「自分らしさの勘違い」は「言語化」を怠たることで起きる。“言葉集め”を通して知る、本当の自分らしさ|自分らしさの解体新書 Vol.4

Text & Photography: ユカ

2019.9.6

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こんにちはユカです。3週間前にスタートしたこの「自分らしさの解体新書」は、「今の生き方に不満だ。もっと自分らしく生きたい。だけどどうやって自分らしさを見つけたらいいかわからない」、私も含め、そのような同じフラストレーションを持っている方達に、役立つ知識をお届けしていくためのシリーズです。最終回となる今回は「言葉探しから自分らしさの種を抽出する」という方法についてお話しさせて頂きたいとおもいます。

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私が今までの7年間で、転職した回数は4回。場所は、カリフォルニア、ニューヨーク、ストックホルムにパリ、それから東京にもちょくちょくと。

とにかく精神的にも物理的にも、感覚と達成欲だけに身を任せて色々な職業に就き様々な国に住む、なんとも一貫性のない人生を歩んできました。

活動的であること。前進し続けること。そして学び続けること。

そんな漠然とした価値観を「自分らしさ」だと思っていた私でしたが、20代後半に近づくと、これらが自分の首を絞めていることに気がついたのです。

誰にでも起こる、「自分らしさ」の勘違い

パリの代理店で働いていた頃。

朝は誰よりも早く出社し、言われたことは完璧(と自分では思う)な質で妥協なく素早くこなし、誰よりももっともっと良いものを作りたいという気持ちだけで深夜まで作業に及んでいた。

だけどある日気がついたのです、頑張っても、頑張っても。私は「自分らしい人生」に全く近づけていないと。

その時にようやく私はとんでもない勘違いをしていることに気がつきました。
「意欲的な個人でいること」は決して「自分らしさ」などではなく、それは単なる「行動指針」に従っていたに過ぎないということを。

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「こういう姿でありたい」といったなんとなくのイメージを持って生きている人と、「何のためにこうありたいのか?」そういう根本的な自分の在り方を問い、存在意義をよく考え、それを達成できるような確固たるLife purpose(人生の目的)を持っている人は全く別物なのです。

ちなみに私は、もちろんここでいう前者。だからこそ、今回のテーマの「言葉集め」を始めたのでした。

気が向いたら。言葉集めは、コツコツと継続的に

「言葉集め」の方法はとっても簡単。

1. 1枚のワードドキュメントを用意する。

2. 自分がワクワクする言葉を集める。人の生き方、詩や小説の一片、ハッシュタグなど、とにかくなんでもあり。

3. 数ヶ月に1回、そのドキュメントを見直し、自分が集めたワクワクする言葉に共通性を見つける。

4. 見つけた共通性をベースに、「自分の存在意義」や「自分らしい人生の在り方」を書きだしてみる。

5. 4で書いた「自分の存在意義」や「自分らしい人生の在り方」を実現するために、どのような活動を行うべきか考えてみる。この時にどのような仕事や働き方が4で決めた、自分らしい人生の在り方に貢献できるか、考える。

6. 最後に、4と5を踏まえ「自分らしさの要約」を仮で作る。TwitterもしくはInstagramのプロフィール文をとりあえず書き直してみる。

7. このサイクルを1〜3ヶ月に一回くらい継続的に繰り返す。

私はちょうど1年ほど前にこの作業を始めましたが、「自分らしい人生の在り方」を言語化するどころか、最初は集めた言葉に共通性を全く見つけられませんでした。

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だけど3サイクル目くらいから、徐々に自分が同じような思想に惹かれていることに気づき、その思想を自分らしく、色々な人の言葉を混ぜながら言語化することで、少しずつですが自分のLife purposeや「自分らしさの方向性」が形作られていきました。

今はまだ、どのような活動や仕事でそのLife purposeを実現していくのかを模索中ですが、ゆっくりコツコツと諦めずに継続して探し続けていくことで、「自分らしさ」は必ず見つかるという実感が芽生え始めました。

「自分らしさ」とはイメージできても言語化しにくいもの

今振り返ってみると、冒頭で述べたような「自分らしさの勘違い」は「自分らしさの言語化」を怠ったことで起きたのだと思います。

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「こうありたい」という姿をイメージし、雰囲気として心に留めておくこと。

それは自分の中ではとても明確のように感じるけれど、イメージや雰囲気だけの「自分らしさ」はとても流動的で、周りの環境や自分が置かれたシチュエーションよって、気づかないうちに変化しかねません。

私はべつに、鉄の心を持つ強硬派のアクティビストとかになりたいわけではないけれど、自分が様々な人に会う環境に身を置き、影響されやすい性格であることを考慮すると、「自分らしさ」の実現のためには「圧倒的で継続的な“貫きの姿勢”」が必要だと思っています。

そういう意味で、この方法で生み出される自分だけの言葉で綴られた「人生の在り方」や「その在り方のための活動」は、自分らしさの指針として、いつでもどんな時でも頼れる。「自分らしさ」の羅針盤のように、自分の人生を支え続けてくれるものになると思っています。

言語化のあとは「自分らしさ」の実践あるのみ!

「リフレクション」で自己理解を深め、「心の余白」で感じるべきことを感じ、「言葉集め」で自分のLife purposeを定めたら、あとは「自分らしさ」の実践あるのみです。

「自分らしい生き方」の実現に向けて、様々なプロジェクトを立ち上げ、新しい人に出会い、活動場所を拡大してください。何を優先してやればいいのかわからない場合は、とにかく思い当たることを片っ端から全部やってみることをおすすめします。(実は私も今その真っ只中です!)

きっとその実践の中で、好き・嫌い・楽しい・つまらないなど、色々な感情がわき、その感情を素直に表現し分析することで、「本当に自分らしいと思える生き方や活動」が選定されていくのだと思います。

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「自分らしさ」を喪失しアイデンティティークライシスに陥り、仕事・生き方・友好関係全てを「自分らしくデザインし直そう」と思い立った時から、1年。私も少しずつですが、確実に「自分らしさの基盤」の完成に近づいている気がしています。

皆さんもどうか、自分と向き合う時間と労力を惜しまず、「自分らしさ」を育て続けてください。そして、世界や社会がどうなるのかわからないこの不確実な時代を、自分のLife purposeと存在意義に突き動かされた、ユニークでインスピレーションに溢れた個人として自分らしく生きていってください。

私もその中の1人となれるように、これからも自分らしさを軌道修正し続けていきます!

ユカ

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東京とパリで活動するFreelance Humanity-centered Strategist。 人間らしさが個人・社会・環境レベルで宿る生き方を探り、発信し、プロジェクトとして色々形にしています。

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