「1人の100歩よりも100人の1歩」りゅうちぇる、長谷川ミラやアクティビストらを招いて開催された環境について考えるオンラインイベント「KITKAT EARTH DAY」レポート【Sponsored】

Text: Natsu Shirotori

Photography: Kotetsu Nakazato unless otherwise stated.

2021.5.18

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※イベントは感染対策をしたうえで実施しました。撮影時のみ会話を控えたうえでマスクを外しています。

 4月22日は世界中で地球環境について考え、アクションを起こそうと提案された記念日「アースデイ」。そんなアースデイにあわせ、これまでにも積極的に環境問題への取り組みを行ってきたネスレ日本の“キットカット”が、4月17日にオンライントークイベント「KITKAT EARTH DAY」を開催した。

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 今回のトークイベントでは、さまざまな分野で活動を行うゲストたちが、より身近で個人としてもできる環境問題やSDGsへの取り組みについてディスカッションを行った。イベントでは“キットカット”公式チャンネルのメインMCを務める長谷川ミラをMCとし、以下の6名がゲストとしてディスカッションに参加した。

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長谷川ミラ

モデル。1997年7月7日生まれ。2017年よりALL GENDER向けの自身のブランド「JAMESIE」を立ち上げ、その後ロンドンの名門美術大学(セントラル・セント・マーチンズ)に入学。ロンドンの生活で、社会問題にさらに興味を持ち、自身のバックボーンやブランド、 社会問題などを自由に発信し“私”を表現するモデルとして活動中。社会問題×ファッションについての情報発信やイベントを行うコミュニティ「ミーモ」を運営。昨年10月より J-WAVE 「START LINE」ナビゲーターに就任!毎週金曜日16時30分~20時生放送中。▷Twitter / Instagram / YouTube

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伊達ルーク

NPO法人UMINARI代表理事。海洋プラスチックごみ問題に取り組むNPOを運営する傍ら、日用品から都市開発、金融にいたるまで、国内外幅広い領域においてサステナビリティの側面からコンサルティング・アドバイザリー業務を手がける。これまでUNEPフォーラムをはじめ数多くのステージでZ世代の特性や可能性を発信。▷Instagram

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ノイハウス萌菜

1992年生まれ。イギリス育ち、ドイツ人&日本人。一児の母。日本に越してきてから周囲の「使い捨て」の量に敏感になり、一人一人ができるところから変えていくべきだと感じ、プラスチックストローの代替品となるステンレスストローブランド「のーぷら No Plastic Japan」を設立。『使い捨てを考え直すこと』を軸に、企業との連携プロジェクトやコンサルティングなどを務め、より持続可能で循環型のビジネスやライフスタイルを提案している。国内初となるゴミの出ない「ゼロウェイスト スーパーマーケット」を手がける斗々屋の広報担当などでもある。▷Instagram

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伊藤聡士

1993年生まれ。小学生の頃、近所の自然が消滅し大好きな昆虫観察ができなくなったことをきっかけに環境問題に関心を持つ。東京大学大学院卒、環境学修士。現在は、世界中の森林の保全・再生を目指す国際NPOの「weMORI」の日本代表を務める。また、環境YouTuberとしても活動中。▷Twitter / YouTube

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りゅうちぇる

タレント・モデルのほか、アーティスト活動やパパとしてなど枠にとらわれないマルチな活躍と性別にとらわれない個性を大事にした生き方が共感を集める。長男・リンクくんの誕生後には育児セラピスト1級の資格を取得するなど活躍の幅をさらに広げている。▷Twitter / Instagram / YouTube / Blog

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能條桃子

1998年生まれ。大学在学中に若者の投票率が80%を超えるデンマークへと留学し、2019年、政治の情報を分かりやすくまとめたInstagramメディア「NO YOUTH NO JAPAN」を立ち上げる。帰国後、2020年にNO YOUTH NO JAPANを一般社団法人とする。現在、60名のメンバーとともに、ジェンダーと気候変動に関心を持ちながら、日本で若者の政治参加を当たり前のカルチャーとすべく活動中。▷Twitter

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平山潤

1992年神奈川県相模原市生まれ。成蹊大学経済学部在学中、米カリフォルニア州で一年間を過ごし日米の若者の「社会への関心の差」に気づかされる。2018年から『NEUT Magazine』で創刊編集長を務める。世の中の「当たり前」や「偏見」にとらわれない“ニュートラルな視点”を届けるため活動中。▷Twitter / Instagram

 出演者らは長谷川ミラが手がけるオールジェンダーブランド「JAMESIE」と、持続可能な服づくりを目指す「BRING」のコラボTシャツを身につけて登場。このTシャツは、古着を回収して作られた再生ポリエステルを使用しており、今回のイベントに合わせて製作された「KITKAT EarthDay BOX」の1アイテムとして抽選でイベント視聴者にも届けられた。
 ボックスには、その他にもノイハウス萌菜手がける「のーぷらマイストローセット」や規格外のりんごを使用した「The Fruits Company」のジュース、“キットカット”の新商品などが同封。当日、出演者らもボックスを手元に一部と二部に分かれてディスカッションが展開された。今回はそんな、「KITKAT EARTH DAY」の様子をレポートする。

Part1「環境へのアクション どんなことがある?」

「買わない」というアクション

 二部に分かれて開催されたトークセッションの第一部のテーマは「環境へのアクション どんなことがある?」だ。環境活動家の、ルーク伊達、ノイハウス萌菜、伊藤聡士とともに、普段の生活のなかでできる環境へのアクションについて考えた。

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左から、伊達ルーク、ノイハウス萌菜、長谷川ミラ、伊藤聡士

 環境へのアクションとして、まず話題に上がったのは、ゴミになるものや新しいものを買わないこと。環境問題に興味を持ち始めた最初の頃は特についついエコフレンドリーなプロダクトなどを新しく買ってしまいがちだが、その前にできる「買わない」こともアクションの一つだと3人は口を揃えて言う。

ルーク伊達:誰でもできることは、自分が持っているものに愛着を持って大事にすること。これは最初のステップとしてできるかなと思っています。

ノイハウス萌菜:最近エコって言葉が良くも悪くもトレンドになっていて、そういうアイテムが増えていますよね。でも、エコな素材ではなくても家にある物を使えばいいと私も思っています。

伊藤聡士:僕も、本当に自分が大事にする物を選んで、それを長く使うことが一つのアクションになるんじゃないかと思います。
長谷川ミラ:グッズを集める楽しさももちろんあると思うんですけど、その前にお金をかけずにできることもたくさんありますね。グッズといえば萌菜ちゃんのストローもありますね。

ノイハウス萌菜:ストローも一つのアイテムなので、「のーぷら」の活動のなかでは一切広告を出さないことを意識しています。広告で欲しくなるんじゃなくて、自分から探して見つけた人に買ってほしいです。

毎日がアースデイ

 続けて環境へのアクションとして、もう一つ話題に上がったのが「寄付」だ。「自分がアクション起こしても影響がないと思う人って多いだろうし、私もそういうタイプだった」と長谷川ミラは語るが、活動の効果を可視化するアイテムも存在する。

伊藤聡士:weMORIではアプリをリリースしてるんですけど、アプリ上で世界中の森林保全のプロジェクトに寄付することができます。各プロジェクトをタップして寄付金額を入れると、その寄付がどのくらいのCO2削減に貢献したのか見ることができます。今まで環境アクションを起こしてこなかった人でも、コーヒー代1杯分でどのくらいの影響があるのか分かっていいのかなと思います。

長谷川ミラ:自分のお金がどういうふうに使われて、どのくらい影響があるか分かるのが新しくていいですね。

ルーク伊達:寄付となった瞬間に力んじゃうけど、コーヒー代って言われると取り組みやすいね。地球と共存することってアースデイの1日だけやることじゃないから、365日何かしらできるような提案がされるのはいいなって思いました。

ノイハウス萌菜:毎日がアースデイって、バレンタインデーだけじゃなくて「毎日LOVEだよ」みたいな感じだよね。自分のできる形で毎日地球に貢献し続けましょうって感じにしたいですよね。

3.5%の発信が世界を変える

 さらに、日々の消費行動におけるアクションにプラスして、第1部に参加した4人はSNSを通じた発信活動を続けている。トークセッションでは、それぞれが発信活動を続ける意義について語られた。

伊藤聡士:情報発信はめちゃくちゃ重要なアクションだと思ってます。何か市民運動で世の中を大きく変えた事例ってそのコミュニティの3.5%の人が声を上げたときに必ず成功しているらしいんです。それを考えると間違いなく個人としての発信も大事だなと思います。

長谷川ミラ:ルークとは一緒に“キットカット”のYouTubeチャンネルもやっているけど、よく言っているのなんだっけ?

ルーク伊達:「1人の100歩よりも100人の1歩」ね。1人が100歩分頑張っていても、他の人はついていけない。でも、1歩だったら今まで0だった人もできるかもしれない。そこから進んでいければ、1人の100歩よりも100人が1歩の方が最終的なポテンシャルがあると思います。

ノイハウス萌菜:確かに今は取り組みのレベルが、0の人も、10の人も20の人もいろいろいるとは思います。でも、自分が今の状態で何をしているか発信することで同じようなレベルの人と繋がれるので、どんなレベルでも発信するのが大事かなって思います。

長谷川ミラ:そうですよね。皆さんソーシャルメディアのアカウントあると思うので、そこから情報を得て、3人のような活動にたどり着いたり、消費者として興味があるってことをアピールすることでもっと大きいメディアに届いたりするとも思います。

 個人の消費行動を変えるのは情報だ。テレビやWebメディア、SNSなど、さまざまなところで問題に気づかせてくれるきっかけが転がっている。まずは情報を掴むことがアクションとなり、次に情報を発信する側へと移って行くことで環境へのアクションは広がるのかもしれない。

Part2「Z世代・ミレニアル世代と考える、 SDGsへの取り組み方」

イクメンって言われるのは嫌だ

 第二部のテーマは「Z世代・ミレニアル世代と考える、 SDGsへの取り組み方」。ジェンダー、ダイバーシティ、アイデンティティ、政治などさまざまな切り口から情報発信を行うりゅうちぇる、能條桃子、そしてNEUT Magazine編集長・平山潤がSDGsや社会課題への取り組み方をテーマにディカッションを行った。

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左から、能條桃子、長谷川ミラ、りゅうちぇる、平山潤

 育児中のりゅうちぇるを迎え、初めに話題に上がったのはSDGs5つ目の項目「ジェンダー平等」についてだ。

りゅうちぇる:僕イクメンって言われるのすごい嫌なんです。そんな軽い覚悟で子ども作ってないのになって思う。他にも、妊娠を発表したタイミングで、パパになるなら黒髪にしなきゃ、メイクもやめなきゃって言われたこともありました。

長谷川ミラ:「〜じゃなきゃ」って強要する風潮はありますよね。

能條桃子:私たちは義務教育のなかで「正解」を習いすぎたんだと感じています。「正解」があるから「父親だから」とか「若くて親になるには」とかって言っちゃうんだと思います。逆に、女子大生は就職活動で、育休が取れて子どもを育てやすい企業を勧められるんですよね。男子学生はそんな指導受けないのに。

りゅうちぇる:それ、女子の幸せを決めつけているようなもんだよね。結婚や子どもだけじゃないのに。

ポイントは強要しないこと

 「〜するべき」といった発言は、時に社会課題を解決しようとする動きのなかでも使用されることがある。しかし、社会課題に関する発信を積極的にする4人は共通して「強要しないこと」を発信のポイントとして挙げる。

りゅうちぇる:例えば環境問題についての発信だと、「プラスチックを絶対使わないでください」とかって強要しちゃう人も多い気がする。そう言われると僕捕まるのかな?と不安に思っちゃう。

長谷川ミラ:本番前に能條さんがおっしゃっていた若い人が写真撮るときにプラスチックを隠す話も象徴的ですね。

能條桃子:そうですね。私の周りの若者の間でプラスチックをSNSに載せられないなっていう意識があります。そうやってみんなの意識が変わって、企業もそれに応えて変わっていくからそれもいいことかもなとも思うんですけど、あんまり苦しくなりすぎると生活するの楽しくなくなっちゃうから、バランスは難しいですよね。

りゅうちぇる:子育てしているとプラスチックが便利なときもあるんですよね。環境問題については、心にも生活にも余裕がないと積極的に取り組めない人もいるって理解したうえで発信することが大事かもしれない。

平山潤:サステナブルなことって誰かにやれって言われても結局続けるのは難しいじゃないですか。だからNEUTでもトップダウンではなくて、インタビュイーのストーリーから、きっかけを作れたらいいなと思っています。

 社会課題の解決には情報発信の仕方、しいてはコミュニケーションが大きな鍵を握っている。この観点から、社会課題の解決のために異なる世代間のコミュニケーションをどうとっていくのかをテーマにトークは展開した。

平山潤:Z世代とかミレニアルズとか、このトークセッションのテーマも実はそうですけど、世代別で語られることが多い。でもメディアとしては例えば40代以上の人たちと20代以下の世代を分断するのではなくて、価値観を理解し合うためのブリッジとして機能することが大切だなと感じています。

長谷川ミラ:確かに私たち、若い世代が情報発信したり活動するのも大事ですけど、現実として決定権を持っているのは上の世代。それは企業や政治でも当てはまりますよね。

平山潤:政治家や企業の決裁権を持っている人たちをどうやって説得していくのかは若者たちもやり方を覚えていく必要があると思います。「Z世代だから」とかって大人の勝手な決めつけじゃないですか。両方がちゃんと繋がっていかなきゃなと思っています。

僕たちが与えるものは「きっかけ」

 SDGsへの取り組み方は人それぞれだが、きっかけがなければ取り組むことができない。放送の最後には視聴者からこんな質問が寄せられた。

視聴者:環境やジェンダーの問題に関心がない人に興味を持ってもらうにはどうしたらいいでしょうか?

りゅうちぇる:そういうときにこそ、このストローでもいいし、プレゼントをしてみるのはどうかな。僕たちができることは何かを教えるんじゃなくて、きっかけを与えることなのかなって思います。

能條桃子:そんなに周りを説得しようとしなくてもいいかなって思うんです。例えばキットカットのパッケージがプラスチックから紙に変われば関心がない人たちもプラスチック使わなくなるじゃないですか。だから、意識ある人たちがやるべきことはシステムを変えていくことだと思います。

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 「KITKAT EARTH DAY」も、まさにそんなきっかけの一つになったのではないだろうか。自分の生活のなかでできることを、できるときにやってみる。そして、やったことをシェアしてみる。それがまた誰かのきっかけとなる。アクションの連鎖で、毎日が「アースデイ」となるときが近づくのかもしれない。

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