「購入するとは誰かを応援すること」新型コロナ危機で打撃を受けるアーティスト5人に聞いた胸の内|Stay home but Not aloneプロジェクト #002

Text & Photography: (THE)LIVING ROOM STUDIO

2020.4.28

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この記事は、アートコレクティブ「(THE)LIVING ROOM STUDIO」とのコラボレーション記事です。

新型ウイルスの蔓延により、日本の文化、芸能は危機に陥っている。

毎日のように流れてくる閉館、閉店のツイートやアーティストたちの苦しみ。しかし同時に#SaveOurSpaceや #SaveTheCinemaなど、この危機に対して当事者自らが行動を起こすなど新たなムーヴメントを作っている。

Stay home but Not aloneもその一つだ。

主にフリーランスのアーティストと数十種類のTシャツの製作をし、売り上げをアーティストの支援に使うというプロジェクトだ。本プロジェクトに参加するアーティストたちにメールインタビューを行い、この現状をどう打破しているのか(できているのか)アーティストたちの胸の内を聞いた。

#002:山本奈衣瑠、河澄大吉、moka、Kotoka Izumi 、haru.

山本奈衣瑠

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ーお名前、肩書き、Instagramアカウントを教えてください。

山本 奈衣瑠、@nairuuuu

ー新型コロナウイルスの発症が各国で報道された当初の心境はいかがでしたか?

本当に当初は実感が湧くまで時間がかかりました。

ーコロナウイルスの感染が広がっていますが、生活や製作に影響は出ましたか?

はい。普段はモデルの仕事をしてますがEA magazine というコンセプチュアルマガジンを仲間と共に作っています。モデルの仕事は撮影が延期になったりで3月後半頃からほとんど無くなりました。マガジン製作はパソコンがあれば出来るのでメンバー各自自宅で作業、打ち合せは電話やzoomでしています。入稿前で忙しいタイミングだったので作業に集中出来るのは良いのですが1日の流れが無くてあっと言う間に夜になるので休憩を取るのを忘れてしまったり脳みそがとっても疲れます。精神的にも友達に会えなかったり自由に春を感じれなかったりして不安になったりもします。制作が終わったら自分の今後の予定が犬の散歩しか無いのがおかしくて変だなあと不思議な気持ちです。

ーそれをふまえ、日本の新型コロナウイルスに対する政策をどう思いますか?

心配な気持ちや怒りの気持ちがとっても多いです。そもそも0に等しいですが(ある一部の大人への)希望の様なものはもちろん消えかけ、本当にそれぞれが自分の力で生きていかないといけない、自分の周りの大切な人やものを守る為にももっと強く生きていける様になろうと決めました。

ー各地で日本のカルチャーを守るため様々な動きが起きていますが、あなたはそれをどう思いますか?

良いと思いました。SNSのおかげで色んな情報を知る事が出来たし、それが無くなってしまったらと、改めて身の回りにある当たり前の様だったものについて考えるきっかけになりました。

ー今回のプロジェクトの作品についてお聞かせください(作品の意図や思い)

私の中の妄想のオフィーリアです。お散歩して歩いてる時に見たこの場所がどうしても何故か私の目にはジョン・エヴァレット・ミレイによる絵画『オフィーリア』に見えました。ですがあの絵画に必要な草花やオフィーリアを演じてるシダルもミレイが買った古着のドレスも無いので私が書き加えておきました。私は一人で妄想や架空の想像をしてワクワクしたりそういう気持ちで帰り道を歩いたり何かを発見するのが大好きです。でも今は自由にお外に出られないのでお家の中でこれを着てオフィーリアの続きを想像したり自分だけの楽しい事を考えてしてワクワクしたり1人でニヤっとしてくれたら嬉しいです。

ー1人のアーティストとして、あなたが今できることはなんだと思いますか?

これを読んでるあなたへ。私はいつもに増してわがままになり喜びプンプン怒り不安で泣いたり沢山笑う様になりました。自分の心の動きに気づいた瞬間それを全開にします。良い事を考えたり見たりして良い気持ちを保つのもとても素敵です。でもそれ以外のあなたの感情にも寄り添いたいな。と。思いました。大切な人を思う気持ちのつづきはまた明日にして今日はお家で自分だけを大切に思う一日を過ごしてみてください。想像にワクワクする日 自分だけを考える日 大切な人を思う日 あと何にしようかね〜笑

ー収束したら、何がしたいですか?

今のとこ12個あります。何かは秘密です。

山本奈衣瑠

Instagram

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河澄大吉、 写真家/映像作家/ディレクター

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ーお名前、肩書き、Instagramアカウントを教えてください。

河澄大吉、 写真家・映像作家・ディレクター、@daikichi_kawazumi

ー新型コロナウイルスの発症が各国で報道された当初の心境はいかがでしたか?

中国でのことが話題になったときは他所のことに思ってました。

ーコロナウイルスの感染が広がっていますが、生活や製作に影響は出ましたか?

外出できないストレスもですが、入ってくる情報にネガティブが多すぎてストレスを受け止めきれなかったです。気持ちがこんがらがって、うまく思考できませんでしたが、今は整理できるようになりました。このプロジェクトもそんな時に思いつきました。

ーそれをふまえ、日本の新型コロナウイルスに対する政策をどう思いますか?

1周回ってどうも思わなくなりました。最初は疑問、嫌悪を感じていましたが、そのストレスで体調を崩すし、期待しても無駄だということがわかったので、もう気にしないことにしました。“彼女には過度な期待をしない方がうまくいく理論”と一緒です。でもニュースは見るし選挙にも行きます。どうやったら良くなるかは考え続けるべきです。

ー各地で日本のカルチャーを守るため様々な動きが起きていますが、あなたはそれをどう思いますか?

悲惨だと思います。全員が最低限生きるための保証はされなければならないはずですが、それがなされないことに対して主張や運動が起こっています。そもそもちゃんと保証されていれば、この主張や運動に使われている体力は、もっとポジティブなエネルギーとしてアウトプットされていたかもしれません。が、絶やさないためにも続けなければなりませんし、応援し続けなければならないと思います。

ー今回のプロジェクトの作品についてお聞かせください(作品の意図や思い)

作品というより、このプロジェクトへの思いを話します。
僕は“購入するとは誰かを応援すること”だと思っています。弁当をコンビニで買うのか、お気に入りのお店で買うのか。食後のコーヒーは自販機で買うのか、近所のコーヒー屋で買うのか。誰を応援したいのかによって購入の選択は変わってくると思います。その応援のプラットフォームの1つとしてこのプロジェクトを企画しました。あなたが購入する何かが常に誰かを応援しています。今あなたは1人かもしれないけど、誰かを思うことはできるはず、そしてそれを行動に移すこともできるはず。その行動がポジティブなもので、誰かを応援できるものであって欲しいと思います。

ー1人のアーティストとして、あなたが今できることはなんだと思いますか?

考え続けること。

ー収束したら、何がしたいですか?

いつも行ってたコーヒー屋に行って、撮りたい物を撮って、友達と酒を飲む。
あと久しぶりに親に会う。

河澄大吉

写真家/映像作家/ディレクター

Instagram

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moka、イラストレーター

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ーお名前、肩書き、Instagramアカウントを教えてください。

moka、イラストレーター、@ni4oooooou

ー新型コロナウイルスの発症が各国で報道された当初の心境はいかがでしたか?

怖いな、かかりたくないなと思った反面大丈夫だろっと他人事のようでした。

ーコロナウイルスの感染が広がっていますが、生活や製作に影響は出ましたか?

家での作業が基本ですが、外でのイベント出店やpopupなども行ってた為それが無くなってしまいました。5月にやる予定だった個展も延期になりました。

ーそれをふまえ、日本の新型コロナウイルスに対する政策をどう思いますか?

他の国と比べてしまうけど、やっぱり全部が遅れてる気がします。お金に関してもそうだし、今後の対策や今の現状をもっと明確にするべきだと思う。

ー各地で日本のカルチャーを守るため様々な動きが起きていますが、あなたはそれをどう思いますか?

いいことだと思います。

ー今回のプロジェクトの作品についてお聞かせください(作品の意図や思い)

外にもあんまり出れず家にずっといると体がだんだん鈍ってくるはず。自分から意識的に動かないと運動不足になってくる。そんな時こそスクワットやジャンプ、ちょっとでも簡単な筋トレやストレッチでもして体を動かすきっかけになればと思いこの作品をTシャツにしました。

ー1人のアーティストとして、あなたが今できることはなんだと思いますか?

最近オンラインも開設したので、家での退屈な日常に自分の作品を取り入れて気分転換してくれたらいいなって思います。

ー収束したら、何がしたいですか?

焼肉食べに行きたいです(笑)。

moka

イラストレーター

Instagram

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Kotoka Izumi、 イラストレーター

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ーお名前、肩書き、Instagramアカウントを教えてください。

Kotoka Izumi 、イラストレーター、@kotoka_izumi @kotokaizumi_official

ー新型コロナウイルスの発症が各国で報道された当初の心境はいかがでしたか?

最初はあまり実感が湧かなかったです。どこか他人事のような気がしていて身近に迫ってくるものには思えませんでした。

ーコロナウイルスの感染が広がっていますが、生活や製作に影響は出ましたか?

3月はイラストの展示を含めて3つのイベントがなくなりました。
イベント以外にも進行中の案件は全て一旦停止、それ以降から新規案件も減ってしまったので仕事面ではかなり影響が出ているかと思います。その反面、仕事の時間が減ったことにより自身の制作に打ち込める時間は増えました。

ーそれをふまえ、日本の新型コロナウイルスに対する政策をどう思いますか?

疑問や不満に思う点もありますが、最終的には日本という国に何かを期待するよりも自分自身が自分のためにどう動くかの方が重要だと思いました。

ー各地で日本のカルチャーを守るため様々な動きが起きていますが、あなたはそれをどう思いますか?

こんな時だからこそ、今だから、で終わらないように一人一人が考えることをやめないことが大切だと思います。

ー今回のプロジェクトの作品についてお聞かせください(作品の意図や思い)

会いたい人に会えなくても、心では独りじゃない。そんなことを考えながらイラストを制作しました。

ー1人のアーティストとして、あなたが今できることはなんだと思いますか?

制作、思考を止めないこと。

ー収束したら、何がしたいですか?

今年4月から開催予定だった展示の全国ツアーを再開したいです。
この期間に書き溜めた作品もたくさんあるので、この時間に意味があったと思える展示にしたいです。

Kotoka Izumi

イラストレーター

Instagram

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haru.、HUG inc. ・HIGH(er)magazine

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ーお名前、肩書き、Instagramアカウントを教えてください。

haru. 、HUG inc. ・HIGH(er)magazine、@hahaharu777

ー新型コロナウイルスの発症が各国で報道された当初の心境はいかがでしたか?

感染拡大のあまりのスピードにただただ驚いていました。日々世界が変わっていくので、どのメディアのどの情報を信じたらいいのかわからなくなっていました。

ーコロナウイルスの感染が広がっていますが、生活や製作に影響は出ましたか?

ちょうど今制作中の冊子があるのですが、その中でのインタビューがテレビ通話で行われるなどやはり直接的に影響は受けています。映像系の仕事も全てストップしました。
今は家でできるプロジェクトが進行しているので自主隔離をしていますが、新規の仕事が何もないのでそこには不安を感じています。

ーそれをふまえ、日本の新型コロナウイルスに対する政策をどう思いますか?

動きが遅いなと感じています。自粛を促すのに補償はしないよという態度が謎でした。職業で人をジャッジせず、一人ひとりの個人が生きていくための補償をしてほしい。家にいたくてもいれない人たちに充分なケアと支援をしてほしいです。

ー各地で日本のカルチャーを守るため様々な動きが起きていますが、あなたはそれをどう思いますか?

本当だったら文化も国に守ってほしいと思います。個人の努力とは別のところで。でもこういうときだからこそものすごいクリエイティビティが発揮されることもあると思います。私も毎日何かしら作り続けています。もともとの私のポリシーでもありますが、今日浮かんだ小さなアイディアを形にすることが未来に繋がっていくと思うので。

ー今回のプロジェクトの作品についてお聞かせください(作品の意図や思い)

私は一緒に部屋で過ごしているリトルエンジェルという花を描きました。一緒にサバイブしようね、って。でもお水をあげすぎて今はちょっと元気がないです。

ー1人のアーティストとして、あなたが今できることはなんだと思いますか?

思考して行動すること。言葉を紡ぐこと。生活をすること。

ー収束したら、何がしたいですか?

ピクニックとハグ。

haru.

HUG inc. /HIGH(er)magazine

Instagram

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