オープンに“メンヘラ”になると「幸せ」になれる理由

2017.8.25

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先日、アメリカのオラーク(Olark)社の女性社員マダリン・パーカーが「2日間自身のメンタルヘルスに集中するため休む」と職場で公表したことが日本でニュースとして取り上げられていた。職場でメンタルヘルスについてオープンに話すのはニュースで取り上げられるほど珍しいことであると同時に、社会全体が公共の場や職場で精神疾患の話題について触れることをタブー視しているとわかる。

しかし、心の病気を抱えた時に周囲に打ち明けづらい社会の閉鎖的態度はそのような人々にさらなる息苦しさを与えている。日本は精神疾患に対してもっとオープンになるべきではないだろうか。

精神疾患とは?カウンセリングとは?

「精神疾患」という言葉を聞いて、どのようなイメージを持つだろうか。

精神疾患には、うつ病や認知症、知的障害など様々なものが含まれている。

しかし一般的に精神疾患の人に対するイメージは一括りに「異常」な人、そしてカウンセリングに対するイメージは精神疾患の人だけが行く場所、ではないだろうか。精神疾患を患った者が犯罪を犯すなどのネガティブな報道が目立ち、偏見を抱いている人も少なくないかもしれない。それゆえに、カウンセリングを「普通」である自分には関係のない場所と思う傾向にあり、もし心の不調を感じてもカウンセリングを受けるという発想がなかったり、異常な人扱いをされたくないと思って避けているかもしれない。

精神疾患は誰でも患う可能性がある。日本における2014年の精神疾患の総患者数は392.4万人。(参照元:厚生労働省)体調の悪さを感じたから薬を買いに行ったり病院に行くのと同じように、心の不調を感じたからカウンセリングに行く、と考えれば印象は変わるだろうか?心のバランスが少し偏ってしまっただけと考れば、自分と同じように生活をしている人だと思えてくる。そう考えてみると、カウンセリングに通うことも心の不調を和らげること、心のバランスを取り戻すのに必要なことなのだ

カウンセリングが身近な欧米。

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アメリカの映画やドラマを見てると、登場人物がカウンセリングを受けているシーンをよく見かける。日本よりも気軽にカウンセリングを受けれる印象がある。

アメリカでは4人に1人が精神疾患というデータもあり(参照元:メンタルヘルスの国際比較における有病率)、身近なものという認識が日本人よりも高いのかもしれない。

実は、これは理にかなっていて、アメリカで約1300人を対象に行われた感情の受容とメンタルヘルスの関係についての研究では、自分のネガティブな感情について反発したり批判するよりも、それを受け入れている人の方がうまくその感情を対処できると判明している。また、約1000人に行った調査では、自分のネガティブな感情について後ろめたさを感じていない人の方が精神的健康が高かった。さらに、150人に対して3分間自分の長所や特技について述べてもらうという課題を行った結果、ネガティブな感情を避ける傾向がある人はそれ受け入れている人よりも課題に対して困難を示し、不安レベルも高いという調査結果を示した(参照元:Emotion Researcher)。ネガティブな感情を押し殺すのではなく、その事実を受け入れ、オープンになることが大切である。

これらの結果から、自身のネガティブな感情を受け入れることは精神的健康を維持する上で非常に大切だとわかった。ネガティブな感情や心の不調を感じることはごく自然なことで、相談してはいけないことではなのだ。

カウンセリングを身近なものに。

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精神疾患は珍しいことではなく、恥じることでもない。また、弱さを表すものでもない。人々が思うよりもずっと身近なものである。誰もがネガティブな感情や自分自身だけでは対処し難い感情を抱くことはあるだろう。その感情から抜け出す手助けをするために、カウンセラーがいる。心の不調を抱えた人がいるなら、もっと気軽にカウンセリングを利用してみてはどうだろうか。カウンセリングを受けることを病気の人がすることだと思わず、ハッピーな生活を送り続けるために行くものだと考えればきっとためらわずに利用できるはずだ。

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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