こんにちは！池尻大橋からALL YOURSというお店でDEEPER’S WEARというブランドを取り扱っている、木村昌史(きむらまさし)がお送りします。なんだかんだ、Be inspired!で連載させていただいて、ついに10回目に到達しました。

いつも僕の独り言みたいな文章を読んでくれてありがとうございます。ALL YOURSも3年目に入りましたが、元気にやっています。

今回は2周年の節目に行ったイベントや、今やってる「24ヶ月連続クラウドファンディングチャレンジ」をやっている中で見えてきた次のビジョンについて、お話ししようと思っています。ぜひ今回もよろしくお願いします！

アパレルウェアのクラウドファンディングで歴代最高額を叩き出した「無名ブランド」

前回のクラウドファンディングプロジェクト。7月4日から始めたのですが、おかげさまでアパレルウェアのクラウドファンディングで歴代最高額のご支援を集めることができました。

僕らのように無名な、大手資本ゼロのブランドがここまでご支持をいただけるとは。（創業当時は、金融機関に、「今更アパレルやるんですか？」とか「なんで独立したんですか？」とか言われてましたからねｗ）

もう自分たちのプロジェクトでは無いような。僕らの力では絶対に成し得なかったです。あなたが盛り上げてくださって、力を貸してくれた。ヒトとインターネットの力を感じた。魔法の様な2ヶ月間。本当にありがとうございます。

終了後に、「何が成功の秘訣ですか？」とか「どんな仕掛けをしたんですか？」とか「儲かって仕方ないじゃないですか！」とか色々声をかけていただいたのですが…正直、やっと軌道に乗ってきたって感じで…儲かるのはもう少し先かな？

成功の秘訣は「どこにでも試着をご希望の方がいれば伺います」というリターン？

はっきり言って、秘訣も仕掛けもありません。ただ、プロダクトを信じて、僕らのお客さんを信じてプロジェクトを行っただけなのですが、一つだけやったことが。

それは「どこにでも試着をご希望の方がいれば伺います！」というリターンが象徴するように、試着会を全国でやらせていただいたことです。

そう、僕らのブランドは、ブランド力で全面的に販売していくのではなく、使うヒトが全て。使ってくれる人のために、全力で向き合うぞ！って事で、まずは試着したい人のところへ行ってしまおう！って企画だったのですが、おかげさまでこのリターンは完売になりました。

この事実が今回のクラウドファンディングで嬉しかったことの一つ。実際色々な場所で試着会を開催したいにも限界があります。だから、リクエストしたところにピンポイントで行きます！って企画でした。

この試着会はすごく面白くって、みんなわざわざ呼んでくださったのに、「うわ！まじで来た！」みたいなリアクションしてくれました。（笑）そして、地元のことを一生懸命教えてくれて、本当に勉強になったし、このフィジカルな体験こそが僕らをドライブさせて、プロジェクトをヒートアップできた結構大きな要因だったと思っています。

そこで出会う人はそりゃ性格も生い立ちもみんな違うんだけど、皆同じ共通点が。自分の個性を活かして、その土地の魅力を引き出している人たち。そして、土地で楽しい遊び方を知っている人たち。

その人たちの周りには、また色々楽しい人たちがいたりして。そこに小さいカルチャーと経済圏が確かに存在している。インターネットがそれを外側の人たちに伝えるメディアとなって、その地域圏の外側の人たちまで巻き込んでいく。

街の大きさじゃなくて、やりたい事の熱量を回転させて転がす事で、雪だるまみたいに大きくなっていく。自分たちのちからで。だんだんと、でも確かに。そんな人たちに支持されているこが本当にうれしいです。

グレイトフルデッドに学ぶ、「熱狂的なファン」の作り方。

そんな活動をひたすら行っているんだけど、結構前に読んだ本の内容が今更、妙に気になってきていました。それはこの本。

随分昔、サラリーマンだった頃の2011年になんとなく読んだ本なんだけど、今やってることにピターーーっ！と合ってしまったんです。

グレイトフルデッドって知ってますか？彼らはアメリカで60年代に結成されたバンドで、個人的に結構好きな音楽なんです。日本だとほとんど知られてないけどデッドベアってキャラクターで有名かも。ぜひこの本を興味がある人は読んで欲しい。でも、時間がないって方はこれ読むといいかも。

彼らは既存のマーケットに頼らない。ヒットチャートを賑わせた、誰もが知ってる名盤ってのもない。オーディエンスを第一に考えたライブ、物販、自分たちのサービスでコミュニティを形成し、熱狂的なファンを作っていった。

あんまり書くとネタバレしちゃうからアレなんだけど、とにかく彼らは「普通のバンド」がネガティブな結果を心配してやらなかったことを敢えてやることで、ファンと関係性を作っていった。

それって、実は僕らがやってることなんじゃないか？って最近思い出して、もう一度読み返したんだけど、やっぱりそうだった！

走ったり、飲んだり。共犯者、増加中。

僕らが今クラウドファンディングでやっていることは、「僕らの考え方や、やっていることに共感してくれた方たちに『支援』という形で商品と交換していただく」ということ。

まず買ってもらうことを考えるんじゃなくて、共感してくれた人と『共犯関係』を作ることで、僕らの活動を面白がってくれる人を増やす活動をメインにやっています。

前にご紹介した「TEIHENランニングサークル」もその一つだし、「居酒屋おーるゆあーず」って（お店に集まるただの飲み会イベント）なんかもそう。

フリー（無料）で集まれるイベントでコミュニティを作る。みんなが楽しければ、そこに経済圏が生まれてくるはずだから。共感が全てって考え方。振り返れば、織田信長の楽市楽座もたぶんこんな考え方だよね。

でも意外と、自分たちが楽しいからやっているってのが本音で、自分たちが本気で楽しんで、それに一緒に楽しんでもらえる仲間の輪を作るって感覚でやってます。その輪をより大きくするために、あなたのお近くに会いに行きますよ！

次のプロジェクトは、着れる毛布「MOFU PARKA」。

そんなこんなで僕らの24ヶ月連続クラウドファンディングチャレンジは、現在ももちろん進行中なのですが…新しい商品、いつでも暖かく過ごせる着れる軽い毛布「MOFU PARKA」も引き続き、共犯者が増えてきています。本当にありがとうございます。

今回は開始前の先行試着会なんかもやらせていただいたり、毎週のように試着会イベントをお誘いいただいたりと、新しいチャレンジをすることによって、周辺に繋がりが出てきて、僕が予想もしない出会いが、最近爆発的に増えてきました。ご好評いただいているので、新色も追加！

新しい出会いは、新たな可能性。僕らはヒトのチカラを信じてる。その力を面白いことに変えていく。それが僕らの仕事だと思っているし、変えていく行動力を持つヒトを助けるのがDEEPER’S WEARだと思っています。

近い未来は僕らの手の中だ。そして、世界の真ん中は、あなたの住んでいるところにある。新しいカルチャーは案外近所で生まれています。