個性を磨く。好きなことをする。オリジナルな存在になる。で、セルフブランディングをして、インディペンデントに自由に生きる。
ユーチューバーにインスタグラマー、生きるように働く起業家や数ヶ月ごとに移動し続けるノマドフリーランサーたちを毎日オンラインで目にする私たちにとって、「自分らしく生きること」への距離感は、圧倒的に縮まった。
だけど正直、自分らしく生きるためには「見えない障壁」がたくさん存在している。
そう、”本当の意味で”自分らしく生きることは思っているよりも断然難しいのだ。
少なくとも、それが「それなりに自分らしい人生」を送ってきたと思っていた、今の私の実感だ。
華の都パリで陥った、人生最大のアイデンティティークライシス
こんにちは、ユカです。私は、日本の大学在学中にアメリカへ留学、卒業後は日本のスタートアップ勤務(実はNEUTの前身となるメディアBe inspired!を立ち上げました)を経験した。その後、スウェーデンのビジネスデザインスクールに留学し、数ヶ月前まではパリにあるOgilvy & Mather(オグルヴィ・アンド・メイザー)という広告代理店でコンサルタントとして働いていた。
一見すると、というかむしろ自分自身でも、私は「自分らしく」楽しく生きていると思っていた。日本的な古風なシステムから自由になり、十分な英語力を身に着け、パリのエッフェル塔の見える場所にオフィスを構える大企業で大きなプロジェクトに携わっていた。
だけど、パリで働いている時に気付いてしまったのだ。私は全く「日常レベルでハッピーではない」ということに。
ハッと気付いたこと。それは、私が思っていた「自分らしい生き方」とは「オリジナルな誰かの表層的なコピー」であり、自分をハッピーにするために、自身で創意工夫し、軌道修正しながら創り出した「自分らしさ」ではなかった、ということ。
アイデンティティークライシスは人生で何回も、誰にでも訪れる
今まで「自分らしい」と思っていたことが「ただの思い込み」であり「誰かのまね」であることを認識した私は、自分自身がよくわからなくなりアイデンティティークライシス(自己喪失)に陥ることになった。
そして、相談に乗ってもらっているうちに、フランス人の友人やスウェーデン留学時代の友人たちもまた、同じような状況に陥っていることがわかる。
彼らはみんな、20代前半に設定した「自分らしい人生」を揺るぎない自信で歩んでいたのだけれど、20代後半に差し掛かった段階で、その「自分らしさ」が自らの日常をハッピーにしていないことに気付き、自分自身の価値や生きる意味を喪失し、クライシスに陥っていたのだ。
「自分らしさ」とは、私が思っていたよりもずっと複雑だった。
それは、その時にそうだと思っても、常に流動的に変化するものであり、その変化を敏感に察知し「自分らしさの軌道修正」を行わないと、きっと誰をも、私や友人のような大きなクライシスに貶めるものなのだ。
Let’s face it. 私たちは「自分らしく」を学んでいない
このような経験を通じて思うこと。
それは、私たちが「自分らしく」に対して恐ろしく無知であるということ。
自分自身と仕事とライフスタイルと、全てをミックスして「自分らしく」人生をデザインしお金をもらう。そういうことが“ニュークール”になっている今、「自分らしくあること」は世界共通、多くのミレニアル世代が求める人生のあり方だ。
それなのに、「自分らしさを探す方法」は今のところ、具体的に提示されていない。
「自分らしさを持ちたい人の数」と「その方法を具体的に示す情報の量」の間に、私は圧倒的なアンバランスがあるように感じる。
色々な個性的な活動をしインディペンデントに生きる人たちの情報はたくさん存在するのに、彼らがどのようにその「自分らしさ」を見つけるに至ったのか。そのHOWの部分は未だ謎が多い気がするのだ。
「自分らしく」ってなんなんだ
そんな不満から、「自分らしさ」を創り上げるために活動し始めて4ヶ月になる私は、今まで実践してきた方法やツールを、みなさんに共有していくためのシリーズを書くことにしました。それがこの「自分らしさの解体新書」です。
次回から3回に渡って、私がスウェーデン・フランス・広告代理店で学んだ、自分らしさの種を見つけ、そこに適切な言葉を当てはめ、実際の行動に変えていくための方法を紹介していきます。
今の生き方に不満だ。もっと自分らしく生きたい。
だけどどうやって自分らしさを見つけたらいいかわからない。
私も含め、そのような同じフラストレーションを持っている方達に、役立つ知識をお届けしていく予定です!
ユカ
東京とパリで活動するFreelance Humanity-centered Strategist。 人間らしさが個人・社会・環境レベルで宿る生き方を探り、発信し、プロジェクトとして色々形にしています。