「宿題ゼロ教育」が日本人の学力を向上させる理由

2017.3.6

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子どもの頃、学校の宿題に悩まされていた人は少なくないだろう。「友達と遊ぶほうが楽しいのに」と腹を立てていたのは筆者だけではないはずだ。現在、そんなタイプの子どもには夢のような「宿題禁止の学校」がアメリカに存在する。

米バーモント州に位置するオーチャード小学校では、去年の9月から保育園〜小学校5生を対象に、実験的に「宿題0ポリシー」を導入した。

宿題0ポリシー

オーチャード小学校インフォメーション

生徒の宿題

1、簡単すぎず、難しすぎないちょうどいい本を読みましょう(両親にも読んでもらいましょう)

2、外に行って遊びましょう(スクリーンから離れてね)

3、夕飯を家族と一緒に食べましょう(ごはんと準備と片付けをお手伝いしましょう)

 
実験対象となった400人の生徒と彼らの家庭を調査したところ、宿題を課さないことによる学問の遅れは見られなかったという。この学校の校長マーク・トリフィリオ氏は家庭で趣味に熱中する時間やリラックスする時間が増えたことによって、クリエイティブな思考が育まれ、今後は彼らの成績が上がると予測する。

どうやらこれまでは両親にとっても子どもの宿題がストレスになっていたようで、宿題がなくなってから、リラックスして子どもと一緒に本が読めるようになったと親も喜んでいるという。

今回は実験的な導入だったため、学校全体で実地する日は遠いかもしれないが、少なくともこれまでの「宿題はやればやるだけいい」という常識に疑問を提示し、改革の余地があることを証明、提案してくれたのではないだろうか。

一方、日本の教育はプレゼンテーションやディスカッションが少なく「記憶するだけの教育」で有名だ。また、日本には子どもを小学校生のうちから塾に入れ、放課後も勉強をさせる親が多い。いい大学に入り、良い会社に入らなければならないという社会的プレッシャーが大きいためだろう。教育の目的が「学ぶ」ためではなく「試験をパスする」ためで、記憶する教育が多いせいか、The New York Timesによると、日本人は答えがある問題に対してはとても優秀に解決策を見つける能力があるが、新しいアイディアを生むことは苦手な傾向にあるという。(引用元:The New York Times

子どものストレス削減と情熱を育むことを応援するアメリカの小学校の「宿題0ポリシー」。もしかしたら日本こそ取り入れるべきなのかもしれない。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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