脱原発を目指すドイツに存在する「元原発のテーマパーク」

Text: NEUT編集部

Photography: ©Wunderland Kalkar

2017.2.19

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脱原発を目指すドイツに、毎年60万人以上が訪れる原子力発電所を再利用した遊園地が存在する。1994年に建てられた「ワンダーランド・カルカー」だ。なぜ原発が人々に愛される遊園地になったのかワンダーランド・カルカーのスタッフ、タマラ氏に聞いてみた。

Be inspired!(以下Bi):なぜワンダーランド・カルカーは建てられたの?

タマラ:この遊園地を作ったのはオランダ人のビジネスマンHennie van der Most。彼は廃墟の土地を買収し、再利用するのが好きなのよ。今までに病院、じゃがいも工場、軍の基地などを違う建物に変身させた。そして彼は、ドイツのカルカー原子力発電所を買い取り、家族や友達と休日に楽しめる遊園地ワンダーランド・カルカーに生まれ変わらせた。

Bi:今までにこの原子力発電所を稼働したことはないの?

タマラ:ないわ。最後まで稼働許可が出なかったから。

Bi:どのアトラクションに原子力発電所が使われてるの?

タマラ:原子力発電所は使用されてなくて、58メートルの高さの冷却塔がメインアトラクションで使われているわ。

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Photo by Wunderland Kalkar

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Photo by Wunderland Kalkar

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Photo by Wunderland Kalkar

Bi:原子力発電所を使ったことに何か“特別な意味”は隠されているの?

タマラ:ないわ。笑 特に政治的なステートメントを掲げていないの。なぜなら、遊園地やホテルはレクリエーション施設だから。しかし、多くの人に安全で楽しい環境を提供できることに感謝している。そして、私たちは原子力発電所というとても珍しい場所で安全に遊べる事実に誇りに思うわ。だって朝から夜まで原子力発電所で遊ぶことができるなんて誰が想像できたの?笑

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Photo by Wunderland Kalkar

「原発」を「笑顔が生まれる場所」へ。

2022年末までに原子力発電を廃止することを決めたドイツ。「脱原発」を掲げる前の話だが、未使用の原子力発電所は人々を楽しませる遊園地へと変貌を遂げている。

脱原発への動きは、台湾が2025年までに「原発ゼロ」にする決断を下したように、欧州だけでなくアジアでも起こっている。しかし日本には、もんじゅ・常陽も含めると、全国に59基の原子力発電所が存在。しかもJCASTニュースによると、建築中の原子力発電所も存在する。

東日本大震災で日本が経験した悲惨な原発事故を二度と繰り返さぬよう、いち早く「脱原発」へ進むこと。そして現在建築中の未稼働の原子力発電所は、ワンダーランド・カルカーのような多くの人の笑顔が生まれる場所に生まれ変わってくれることを望む。

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Photo by Wunderland Kalkar

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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