シンガーソングライターとして活動しながら、自身が率いるクリエイティブチーム・londogとともに楽曲や映像制作などを手がけるa子。2020年の本格的な活動開始以降、情緒的な楽曲とポップでドリーミーなビジュアル、凛とした表情とのコントラストによって、独自の世界観を築いてきた。
2026年5月にリリースした2ndアルバム『lovely moments』では、自分自身を見つめ直す余裕から生まれた“小さな幸せ”や“愛おしい瞬間”を作品に落とし込んだという。また、「大衆が受け取りやすい表現」としてのポップスへの挑戦を通して、自分らしい音楽のあり方を模索している。
今回NEUTは、全国ツアー「JUNO」を終えたa子に、中学生の頃から持ち続けているという「明日死ぬかもしれない」という感覚や、『lovely moments』の制作、londogとの関係、そしてこれから目指す音楽について話を聞いた。

「明日死ぬかもしれない」からこそ、本当に好きなものを選び続けるa子の生き方
NEUT:これまでのインタビューを拝見していると、a子さんは物事を俯瞰して捉えている印象があります。特に、「明日死ぬかもしれない」という感覚を持ち、本当に好きなことを選び続けているというお話が印象的でした。この考え方について、改めて教えてください。
a子:「明日死ぬかもしれない」という感覚は中学生の頃に持ち始めたのですが、自分の人生に何の面白味も希望も持てず、この絶望からどう逃げようかと考えながら、シャワーを浴びていたらふと思いついたものです。
今もその考えは変わらず持ち続けています。おかげで貯金も全然ないのですが笑

NEUT:Instagramなども拝見しましたが、10年近く赤髪を続けられている印象があります。a子さんにとって「赤」という色にはどのような意味があるのでしょうか。長く続けている理由があれば教えてください。
a子:最初、赤髪にしようと思ったきっかけはデヴィッド・ボウイの赤髪を見たからです。単純に彼が好きなので、憧れで同じ色に染めました。今もまだ赤髪を続けているのは意地ですね笑。
せっかくならこのまま続けて、a子と言えば赤髪という印象を持っていただきたいなと。でも、いつか違う色にしたいなぁっとも思っています。

自分自身の成長に気づかせてくれる存在。a子率いるクリエイティブチーム・londog
NEUT:a子さんはシンガーソングライターとして活動する一方で、クリエイティブチーム・londogも率いています。a子さんにとってlondogとはどのような存在なのでしょうか。
a子:自分が音楽を作っていく過程だったり、人間として生きていく上で成長するために大切な存在です。成長って、それにいかに気づけるかだと思うのですが、そんな気づきをさせてくれるのがlondogの仲間達です。

NEUT:londogについて「個が集まったチームだから、違うと思ったことはいつでも言ってほしい」と話されている記事を拝見しました。チームづくりにおいて大切にしていることを教えてください。
a子:人として道徳的に間違えたことをしたら、ちゃんとお互いが注意し合う。仕事においても、技術やセンスを伸ばしていくためにどうしたら良いかは、気を遣って言わないよりかは言い合う仲でいること。この二つは大切にしています。
NEUT:そのような自由な関係性だからこそ生まれるものや、逆にチームで活動するからこその難しさはありますか?
a子:今まで作ってきた作品は全て、この自由な関係だからこそ生まれたものだと思います。メンバーそれぞれが思考を重ねながら、a子がやりたいことをどう正解に導くかを考え、表現してきました。
大変なことは沢山ありましたが、チームで活動するにあたって1番難しいのは「向上心」を全員同じレベルに持っていくことかなと。10人いたら、全員が同じやる気をもってるわけではなかったので、最初の頃は苦労しました。
一人ひとりと話し合うこともしましたし、最初の頃はみんなプロではなかったので、どうやってプロとして活躍していくのかを話し合うことも多かったです。

カッコ良い女性への憧れと可愛いものへの愛。a子のギャップが詰まった2ndアルバム 『lovely moments』
NEUT:今年の5月にリリースされた2ndアルバム『lovely moments』のタイトルからは、柔らかくて幸福なイメージを受けました。一方で、作品を聴くと、どこか毒っけや切なさ、不安定さも感じました。今回、『lovely moments』というタイトルを付けた理由を教えてください。
a子:前回の1stアルバムがGENE=遺伝子というタイトルでした。これまで影響をうけた音楽やルーツとなった音楽を遺伝子的に受け取ってできたのがGENEの楽曲達です。
それから1年経ち2ndを出すにあたって何を表現したいか考えて、自分の「好き」を改めて考えました。「lovely moments=愛おしい瞬間」を表現しようと思ったのは、精神的にも自分のことを見つめ直す余裕ができたからかもしれません。
やはり根っからのネガティブな性格なので反骨精神は滲み出るのですが、今ある小さな幸せ、愛おしいと思う事を少しずつ作品に入れることができたのかなと思います。

NEUT:今回のアルバムでは、1999年〜2004年頃の音楽やカルチャーを参考にしたそうですが、あえてゼロ年代を選んだ理由を教えてください。
a子:いわゆるY2Kと言われるジャンルかなと思うのですが、特に私の好きなアーティストたちへのリスペクトを今表現したかったのが、ちょうどこの年代感でした!懐かしさもあり、未来感もあるとても愛しい時代だと思っています。
NEUT:『lovely moments』のアートワークやティザームービーはドリーミーな雰囲気ですが、a子さんご自身の表情はとても真剣で、そのコントラストが印象的でした。他の作品でも、写真やアートワークからは凛とした強さや緊張感を感じる一方で、楽曲からは儚さや繊細さ、ライブでは柔らかくチャーミングな印象も受けます。ご自身では、そうした異なる印象をどのように捉えていますか。
a子:カッコ良い女性に憧れているから、表情に関してはいつもキリッとしちゃうのかなと思います。強い女性になりたいなと日々思っているので…!
アートワークがドリーミーなのは私の趣味ですね。かわいいものが好きなので笑。このコントラストは自分でも面白いと思っていて、気に入っています。
ライブの自分は素が出てしまっている部分が多いですね笑。カッコ良い女性に憧れてはいるけど、実際本当の自分はへらへらしているので…
でも、ライブに来てくださる人には、素の自分も見てもらえたら嬉しいなと思っているので、それも良いかな〜と思っています。

NEUT:過去のインタビューでは、ダークでミステリアスなイメージを持たれることも多いとお話しされていました。一方で、「音楽を理解してもらうこと」も大切にされていると感じます。そうしたイメージと、「作品を伝えること」のバランスについては、どのように考えていますか。
a子:ミステリアスって、よくわからない者に対して使う表現でもあるから、ポップスをやりたい自分からすると良くないイメージだなと。
だからこそライブでは素も見せたいと話したのですが、やはり自分の作る作品をより多くの方に好きになってもらいたいので、これからの課題は世界観や音楽をより受け取りやすいモノにしていくことだと思います。

大衆が受け取りやすい表現で、誰も聴いたことがないものを。a子が追求する自分らしいポップス
NEUT:これまで「ポップス」を意識していると多く語っていますが、a子さんにとって「ポップス」とはどのようなものでしょうか。
a子:「大衆が受け取りやすい表現」ですかね…。ポップスを作るのは本当に難しいなと思います。
今の時代、音楽だけで評価されることが難しくなってきていると思うので、世界観やアーティスト本人から感じる物語性も含めて、いろんな人に伝わるように、俯瞰して考えるのはやはり難しいです。まだまだチャレンジしていく気持ちで、日々精進したいと思っています。
NEUT:『lovely moments』では、そのポップさとご自身らしさのバランスにどのように向き合いましたか。
a子:ジャンルやルーツがわかりやすい楽曲をいくつか入れました。『恋は生まれた』や『Earl Gray』は比較的伝わりやすい曲になったのかなと。でも、『Turn It Up』は自分の音楽人生の目標である「誰も聴いたことのないポップな楽曲」にチャレンジしました。
ポップスと自分らしさのバランスは、これからも色んな比率でやっていきたいと思っています!
NEUT:アルバムを制作を終えて、「こういう音楽がやりたい」「まだここには辿り着けていない」と感じる部分はありましたか。
a子:まさに!あります。2ndアルバムを作ったことにより次のやりたいことが見つかりました。
今までa子のアーティスト写真を見ただけで、この人はこんな音楽やってそうってのが一目でわかりにくい、なんならアーティスト写真と楽曲のギャップもあったと思うのですが、それを無くしたいなと。
あとは自分のワクワクする楽曲ジャンルにチャレンジするつもりです。

全国ツアー「JUNO」を通して見つけた、ライブ表現の新たな課題と可能性
NEUT:全国ツアー「JUNO」を完走された今、改めて「JUNO」というタイトルに込めた思いをお聞かせください。
a子:3つ前のツアーくらいからシンセサイザーの名前をツアータイトルにしていて、今回はRolandの「JUNO」をタイトルにしました笑。

NEUT:全国各地を回るなかで、印象に残っている出来事はありますか?
a子:今回初めて2日連続でワンマン(福岡、大阪が連日でした)だったのですが、思ったよりいけました笑。屍になるかと思っていたんですけど、大阪も元気にライブできてよかったなって思います。
あとは福岡の夜にみんなで銭湯行って、深夜に博多ラーメン食べたのが楽しかったです。
NEUT:今回のツアーを通して、ご自身のライブや表現において新たに気づいたことや、得られたものがあれば教えてください。
a子:今回のツアーで、歌唱に関しては体幹作り、ピッチや語尾のコントロールを安定させるためにはロングトーンの練習や舌のコントロールの練習など、必要なことが新たにわかったので、次回のツアーでまた成長できたらなと思います。
パフォーマンスに関してももっと色々な動きや表現をしたいと思えました。また次のツアーをお楽しみに⭐

音楽で救われたから、音楽で寄り添う。歌で届ける「ひとりじゃない」という安心
NEUT:以前、a子さんが「音楽で救われたから、音楽で救いたい」と話している記事を拝見しました。今のa子さんにとって、「音楽で救う」とはどういうことなんでしょうか。『lovely moments』のリリースや全国ツアーを通して、その思いが少しでも届いていると感じた瞬間があれば教えてください。
a子:人にはそれぞれ、色んな問題を抱えていたり、感じていたりすると思っていて。それを私の曲を聴いて、歌詞を読んで、少しでも「同じ人がここにもいる!」って感じてもらえて、不安が和らいでくれたら良いなと常に思っています。
だから、歌詞の受け取り方は人それぞれ自由で良いとも思っています。私は「この歌詞はこういう意味です」って伝えたりはしないので、受け取り側に委ねます。
ツアーでいただくファンレターでは、沢山の方がそれぞれの受け取り方をしてくれていて、嬉しいです。
NEUT:最後に、ファンのみなさんへメッセージをお願いします。
a子:ファンクラブ限定ツアーも遊びに来てくださいまし!


a子
Official Website/Instagram/YouTube
シンガーソングライター。2020 年に本格的にアーティスト活動を開始。情緒的な楽曲の数々は a子自身がプロデュースしながら制作。 ミュージックビデオ等も a子率いるクリエイティブチーム・londog が中心となって制作するなど活動内容は多岐に渡る。2020年9月に1st EP『潜在的MISTY』、2021年1月に2nd EP『ANTI BLUE』2023年12月には3rd EP『Steal your heart』を自主レーベルlondogよりリリース。2024年2月「惑星」にてポニーキャニオン / IRORI Recordsからメジャーデビュー。同年7月10日1st Album『GENE』リリース。 2026年6月から8月、自身初の全国ツアー「a子 LIVE TOUR 2026 “JUNO”」を開催した。

a子 FANCLUB「おワン子クラブ」
SNSでは載せない写真や動画、過去曲のDEMOやボツ曲などを随時更新予定。
月額:660円(税込)/年額:7,920円(税込)
※年額会員限定 早期入会特典
a子オリジナルバインダー&ビジュアルカードセット(A5サイズ)をプレゼント!
対象期間:8月22日(土)~9月30日(水)23:59

a子 FANCLUB TOUR「LONDOG vol.1」
1月23日(土)東京・SPACE ODD
2月7日(日)京都・磔磔
2月8日(月)名古屋・TOKUZO