今、世界が欲しがるのは“プラスチックのごみ”。プラスチックを貴重品に変えるコミュニティ「Precious Plastic」

Text: Shizuka Kimura

Photography: ©️Precious Plastic

2018.1.26

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自動販売機に並ぶペットボトルやコンビニ弁当の容器…。私たちの生活には欠かせないプラスチックは毎日大量に製造されてはすぐにゴミとして廃棄される。使い捨てだと思っているプラスチックのことなんて気にも留めないかもしれない。だってただのゴミだから。

しかし、そんなプラスチックからスタイリッシュな製品を自分で作り出せることを知っているだろうか。プラスチックがどのようにリサイクルされ、どのような製品に生まれ変わることができるかに関心を向けると、新しい発見があるかもしれない。

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日本に溢れるプラスチック

プラスチックは石油や天然ガスなどの有限資源から作られ、一度作られたプラスチックは腐らないため土などに埋めても分解されずそのまま残ってしまう。そのため、リサイクルへの取り組みは欠かせない。2015年の日本の廃プラスチック総排出量は950万トンで、その有効利用率は83%であった(参照元:一般社団法人プラスチック循環利用協会)。これは世界的にみても高いものの、街中で見かけるポイ捨てや溢れかえったペットボトルのゴミの山のような光景はあとを絶たない。一人ひとりが環境に配慮した行動を普段からとっているかと聞かれると回答に悩む人は多いのではないだろうか。

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世界中で拡大する「プラスチック」の可能性を広げるコミュニティ

そんなリサイクルが欠かせないプラスチックに対し、エコな活動に取り組む人々がいる。Precious Plastic (貴重なプラスチック)は2013年にDave Hakkens(デイブ・ハケンズ)によって始められたプロジェクトで、プラスチックゴミの問題を解決するために活動するグローバルなコミュニティだ。プラスチックのリサイクルが誰でもできるようにリサイクルに必要な情報をオンライン上で無料でシェアしていて、あらゆる国の人々が地域レベル・個人レベルで活動しやすいものとなっている。

今まであまりゴミ問題に関心がなかった人や、関心はあったけどどう取り組んでいいかわからなかった人なども参加しやすく、取り組みやすいはずだ。

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彼らのウェブサイトではリサイクルをするために必要な機械の設計図やそれらの機械を用いたリサイクル方法の紹介をしており、誰でも真似できるようになっている。ここで使われる機械は業務レベルの大きく複雑なものではなく、一般の人が使えるようなシンプルなもの。

また、それらの機械を用いてどのように製品をリサイクルできるのかを紹介し、ウェブサイトのバザールでは実際に世界中にいるこのコミュニティの人々によってつくられたスタイリッシュなインテリアや食器、スマホケース、バッグなどが売られている。機械の使い方や製品の作り方は動画で見れるので知識がない人にとってもわかりやすい。

単にプラスチックゴミの回収を行うというだけでなく、リサイクルの過程を学び自分で製品につくり変えてみることで、プラスチックの価値を知りその可能性を広げられるだろう。

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さらに、地図上でリサイクル場所、リサイクル機械の設計者、リサイクルを始めたい人、と3つのピンから世界中の活動を検索でき、コミュニティに参加したい場合は地図上に自分のピンを追加する。自分の住む地域にあるリサイクル場所や機械の設計者を探せたり、企業や個人がリサイクル場所を持った場合はリサイクルを始めたい人と繋がりやすくなるのだ。また、コミュニティに参加した人々は同じように活動するほかの国や地域のコミュニティのことも知れる。

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現時点では日本でこの活動を行なっている場所は一箇所しかなく、小規模だが、個人のコミュニティへの参加が増えれば日本の各地でこのリサイクル活動が盛んになるかもしれない。まずはPrecious Plasticで自分のピンを追加してみよう。

エコなDIYでゴミ問題を解決

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普段私たちが使い捨てているプラスチックからタイルやスマホケース、イスのような家具だってつくることができる。ゴミを出した後のことは自分には関係ないとは思わず、自分が出したプラスチックゴミを材料と捉えてみることで環境に優しい取り組みを積極的に行うようになるだろう。もしかしたら家事をするのと同じくらい自然に誰もがリサイクルをする社会がつくられていていくかもしれない。これを機会にPrecious Plasticのコミュニティに参加して自分のオリジナル製品をつくってみてはどうだろうか。プラスティック製品を今よりもっと大切に扱うようになるはずだ。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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