女性がスケボーも気軽にできない国 #YourWishFor2017|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会 #009

Text: NEUT編集部

Artwork: madoka

2017.1.15

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皆さん、こんにちは。久しぶりのハッシュタグ・アクティビズムの連載です!今回は日本から飛行機で15時間程度かかる国、サウジアラビアに関するものです。今から1年ちょっと前の2015年12月12日、サウジアラビアの女性が公職選挙で投票できるようになりました。どうしてこんなにも女性が参政権を得るのが遅かったのでしょうか?最近公開されたサウジアラビアのポップなミュージックビデオを見れば、その理由がわかるかもしれません。

サウジアラビアの女性の権利の保護を訴えたポップミュージックビデオが公開され、200万人もの人々が観覧しました。そして共感した人々が、今年がサウジアラビアの女性が生きやすい社会になるよう願って「#YourWishFor2017」をつけてSNSで共有したのです。一体ビデオには何が描かれていたのでしょうか?

スケートボードや自転車に乗る女性、音楽に合わせて踊る女性、バスケットボールをする女性。でも車には女性たちが後部座席に座り、運転席には運転できるはずのない幼い男の子。なぜ女性でなく男の子なのかというと、世界で最も女性の社会的地位が低い国の一つに数えられるサウジアラビアでは、政府が女性に自動車運転免許の交付を拒否していて、それが宗教上の禁止事項と解釈されているからです。(参照元:WSJCNN.co.jp

※動画が見られない方はこちら
動画の英語解説付きリンクは
こちら

ビデオではアクティブに体を動かす女性たちが登場していますが、イスラム法の厳格な解釈を採用する同国では男女が同席したり女性が公共施設に入ったりすることが認められておらず、女性がスポーツを行える条件の整った場所はほとんどありませんでした。また、教育省が「スポーツを行うことは女性らしくない」という理由で私立女学校のスポーツ活動を禁じました。ですが、最近では女性専用のスポーツ施設ができるなど変化が起きています!(参照元:AFPBB News

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不平等の背景には、サウジアラビア国家がイスラム法の堅持を基本方針の一つにしていることが関係しています。(参照元:外務省)イスラム教を国教としない国へ移民した人々のように自分の意志でどの程度戒律を守るか判断することができないのです。また、「成年後見制度」という男性が女性の保護者にならなければいけないというきまりがあって、女性だけで自由な移動をすることが難しいです。

そんなサウジアラビアでも、かねてから女性の権利を訴えている王子が去年「女性の運転禁止を撤回すべき」と主張しました!(参照元:AFPBB News)これは果たして実現するのでしょうか?私たちが他国の方針について簡単に口出ししてはいけませんが、「女性の権利」という視点がもっと尊重されるようになってほしいですね。ビデオを見たら皆さんも#YourWishFor2017をつけて共有してみてください。次回のハッシュタグ・アクティビズムの連載もお楽しみに!

※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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