目指すは“サスティナブルなファストフード”。中目黒のファラフェルスタンド、Ballon| TOKYO GOOD FOOD #008

Text: Jun Hirayama

Cover: JUSTINE WONG

Photography: Jun Hirayama unless otherwise stated.

2017.8.24

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フェアトレード、ダイレクトトレード、オーガニック、ベジタリアン、ビーガン、ゼロウェイスト、昆虫食、未来食…。東京の街に日々増えていく、お腹をただ満たすだけではない「思想の詰まった飲食店」。

「海外からビーガンの友達が日本に来ていて、ビーガンメニューのあるレストランを知りたい」、「サードウェーブの先を行くコーヒーが飲みたい」、「フードロスがないレストランに行きたい」、「無農薬野菜が食べたい」、「友達や恋人と健康にいい食事をしたい」などなど。そんなニーズに答える連載です。

「食べることはお腹を満たすだけじゃない。思想も一緒にいただきます」。その名も『TOKYO GOOD FOOD』。フーディーなBe inspired!編集部が東京で出会える、社会に、環境に、健康に、あなたに、兎に角「GOODなFOOD」をウィークリーでお届けします!

それでは第8回目の『TOKYO GOOD FOOD』行ってみましょう!

WHERE IN TOKYO

今回は、今年6月末に中目黒にオープンしたばかりのファラフェルスタンドの「Ballon」。料理家のSHIORIさんが、活動10年目にして初めて作ったお店だ。

最近、日本で密かにブームが来ているビーガンフードのファラフェル。実はビーガンのイメージを払拭するほど食べ応えのある「ガッツリ系のストリートフード」なんです。そんなファラフェルのお店を始めようと思った理由や、お店のコンセプトなどを代表のSHIORIさんに伺いました。

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オーナーのSHIORIさんとお店の外観

WHAT’S GOOD

ーお店で一番オススメの品はなんですか?

ファラフェルサンドです。

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ファラフェルサンドと自家製フルーツソーダ

始めは「ビーガンのお店」を作ろうと思ったわけではなく、自分が毎日でも食べたい、心からおすすめしたいと選んだものがたまたまビーガンでした。

それぞれ味付けや食感の違う8種の具材と2種のソースからなるボリューム満点のファラフェルサンドは、食べた人が「これ本当にビーガンなの!?」と、一同に声をあげるほどです。

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8種の具材と2種のソースはお店で手作り。

ビーガンというと、薄味で素朴な味わい、いかにも体にいい味というイメージが先行するようですが、Ballonでは、しっかり食べ応えがあって適度なジャンク感、ビーガンに日頃縁遠い「男子にもウケる味」を目指しています。その理由は後ほど。

CONCEPT & PHILOSOPHY

ーお店のテーマや信念を教えてもらえますか?

コンセプトは『サステナブルなファストフード』です。

これまで料理家として、雑誌、書籍、料理教室運営、料理番組、商品開発…と、様々な食の場面に携わる機会に恵まれてきました。その中でまだ経験のない飲食店経営にはずっと興味があり、念願叶ってOpenの運びとなりましたが、肉、魚がっつり、男子が喜ぶ料理を一番の得意とする「彼ごはん」を極めてきた私が、選んだ道は、まさかのビーガン(完全菜食)フードでした。店名の『Ballon』はフランス語のバレエ用語で「飛んでいるときの軽い動き」からビーガンフードの軽やかさに兼ねて名付けました。

ファラフェルは、中東発祥のひよこ豆を使ったコロッケのようなもので、まだまだ日本では馴染みが浅いですが、パリやロンドン、ニューヨークなど様々な国籍の人が集う世界の大都市ではとてもポピュラーで多くの人に愛されるビーガンフードです。数年前、パリで初めてファラフェルサンドを食べた時、あまりの美味しさと100%植物性なのに驚愕の満足感に衝撃を受けました。それ以来ずっとファラフェルの虜の私は、日頃ビーガンとは縁遠かったのに、何故かパリに行くと吸い寄せられるようにビーガンカフェで食事をとるのです。それはおそらくとてもカジュアルにごく自然にビーガンという食の選択肢の扉が開かれていたからだと思います。お店はどこもおしゃれで、男女も年齢層も人種も、様々な人が食事を楽しみ、実際に食べてみるとちゃんとおいしい。野菜だけ=地味ではなく、見た目に華やかでプレゼンテーションも素敵なのです。そんな空間がまるごと、とても心地よかったのを覚えています。

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そして、いつしかわたしの中で、旅先で出会った『今日はヴィーガンで!』という食の選択が日本にももっと浸透したらいいのに、という強い思いが膨らんでいました。

オーガニックやビーガンという分野においては、まだまだわたしも勉強中の身ですが、ファラフェルは純粋にわたし自身が大好きで100%植物性でこんなにもおいしくて素晴らしい食べ物をもっと日本のみんなに知ってもらいたい!という強い思いが根底にあるので、思い切り振り切った行動に移してみました。

そして、これからオーガニックやビーガンを日本にもっともっと浸透させていくためには、既に意識の高い人に向けての発信ではなく、日頃、その点に無関心な層にこそ食べてもらはなくては!っと、突然(!!)不思議な使命感が湧いてきました。

この10年誰よりも研究してきた、わたしの強みである『彼ごはん』的、男子も喜ぶ、満足するビーガンフードを広めよう!!これが目下、わたしのやりたいこと、やれること、やるべきことのひとつなのかなと思います。肉や魚も変わらず大好きで、生粋のveganではないわたしが日本のvegan人口を増やしたい!なんて大それた野望はありません。ただ、旅先で出会ったヨーロッパの人々が『今日はヴィーガンで!』というカジュアルな選択をするように日本にも『和食』『洋食』『中華』『ヴィーガン!』そんな選択肢を広めていきたいのです。

CHANGE SOCIETY

ーBallonを通してどのように人々の意識を変えたいですか?また、社会や地球に貢献していますか?

Ballonでは、使う食材は極力オーガニックをチョイス、8種の具材が詰まった、たった1種類しかないメニューのファラフェルを毎日愛情を込めて手作りしています。

素材選びや作る過程はとても大切です。 しかしながら、ビーガンだからとか、オーガニックだからとか難しい話をする以前に、もっとも力を入れるべきはやはり“おいしさ”だと考えます。

どんなに体に良くても、環境に良くてもおいしくなかったら続きません。でも、おいしくて、体に良くて、環境に優しい。これ以上にハッピーなことはないと思います。

おいしいから食べる!また、食べる!そして、食べる!

圧倒的なおいしさを武器に手軽に食べられるファストフード感覚で、気がつけば自然な流れでみなさんの暮らしにオーガニックやビーガンをほんの少し身近に感じるきっかけになれたら嬉しいです。

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店長の恩田 歩さん:「お持ち帰りもできます!」

どんなに体に良くても、環境に良くてもおいしくなかったら続きません。

「良薬口に苦し」などと昔から言われてきたが、SHIORIさんが言うように「おいしいから野菜を食べる」という、気張らずに健康になれるのが今の時代にフィットした食事のスタイルなのではないだろうか。野菜だけじゃ物足りないと思っている人でも、満足できるBallonのファラフェルを次の休みの日に食べに行ってみてはどうだろうか。

 来週の『TOKYO GOOD FOOD』もお楽しみに!

Ballon

Instagram

Address:〒153-0061 東京都中目黒3-2-19 ラミアール中目黒104
電話番号:0337120087
営業時間:11-19時
定休日:月曜

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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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