2050年までに、廃棄されるプラスチックは120トンになるといわれているにも関わらず、現在リサイクルされている割合は9%。プラスチックは自然に還らないうえ、人体にも悪い化学物質が使われている。
この事実に対しアフリカ・ルワンダの政府は、あまり意識せずビニール袋を使う日本人は驚くほど過激な「ビニール袋規制」を行なっていることを知っているだろうか。
「麻薬ぐらい悪い、ビニールの密輸」
ルワンダではビニール袋を輸入することも、製造することも、売ることも違法(病院や薬品会社だけ例外的に許される)。ルワンダの国境警備隊は、「ドラッグと同じぐらい悪い」と日々国境でビニール袋を密輸しようとする人を監視している。もし捕まると罰金、刑務所行き、または公共で自白を強いられる。
政府はビニール袋が洪水の原因になったり、雨水がビニール袋のせいで土に浸透しにくいため作物が育つのを邪魔するからだと公表している。生分解性プラスチックを使用しているビニール袋は肉や魚のために使われることは許可されているが、果物や野菜のために使うことは禁止。これは生分解性プラスチックでも分解するのに24ヶ月かかるからだ。
ポテトチップスなどプラスチックに入った製品については、政府が許可を与えた会社だけ売ることが許される。その場合も、どのように製品のプラスチックを回収してリサイクルするかを提示しなければならない。
結果的にルワンダはアフリカでもっともビニールゴミが少ない国と言われている。首都では月一回大統領も一緒にクリーンアップをしているそうだ。(参照元:The New York Times)
ビニール袋で刑務所行きは過激だけど、必要以上に使う必要がないのは事実
ルワンダの大統領ポール・カガメ氏が率先して行う環境への配慮、過激過ぎるといえるかもしれない。
1994年の100日間で約80万人の命を奪ったと言われるルワンダ虐殺後、復興と発展を目指して大統領になったカガメ氏が大いに貢献したと言われている。過去12年間で小学校に通えるようになった子ども数は3倍となり、平均寿命も伸びた。また、女性の政治家の割合が世界一。(参照元:The Guardian)国民からも非常に高い指示を受け、2017年の8月の選挙では約99%の支持率で勝利した。その一方で、世界からは独裁政権ではないかと批判もされる。(参照元:The Guardian, The New York Times)彼に対抗する政治家やジャーナリストが刑務所に送られたり、殺害されたりしているのも事実だからだ。(参照元:The Guardian)ビニール袋に対する規制に関する厳しい刑罰からもわかるように政府が決めたポリシーを守るための過激な手段にも疑問が残る。
しかし、ルワンダの政治からは一歩離れ、ビニール袋の危険性と真剣に向き合う姿勢からは日本も学ぶことがあるのではないだろうか。ビニール袋の代用として考えられるペーパーバッグや布のバッグも環境にダメージを与えるため全くビニールを使わないことが正義だとは一概にはいえないが、日本の必要以上に使う姿勢は考え直されるべきである。最近では海苔からできた食べられるパッケージ素材や、キャッサバイモをベースに作られており、お湯につけると溶けるレジ袋も登場している。
2018年、必要もなく環境を傷づける行為を止めることはあなた一人の簡単な選択でできるはずだ。
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。