「OVER THE MOON」幸せな感覚を追い求める沖縄出身のシンガーソングライターGrace Aimiの越えてきたもの|OVER THE MASK【Sponsored by PITTA MASK】

Photography: Adi Putra
Styling: Iori Yamaki
Hair: Hayate Maeda
Makeup: Chihiro Yamada
Text: Kotetsu Nakazato
Edit: Fumika Ogura

2024.3.5

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『OVER THE MASK』

2013年に「マスクは仕方なく着けるものだ」という当時の“当たり前”を疑うことからスタートしたマスクブランド『PITTA MASK』。コロナ禍以前より、マスクの持つ可能性を信じ、現在では豊富なカラーバリエーションやサイズ、デザイン性や着け心地などを追い求め、「着けることが楽しいマスク」を提案し続けている。そんなこれまでの常識を越えてきた『PITTA MASK』と同様に、あらゆる物事を越えてきた、ラランド サーヤ、オカモトレイジ、SIRUP、長谷川ミラ、Grace Aimiの5人が考える「OVER THE ◯◯(◯◯を越えてきた / 越えていきたい)」を伺うインタビューシリーズ。

沖縄出身のバイレイシャルでバイリンガルシンガーソングライターのGrace Aimi。2016年から実弟とともにさまざまなアーティストのカバー動画をYouTubeに投稿し始め、自然に振る舞う姉弟の姿、そしてGraceの歌声が人々を魅了し、瞬く間にファンを獲得していった。そして2020年には、Chaki Zuluをプロデューサーに迎え、
本名のGrace Aimi名義のデビュー曲『Eternal Sunshine』をリリース。その後もコンスタントに楽曲をリリースし、ジャンル・言語・ビジュアル全てにおいて、一つの型にはまることなく多面的なアプローチが印象的だ。そんなGraceがこれまでの人生を振り返りながら、どんなことを越えてきたのか、そして常に目指しているという「OVER THE MOON」に込められた思いとは何なのか伺った。

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何事も決めすぎないほうが楽しいし、気分が落ちない

ーGraceさんのこれまでの活動について教えてください。

小さい頃から歌うことが大好きだったんですけど、高校生のときに、弟と『Grace & Gabe』というYouTubeチャンネルを始めて、2人でカバー動画を撮ってアップロードしていました。遊びとしてやっていたんですけど、聞いてくれる人や登録者がどんどん増えてきて、そのタイミングで自分がどれだけ音楽が好きなのか、どれだけ音楽が必要なのかに気づき始めたんです。その頃から、オリジナルの曲も作り始めて、両親に聴かせたら褒めてもらえて、いろんなご縁もあってAwichとかOZWorldさんにも聞いてもらったんです。みんな、自分の音楽の才能を見出してくれて、いろんな人を紹介してくれるようになり、気がつけばEPやアルバムをリリースしたり、メジャーデビューが決まったり、憧れの人と会えるようになっていきました。

ー小さい頃から何かを発信したり、人前に立つことは好きだったんですか?

もともと、自分と弟がYouTubeを始める前に、姉2人と一緒にYouTubeチャンネルをしていて、撮影中、緊張して2人の横に黙って座りながら震えているような子でした。でも、家族のみんな、一人ひとりオリジナルのクリエイティブさを持っていて、親からも「好きなことがあるなら、それを追いかけてね」って小さい頃から言われていたおかげで、人前に立つことが好きになっていったんです。親戚が集まるときには、タレントショーを開催して、みんな家族の前で自分の好きなこと、得意なことを披露していて、私は『Somewhere Over The Rainbow』を歌っていました。こうして自分の好きな音楽をずっと続けられているのは全部家族のおかげなんです。

ー音楽をずっと好きでいられた理由や、音楽に救われた経験はありますか?

自分だけでなく、誰かのことも救うんだなって実感したことがあります。。今は亡くなってしまったおじいちゃんが、亡くなる前に認知症になってしまったんです。もともとおじいちゃんは音楽とダンスを心から愛している人で、そんなおじいちゃんと自分は大親友でした。ある日家族みんなでレストランに行ったときに、認知症の症状が出そうだなと思ったタイミングがあったんです。そのとき店内にはおじいちゃんの好きな50年代の音楽が流れていて、家族みんなでテーブルを端へ寄せて、おじいちゃんの手をとってレストランの真ん中で踊ってみたんです。そしたら、おじいちゃんも楽しくなって一緒に踊り出してくれて、それを見ていた他のお客さんもどんどん踊り始めて。そのときに、「音楽って、ただのコードの羅列じゃない。音楽も一つの命を持っていて、自分ではどうしようもできないときに、音楽の力があるんだな」って思えました。

ー実際にGraceさんの楽曲は、楽しく踊れる曲もあるし、癒しを与えてくれるような曲もありますよね。そういったジャンルもそうですし、言語、そしてカバー楽曲『骨まで愛して』に関しては時代をも越えて、いろんな角度から楽曲を制作しているなと感じます。一つのスタイルを確立せず、多様なアプローチをする理由を教えてください。

自分が好きだと思うことを、全部やりたいと思っているからなんだと思います。人生において一つの道を選んだとしても、歩いている途中に歩みを止めてくるものが出てきたり、方向を変えたいなと思ったり、考えが変わることってあると思うんです。自分はいろんな音楽が好きだし、いろんな意見を持っているから、何か一つの枠にはめたくないと思っています。髪をボサボサにしてロックで暴れたい日もあるし、部屋でR&Bを流して悲しかったことを思い出しながら泣きじゃくるのも好き。そうした体験を自分の音楽を通してやりたいんです。

ー多面的な自分を音楽を通して表現しているんですね。

そうですね。一つのボックスを決めちゃうと、そこから外れたときにすごく不安になっちゃうことってあるじゃないですか。でも本当は、世界も、自分も、音楽も、命も自由。この時期は一つに絞って「これをやっていく」っていうタイミングもあると思うけど、何事も決めすぎないほうが楽しいし、気分が落ちないと思います。

ー自由でいたいと思ったきっかけはありましたか?

自分がミックスであることからもきていると思います。もともと一つのボックスに入れないという感覚があって、日本人でも、うちなんちゅ(沖縄の方言で“沖縄生まれの人”という意味)でも、アメリカ人でもないって感じてきたんです。それもあって、小さい頃はいろんな不安がありました。沖縄の人といると「お前沖縄じゃないよ」って言われたり、アメリカの友達といると「日本の血も入ってるからアメリカではないよね」って言われてきて、どっちにいてももう一方が目立って、いじめられていたんです。それがすごく嫌で、自分だけみんなと違くて、友達も作れずママに泣きながら相談したことがあって。そしたらママは、初めは優しく寄り添ってくれて、自分が少し落ち着くと、「ママもパパも家族みんなGraceのこと愛してるでしょ。一番Graceが愛していて、一番Graceを愛してる人たちが『Graceはこのままでいい』って言ってるんだから、他の周りの人の言葉は聞かなくていいんだよ」って言ってくれたときに、これでいいんだ!ってスッと思えたんです。自分が自由でいること、感情を自由にすることの大切さをこのときに学びました。

ーその言葉を小さい頃に言ってもらえることはとても大切ですね。本当であれば誰しもが言われるべき言葉。

本当にそうなんです。自分はありがたいことに愛に溢れた家族のもとに生まれたけど、誰しもがそうというわけではない。あなたの人生に、愛あるポジティブな言葉を言ってくれる人がいないのなら、自分が代わりに言ってあげたいです。

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「OVER THE MOON」
幸せになる物事ではなくて、幸せの感覚を追い求めている

ーそうした愛ある環境で育ったGraceさんは、これまでにどんな物事を越えてきたと感じますか?

人からのネガティブな意見や妬みを向けられることは小さい頃からあったけど、それを同じようにネガティブな感情で返しても何もいいことは起きないじゃないですか。どれだけ嫌なことがあっても、愛を持って行動してきたなと感じます。そう思えるようになったのは、数年前にすごく落ち込んだときに、弟からある言葉をもらったことがきっかけなんです。いつも周りから「Graceはいつも明るくて太陽みたい」と言われていたので、人前に立ったら明るくいなきゃいけないと思い込んで、どんなに自分が落ち込んでいても無理矢理明るい自分を演じるようになっていました。そんなときに弟に「Don’t should do yourself(自分に対して、こうでなきゃいけないと言わないで)」って言われて、意味を聞くと「無理に幸せにならなくていいし、自分に厳しすぎると、どんどん嫌な感情が生まれるよ」ってアドバイスをくれたんです。そのおかげで、目標や理想を叶えられなくても、「これが今の自分だから、次頑張ればいい」って思えるようになりました。

ー自分の中に生まれるネガティブな感情を越えてきたというよりかは、受け止めてきたんですね。

その通りです。なので常に目指しているのは、「OVER THE MOON(月を越えるくらい幸せな状態)」と感じられること。幸せになる物事ではなくて、幸せの感覚を追い求めているんです。その幸せに大きさはなくて、メイクを頑張った日に「今日のメイクいいね」って言われるだけでも「OVER THE MOON」になれる。私は大好きな音楽をやりながら何度も感じられています。

ー最後にこれから何かを越えたい、変えたいと思っている人に向けてメッセージをお願いします。

何かを始める前に、一度今の自分を受け止めてハグしてあげてください。どれだけネガティブな感情を持っていても、一度その感情を受け止めてあげて、これからの可能性に愛を持ち、自分への希望の気持ちを失わないでほしいです。自分を、自分の人生を愛してるって思えれば、自分の夢となるものがきっと降りてくると思います。どんな可能性にも一度くらいチャンスをあげられるように、自分を閉じずにオープンに歩み続けてほしいです。オープンにしていたことで傷ついたり、傷つけられても、それはあなたに魂があるということ。どんな自分も受け止めてあげてくださいね。

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Grace Aimi

YouTube / X / Instagram

2000年生まれ。沖縄県出身で、バイレイシャル、バイリンガル。人々の心を根源的に揺さぶるパワーをもった歌声が魅力のZ 世代ポップシンガー。
YouTube にて実弟と共にGracie & Gabe として活動をスタート。
ウクレレに合わせて歌った数々のカヴァー楽曲動画がSNS上で話題となり、
デビュー前にしてチャンネル登録者数は10 万人超え、累計再生数は1000万回以上を記録している。2020年8月31日、Awich やkZmなどジャパーニーズヒップホップを牽引するラッパーたちのプロデュース・ワークで絶大な支持を得てきたChaki Zuluをパーマネントなプロデューサーに迎え、
本名のGrace Aimi 名義のデビュー曲「Eternal Sunshine」をリリース。
同曲はSNSを中心に数々のヒットチャートやバイラルチャートにランクイン。
海外メディアやアーティストからのオファーが殺到する。

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PITTA MASK

EC WEBSITE / OFFICIAL WEBSITE

10年前、白い不織布マスクが当たり前の世の中に、PITTA MASKは登場。革新的なポリウレタン素材、独自形状によるフィット感、豊かなカラバリはいまや「マスクの新たな常識」となりました。常にマスクの新たな可能性でありつづけるブランド、それがPITTA MASKです。

Grace Aimiさんが着用した<イエロー>を含む、全カラー全サイズのPITTA MASKを購入できるのはこちら

PITTA MASKオフィシャルサイトはこちら
アラクスの企業情報はこちら

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