“死んだパン”を、「美味しいビール」へと蘇らせるアップサイクル・ビジネスとは

Text: Nozomi Hasegawa

Photography: ©Toast Ale

2017.4.21

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古代エジプトで誕生したと言われ、現在では世界中の食文化を支えていると言っても過言ではないパン。しかしそんなパンだからこそ大量の食品廃棄物になってしまっているのも事実。今回はそんな捨てられてしまうパンを使ったアップサイクル・ビジネスに注目してみたい。

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フードアクティビストであるTristram Stuart(トリストラム・スチュアート)氏がイギリスでは44%ものパンが廃棄されてしまっているという現状を変えるべくはじめたアップサイクル・ビジネスが「Toast Ale(トースト エール)」。彼らは捨てられてしまうパンを使ってビールを作りそれを販売するというサステイナブルなアイデアでイギリスの、そして世界の食品廃棄の問題に立ち向かっている。

廃棄される運命にあるパンをアップサイクルしているという時点で食品ロスの削減に貢献していると言えるが、彼らはさらにビールの売り上げをすべてFeedbackという世界の食品廃棄の問題に立ち向かうためにTristram Stuart氏が設立したチャリティー団体に送られている。これは私たちがこのビールを買えば、廃棄される運命にあったパンを救うと同時に世界の食品廃棄の問題にも貢献できるということを示している。

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実は結構きている?パンからビールへのアップサイクル

Toast Aleの廃棄のパンでビールを作る試みはイギリスでは初めてだが、世界に目を向けるとベルギーのブリュッセル(参照元:REUTERS)や、アメリカの非営利団体のプロジェクト「Loaf(ローフ)」などによって行われていたりと、食品廃棄の問題解決に向けた動きは確実に高まりつつある。

今回紹介したToast Aleのようにビールを買い、飲むだけで食品ロスの削減に貢献できるような動きがさらに増えていけば、私たちもより身をもって食品廃棄の問題に向き合い解決につながっていくのではないか。

そうなればTristram Stuart氏の“食品廃棄の問題が解決されToast Aleが必要なくなってほしい”という願いが現実になる日も来るかもしれない。

Toast Ale

Website

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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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