スマホなどのデバイスから離れ、SNSなどに支配されない、リアルライフや人とのリアルな繋がりの大切さを人々に呼びかけた。

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