蜂が働かなければ、人類は存続できない。“過労死する蜂”を元気づけて、人を救う“エナジーペーパー”とは

Text: NEUT編集部

PHOTOGRAPHY : ©️Bee Saving Paper

2018.4.10

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「過労死」で数が減少し続けている蜂のための“エナジードリンク”がポーランドで開発された。蜂たちが労働を続けてくれなければ死んでいくのは人間なのだから、これは他人事ではない。

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Photo by Massimiliano Latella

約20兆円相当の自然界の巨大ビジネスと、過労死する蜂たち

食料を作るのには虫や動物がいなくなちゃならない。スーパーの棚に並ぶ食料を買っていると忘れがちだが、他の生物なしに私たち人間は生きてはいけない。

特に蜂は地球上の90%の自然植物の存続に関わっているといわれている。受粉を「ビジネス」として考えれば、送粉者として約20兆円の利益を生み出しているのが蜂である。

しかしその数は年々減少。もちろん、現実問題「蜂が行なっているビジネス」がなくなれば経済的な大損害だけでなく、それは食料確保の問題で、人類の存続に関わってくるだろう。(参照元:Bee Saving Paper

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蜂の減少の原因は様々だが、具体的に一つあげるとそのなかに「過労死」がある。
 
どういうことかというと、工業化による自然の減少により蜂が蜜を運ぶのに長距離飛ばなければならなくなったという背景がある。蜜を探しに遠くまで探しに出なければならず、長距離飛行により疲れ切って死んでしまうのだ。

ポイ捨て歓迎?蜂を救う紙

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この問題に目をつけたポーランドの広告やメディアの代理店 Saatchi & Saatchiは、都心の蜂を救う活動をしているCity Beeとタッグを組み、昆虫学のエキスパートと職人の力を借りて「Bee Saving Paper(ビーセイビングペーパー):蜂を救う紙」を開発した。

この生分解性紙にはベタつかないように加工された蜂にエネルギーを与えるブドウ糖が含まれている。このブドウ糖は蜂の大好物の植物ハゼリソウから取り出されたものだ。

また、この紙には水からできたUV塗料に覆われた蜂だけが見える円上の模様が施されており、それが蜂の休憩所の目印となる。

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Bee Saving Paperはすでに実地試験が行われ、成功しているそうだ。現在は、蜂の将来を守るためにコラボレーションしてくれる企業を探している。「イノベーションで蜂の減少という問題自体を根本的に解決することはできないが、人々がこの問題について気付くきっかけになれば嬉しい」とBee Saving Paperのプロジェクトチームは話す。

「蜂が過労死している」なんて自分の問題のように感じれないかもしれないが、彼らの労働なしに私たちの食料はない。私たちは蜂が快適に労働できるように、できる限りのことをする必要がある。

Bee Saving Paper

WebsiteInstagram

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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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