男尊女卑をなくすために。10代のレイプ・サバイバーが世界中の中高生に伝えたいこと #QuitThisShit|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #020

Text: NEUT編集部

Photography: safeBAE

2017.4.7

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2014年、アメリカのテキサス州で、ある悲惨な事件が起こりました。当時16歳だったジェイダ・スミスはハウスパーティーで飲みものに意識を失う薬を入れられ、レイプされたのです。更に加害者は気を失い横たわる彼女の姿を写真にとり、ツイッターやインスタグラムで誇らしげに投稿しました。

悪夢はそれだけでは終わりませんでした。その写真を見たインターネット上の一部の人々が彼女が気を失い横たわっているポーズを真似て、まるでジョークかのように#jadapose(ジェイダのポーズ)とハッシュタグをつけて写真を投稿したのです。そんな写真やハッシュタグが拡散し、彼女は同情されるどころかインターネット上で「尻軽女」や「お前が悪い」などの誹謗中傷を受け続けました。(参照元:The Gurdian

本日は、そんな悪夢のような体験をしたジェイダが、彼女のような被害者を二度と出さないようにと始めた勇気あるハッシュタグ・アクティビズムをご紹介したいと思います。

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ジェイダは、2016年それぞれ同じティーンで、レイプサバイバー*1であるデイジー・コールマンとエラ・フェイロンと共にSafeBAE(Safe Before Everyone Else)という団体を立ちあげました。SafeBAEは米国初の12〜18歳を対象に中学や高校でデートレイプについてや身の守り方などを講義する団体であり、ジェイダ、デイジー、そしてエラはアメリカ中を周り自分たちの体験を共有しながら、子どもたちに教育を行っています。(参照元:PR Newswire

(*1)「レイプの被害者」という表現に対して、当事者が「私たちはレイプ被害者ではありません。レイプサバイバーです」と発言しているので、以下レイプサバイバーと統一します。

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エラ、デイジー、ジェイダ

そんな彼女たちが2017年4月に発足したのが、ハッシュタグアクティビズム「#QuitThisShit(クソみたいなことをやるのはやめろ)」。レイプをされた後に3人全員が体験した、学校内やオンライン上のいじめについて問題提起しています。

※動画が見られない方はこちら

彼女たちが、無理やりお酒を飲まされたり、ドラッグを飲まされたり、あるいは暴力を受けてレイプされた翌日に受信したメッセージが以下。恐ろしくも、レイプの加害者ではなくサバイバーが攻撃されているのです。

目立ちたがり屋の売春婦
お前の人生を地獄にしてやる
罪のない男がお前のせいで刑務所いきだ
お前にはなんの価値もない
このままですむと思うなよ
誰がお酒飲めっていったんだよ?レイプされたかったんだろ
人生なんてそんなもんだろ
責任感が足りないんじゃないの
お前なんて死ねばいいんだよ
誰もお前のことなんか信じないよ
俺とセックスする前からお前は尻軽だっただろ
目を覚まさなきゃよかったのに

衝撃的ですが、社会に根強く広がる男尊女卑が大きな原因のひとつなのでしょう。「女の子は純粋でなければならない」という思い込みや「ミニスカートを履いていたら、誘ってる」など根拠のない責任転換がまかり通っている現代社会。彼女たちの取り組みに共感できたり、応援したいと思える方は#QuitThisShitとハッシュタグをつけてその思いをSNSに投稿して、一緒に闘いませんか?

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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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