日本の政治についてあなたはどれくらい知っているだろうか。「親しみが感じられない」「なにから知識を身に付けていいかわからない」と思う人は少なくないだろう。なんせ日本の若者の投票率は32.6%。この投票率の低さから日本の若者の政治への関心の低さや一人の投票で何かが変わるわけではないという諦めの姿勢がうかがえる。
政治が身近じゃない。
2014年に行われた第47回衆議院議員総選挙では、60代の投票率68.3%だったのに対し、20代の投票率は32.6%であった(参照元:総務省)。若者が政治について積極的でないという事実が一目瞭然だ。最近では若者の投票率をあげるため、人気のアイドルやタレントを啓蒙イメージキャラクターに起用し、選挙を身近に感じてもらおういう動きも見られている。
しかし、それらに本当の効果があるのだろうか。それをきっかけに自分にとっての政治に対する意見や民主主義を考える人がいるとは率直に言って考えづらい。自分なりの意見をしっかり持たずして投票し、その時の投票率が上がったところで意味がない。政治への関心や意見を持つ時というのは、身近で共感のあるスピーチを聞いた時、他者と社会の問題について語り合うことができた時などであろう。
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#BUD09で呼びかけられたある集い
第48回衆議院議員総選挙が10月22日に迫っているなか、10月9日に新宿アルタ前である集いが行われていた。この集いは新宿アルタ前大街宣」と名付けられており、「私たちの民主主義を私たちの言葉で語りましょう」というメッセージとともにBOTTOM UP DEMOCRACY (下から上への民主主義)を意味するハッシュタグ#BUD09で広げられたものである。このハッシュタグを用いたことで当日は多くの人が集まり、弁護士や大学院生を中心とした呼びかけ人にたちによって行われたスピーチは、新宿にいた多くの人に届けられた。
新宿着いた!すごい人! #BUD09 pic.twitter.com/NPN1EZteFs
— tarepanda (@tarepan31812338) 2017年10月9日
人間 奥田愛基さん
「頑張っても、結果が出なかったり裏切られたりつらいですよね。
でもあきらめずに今ここにいる人たちがいることが希望なのです。
力がないこと悔しいけど、それでもまだ選挙に行ってくれますか?」#BUD09 #新宿アルタ前大街宣 pic.twitter.com/CVv8ELAHTN— 未来のための公共 (@public4f) 2017年10月9日
さらにこの集いには、立憲民主党の代表である枝野幸男氏も急遽参加していた。
枝野代表「捨てるはずない書類を捨てることが権力なのか、民主主義なのか?権力は国民のみんなが持っている。民主主義は国民のものです。憲法の範囲でみなさんの民主主義をお預かりしているのが立憲主義です」#BUD09 pic.twitter.com/iuyz5pBz0a
— 立憲民主党 (@CDP2017) 2017年10月9日
自分と同世代の人や同じ意見をもつ人が、日本の問題や政治のあり方についてわかりやすい言葉で主張する姿は多くの人に影響を与えただろう。
私たちの民主主義を私たちの言葉で語りましょう
政治を遠く感じていた若者たちにとって、SNS上で呼びかけられたり集められた集いはちょっとした好奇心をそそり気軽に参加できる身近なものとして捉えられるだろう。今回のようにSNSから発信されるものが政治への関心や参加の高まりをつくり、国民の政治への態度を変えていくかもしれない。そしてそれは現在の日本の民主主義を変える大きな一歩となり、一人ひとりが社会の問題を自分に関係のある問題として考えるきっかけとなるだろう。
SNSが自分と同じ考え方を持つ人に出会わせてくれたり、社会に対する新しい動きをつくる場となっている。そのような場所が増えることで、社会に対する自身の思いを語れる場所もこれからどんどん広がっていくはずだ。10月22日の第48回衆議院議員総選挙に向けてもSNSで少し検索してみてはどうだろうか。
※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。