インスタグラムで#WhoMadeMyClothes(私の服を作った人は誰?)のハッシュタグを検索すると、10万件以上の投稿が出てくる。この大規模なハッシュタグ・アクティビズムの背景には何があるのだろうか?
流行のデザインの商品が安価で手に入れられる「ファストファッション」がブームとなって何年経っただろうか。安さの陰で弱い立場にある人々を犠牲にして利益をあげるファッション業界の負の連鎖を断ち切り、ファッションを人にも環境にも優しく持続可能なものに変えようとする試み、ファッションレボリューションウィークが今年も世界で行われる。
Photography: Ruth Roberts
ファッションレボリューションウィークの開催に合わせて行われている、「#WhoMadeMyClothes(誰が私の服を作ったの?)」の取り組み。ファッションレボリューションが呼びかけているのは、自分の洋服を裏返してタグが見えるようにした写真を投稿して、メーカーやブランドに服作りの背景を問いかけることだ。
SNS上で#WhoMadeMyClothesのハッシュタグを検索すれば、人や環境に配慮したブランドやその商品を身につけた個人の投稿も見ることができる。
ところで、なぜファッションを「レボリューション(革命)」しなければならなくなったのだろうか?
そのきっかけとなったのは、2013年にバングラディッシュの首都ダッカ近郊で起きた悲惨な事故。ヨーロッパの大手ファストファッションメーカーらが工場として使用していたビルで働いていた1,100人以上の衣料労働者が亡くなったのだ。
そのビルは安全性が疑問視されていたものの、移転や改築されることなく崩落した。これを受け、翌年の2014年にはファッション業界の負の側面をなくそうとファッションレボリューションデイが始まり、現在ではデイからウィークへと規模を拡大している。
イリス繊維の裁断&裁縫チームー1956年から稼働している織物工場。最近では「ニューデニムプロジェクト」と名付けられた新しいエコな織物プロジェクトを始めたー誰にも買われることのなかったデニムを主な原料とし、アップサイクルされた天然の生地を生産する。アップサイクルされた生地1キロに対し2万リットルの水を節約し、高品質で持続性のある生地や製品をしている。
SNSに#WhoMadeMyClothesのハッシュタグをつけて写真を投稿する以外に、日本でもファッションレボリューションウィークに参加する方法がある。それはリバースプロジェクトらが設立した「一般社団法人エシカルタウン原宿」が主体となり、人や環境に配慮したエリアへの変革が目指される原宿で開催されるイベントに行くことだ。
4月22日(土)に、ファストファッションの抱える問題を描いたドキュメンタリー映画『トゥルー・コスト』の上映と、BEAMSクリエイティブディレクターの南馬越一義氏、ファッション・クリエイティブ・ディレクターの軍地彩弓氏、モデル・エシカルファッションプランナーの鎌田安里紗氏を迎えたトークショーなど「ファッションの真の価値」を考えさせられるコンテンツが詰まったイベント「FASHION REVOLUTION #whomademyclothes?」が開催される。
「You are what you wear.(あなた自身は、あなたが着ているものそのもの)」という言葉があるが、イベントに参加し、ファストファッションの裏側で起こっている事実を知ることで、今後のショッピングの参考にしてみてはいかがだろうか?
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。